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エピローグ
国王陛下は、セドリックに、領土と豪華な屋敷をプレゼントした。そして、自分の退院祝いと同時に、セドリックと賢吾の結婚式も開き、気がついたら、賢吾は結婚していて、セドリックと二人で暮らし始めていた。
もちろん、賢吾は、必死で結婚も、家も辞退しようとした。けれども、賢吾の辞退を国王陛下は、身分違いの恋に悩んだ謙遜からと決めつけて、強引に結婚を勧めてしまったのだ。
セドリックは、領土経営は初めてであるが、小さい頃から勉強していたらしく、農作物の品種改良や技術開発、病院や学校の設備の充実、減税などを行い、いい領主が来たと認められている。そして、夜になると、獣みたいに荒々しく賢吾を抱くのだ。
賢吾は、新しい家で、西洋の医学の本を読み、紅茶を飲みながらも、現実に心が追い付いていなかった。
(こんなことになるなんて……。ちょっと手術がしたかっただけなのに……)
そんな風に、間違ったクリスマスプレゼントをもらった子供のように呆然としていた。
しかし、賢吾という男は、変温動物みたいに適応能力が高い男で、1週間も経てば、新しい生活に慣れ、病院で手術患者を探し回る日々が始まった。
「最近忙しそうだな」
「ケンゴも忙しそうですね」
「ああ。だけど、手術患者が全然いないんだ。これは、神様が私に与えた試練なのかもしれない。今は、耐える時だろう」
賢吾は、知らなかった。
セドリックの領土経営が上手すぎて、領民が健康になり患者が減っていく未来を……。
「ここでの生活は、どうですか」
「この生活はなかなか悪くないと思っている。君と結婚することでメリットもあった」
「もしかして、俺のことが好きなんですか」
セドリックは、期待で夜明け色の瞳をキラキラと輝かす。
「いや、君との結婚によるメリットは性行為だ」
それを聞いて嬉しくなったセドリックは、賢吾の耳元でからかうように「そんなに気持ちよかったんですか」と尋ねたが、「そういうわけじゃない」と首を振られてしまった。
「いいか。性行為は、脳内にドーパミンやエンドルフィンなどのリラックス効果のある物質を放出させる。さらに、行為後は、脳内にメラトニンなどの睡眠促進物質が放出され、質の高い睡眠が得られる。ストレスホルモンの分泌が抑えられ、免疫細胞の活性化が促進されるという利点もある。これにより、体の抵抗力が高まるんだ」
あれほどセックスを嫌がっていたが、セックス後に自分の中の変化に気がついたことで、医学的なメリットも実感したのだ。
「……」
予想外の返事が返ってきて、セドリックはチベットスナギツネみたいな、何とも言えない顔になった。
(この人は、俺のことを棒のように思っていたのか……)
ショックのあまり言葉をなくした。
「それだけじゃない。血圧の安定化という効果もある。性行為時の血管拡張作用によって、一時的に血圧が下がる効果がある。この結果、長期的な血圧の安定化にもつながる」
賢吾は、拳を握りしめながら、ノリノリでそう話した。
「……なるほど」
セドリックは、お酒を浴びるように飲みながら、誰かに賢吾の愚痴を言いたい気分になっていた。
「またパートナーのいない独身男性は、早死にする傾向もある。君と結婚するのは、悪くないと思うんだ」
「ははははははははははっ」
堪えきらくなったセドリックは、ついに腹を抱えて笑い出した。
「どうしたんだ?」
「いえ。何でもありません」
(やっぱり、ケンゴは変な人だ。出会った時と変わらない。変なことを言って、変なことばかりしてくる。そんなところも大好きだ。彼が愛しくてたまらない)
セドリックは、賢吾の顔を熱っぽい瞳で見つめた。
(だけど、こんなんじゃ物足りない。いつか、そんな理論なんて出て来なくなるほど、俺のことをめちゃくちゃ好きにさせてみせる)
そして、彼の唇に優しいキスを落とした。
もちろん、賢吾は、必死で結婚も、家も辞退しようとした。けれども、賢吾の辞退を国王陛下は、身分違いの恋に悩んだ謙遜からと決めつけて、強引に結婚を勧めてしまったのだ。
セドリックは、領土経営は初めてであるが、小さい頃から勉強していたらしく、農作物の品種改良や技術開発、病院や学校の設備の充実、減税などを行い、いい領主が来たと認められている。そして、夜になると、獣みたいに荒々しく賢吾を抱くのだ。
賢吾は、新しい家で、西洋の医学の本を読み、紅茶を飲みながらも、現実に心が追い付いていなかった。
(こんなことになるなんて……。ちょっと手術がしたかっただけなのに……)
そんな風に、間違ったクリスマスプレゼントをもらった子供のように呆然としていた。
しかし、賢吾という男は、変温動物みたいに適応能力が高い男で、1週間も経てば、新しい生活に慣れ、病院で手術患者を探し回る日々が始まった。
「最近忙しそうだな」
「ケンゴも忙しそうですね」
「ああ。だけど、手術患者が全然いないんだ。これは、神様が私に与えた試練なのかもしれない。今は、耐える時だろう」
賢吾は、知らなかった。
セドリックの領土経営が上手すぎて、領民が健康になり患者が減っていく未来を……。
「ここでの生活は、どうですか」
「この生活はなかなか悪くないと思っている。君と結婚することでメリットもあった」
「もしかして、俺のことが好きなんですか」
セドリックは、期待で夜明け色の瞳をキラキラと輝かす。
「いや、君との結婚によるメリットは性行為だ」
それを聞いて嬉しくなったセドリックは、賢吾の耳元でからかうように「そんなに気持ちよかったんですか」と尋ねたが、「そういうわけじゃない」と首を振られてしまった。
「いいか。性行為は、脳内にドーパミンやエンドルフィンなどのリラックス効果のある物質を放出させる。さらに、行為後は、脳内にメラトニンなどの睡眠促進物質が放出され、質の高い睡眠が得られる。ストレスホルモンの分泌が抑えられ、免疫細胞の活性化が促進されるという利点もある。これにより、体の抵抗力が高まるんだ」
あれほどセックスを嫌がっていたが、セックス後に自分の中の変化に気がついたことで、医学的なメリットも実感したのだ。
「……」
予想外の返事が返ってきて、セドリックはチベットスナギツネみたいな、何とも言えない顔になった。
(この人は、俺のことを棒のように思っていたのか……)
ショックのあまり言葉をなくした。
「それだけじゃない。血圧の安定化という効果もある。性行為時の血管拡張作用によって、一時的に血圧が下がる効果がある。この結果、長期的な血圧の安定化にもつながる」
賢吾は、拳を握りしめながら、ノリノリでそう話した。
「……なるほど」
セドリックは、お酒を浴びるように飲みながら、誰かに賢吾の愚痴を言いたい気分になっていた。
「またパートナーのいない独身男性は、早死にする傾向もある。君と結婚するのは、悪くないと思うんだ」
「ははははははははははっ」
堪えきらくなったセドリックは、ついに腹を抱えて笑い出した。
「どうしたんだ?」
「いえ。何でもありません」
(やっぱり、ケンゴは変な人だ。出会った時と変わらない。変なことを言って、変なことばかりしてくる。そんなところも大好きだ。彼が愛しくてたまらない)
セドリックは、賢吾の顔を熱っぽい瞳で見つめた。
(だけど、こんなんじゃ物足りない。いつか、そんな理論なんて出て来なくなるほど、俺のことをめちゃくちゃ好きにさせてみせる)
そして、彼の唇に優しいキスを落とした。
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2019年12月18日追記
カテゴリを「恋愛」から「BL」に変更いたしました。
カテゴリを間違えてすみませんでした。
ご指摘ありがとうございました。