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変人だらけの晩餐会

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 セバスに徹底的にマナーをしごかれた5日後、ついに晩餐会が始まった。

 白いスーツを着た俺のもとに、一人ずつ挨拶をしにきた。

 1人目。
 アシュラッド・テラス(27)だ。騎士団のエースで、艶のある赤髪に赤い目をしている。笑顔が素敵で、キラキラしている印象だ。
 彼は、緊張している俺の前で膝まずいて、右手を取り、口づけを落とした!!!
「ひいっ」
「失礼、巫女様。あなたがあまりにも綺麗で我慢できませんでした」
 こ、こいつ、美醜感覚狂っているのか。平凡な容姿をした俺が綺麗だなんて。
「どうか俺を選んでください。貴女を必ず幸せにします」
 そして、膝まずいたまま、無駄にキラキラとした笑顔を浮かべた。こいつ、モテそう……。

 2人目。ルーク・ビット(20)   次期エースの名高い騎士団員。青髪×紫の目をしたイケメン。
 彼は、緊張した様子で右手を差し出してきた。
「お、俺は、ルーク・ビットです!!」
 彼の右手を握ると温かかった。
「いつか、騎士団長になる男です。俺にしてください。後悔はさせません」
 彼は、握っている俺の手を右手にそっと自分の左手と重ねた。まっすぐしていて、優しそうな子だ。

 3人目。
 ジェラルド・ワイザー(32) 騎士団の団長で、茶髪に青い目をしたマッチョである。
「俺の魅力は筋肉だ」
 そういいながらゴリラポーズ、じゃなくて、マッチョポーズをした。彼のスーツのボタンがぶっ飛び、服はビリビリと破けた。筋肉って恐ろしい……。

 4人目。
 ナイジェル・エアード(29) 参謀  黒髪に紫の目をしたミステリアスなイケメンだ。銀縁メガネをかけている。
「私が一番あなたにふさわしい人間です」
 メガネをクイッとあげた。
 に、にじみ出るエリート感。

 5人目。
 レアル・オハラ(27) 劇の花形男優
 ロンゲ金髪に青い目をしている。薔薇をくわえた写真。
 彼は、クルクルと回りながら登場した。何で?
「トオル。俺のメインヒロインになってくれ」
 そう薔薇を渡してきた。
 どうしよう……、この薔薇……。

  6人目。エリック・ネスラード(23) 無職
 金髪にアメジストの瞳をしている。
「お仕事はどうしたんですか?」
 つい気になって聞いてしまった。
「無職です」
 会話終了!!なんもいえねぇ!

 7人目。ミロード・ファネル(25) 魔術師
 紫の髪に紫青の瞳をした怪しげな男だ。
「魔術って見たことある?」
「ありません」
「君に魔法をかけてあげる」
 彼がパチンと指を鳴らした。すると、光の粒がキラキラと舞いだした。
「すごい!!」
 彼は、美しい顔を僕の耳元にそっと近づけた。
「これからも、もっとすごいものを見せてあげる」
 耳元でそう囁かれると、ドキッとしてしまった。 

 8人目。ガリシア・ゴットランド(35)
 弁護士らしい。金茶の髪×エメラルドグリーンの瞳をしたがっしりとしたイケメンだ。
「貴女とは前世からの運命である気がする」
「は、はあ」
 なにいっているんだ、こいつ。
 そんなわけあるか!!

 9人目。
 ロン・ベリー(29) 護衛
 天然パーマ小豆色の髪に濁った血のように赤黒い目をしている。
 彼は、いきなり顎クイをしてきた。何だ、この男は……。
「かわいらしい、子豚ちゃんですね。調教のしがいがありそうだ」
「え!?」
 彼は、驚いた僕を見てクスリと笑った。
「冗談ですよ。俺は、ロンです。以後、お見知りおきを」
 なぜか彼の目を見るのが怖くなり反らしてしまった。

 10人目。
 ハリソン・ロマノフ(25) 文官
 茶髪に焦げ茶色の瞳をした、彫刻みたいに美しい男だ。
「貴女は、想像よりも、ずっと美しいですね」
 彼は、髪を無駄にかきあげている。何のポーズだ。しかし、そうなことを言うこいつも綺麗だ。
「君は、俺の次に美しいと認めてあげます」
 ……ただのナルシストか。確かに美しい男だけど。
 

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