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1章「新たな出会い」
名付けと契約
しおりを挟む───さて、どうしたものですかね
2人の名前を考えることになりましたけど、そんないきなりパッとは出ませんことよ?
「う~ん…」
【悩む姿も画になりますね!】ハァハァ
「茶化さないでくださいまし!真面目に考えているんですから!」
【ごめんなさいね、ついつい】
──う~ん、可愛い名前ねぇ
剣…セイバーちゃん?それだと愚直ですわよね…
「デュランダルの方は『セ○バー』、なんてどう?」
そう聞いたら慌てるような鬼気迫るような、そんな感じで
【その名前は色んな意味でダメです!】
と、食い気味にダメと言われてしまった。
「色んな意味?」
【いえ、こっちの話です
気にしないでください
でもそれだけはやめてください!】
何故か泣きつくように言われてしまった。
「わかりましたわ」
再び名前の候補を思案する。
──う~ん、もうありふれた名前しか出てきませんわね
「ではマイアという名前はどうです?
豊穣の女神マイアにあやかって取られた名前で、庶民では割とありふれた名前ですわよ」
【マイア、いい響きですね!
気に入りました!】
今度は大丈夫みたい。
「よかったですわ」
──さて、次はグラムの方ですわね
「グラムは特に要望とかないです?
マイアみたいに可愛い名前がいい~とか」
〈別に尖った名前でなければ何でもいいなぁ
例えばアレキサンダーとか、そういうのはやめてくれ〉
──アレキサンダーなんて王族でしか付けないような名前ですわよ…
う~ん、そうですわねぇ…
「なら、『ベル』なんてどうです?
七大悪魔のベルフェゴールから取ってみたんですけど」
〈お、いいんじゃねぇの?
名前の由来はともかく、呼びやすい名前だし
オレはそれでいいぜ〉
「それじゃ、それで決まりですわね」
そこでデュランダル改めマイアが、とあることを始める。
【では、名前も決まったし、ちゃちゃっと儀式を始めましょうか】
〈おうよ〉
──儀式?
そのとき双剣から光の魔力が、大剣から闇の魔力が大量に放出された。
そして──
【〈我ら、マイア及びベル
汝エリカを我らの主と認め、永久不滅の剣となり盾となることを誓う〉】
言葉が終わると同時に、溢れ出ていた光と闇の魔力が混じわり、収束するようにエリカに吸い込まれた。
──なるほど。人格の一部が現れるというのはこういうことなのですわね
魔力と一緒にマイアとベルがエリカの中に流れてくるのが分かった。
「不思議な感覚ですわね
初めて相見えるはずなのに、まるでずっと一緒だったかのようにスっと受け入れられましたわ
これは肉体改造のおかげですの?」
【えぇ、そうですよ】
「そうなのですわね
では改めて、よろしくお願いしますわ
マイア、ベル」
~~~~~~
儀式が終わって、エリカは疑問に思ったことを2人に聞いた。
「ところでさっきの儀式とやらは一体何なんですの?」
マイアが簡単に説明する。
【アレは簡単に言うと一生あなたに仕えますっていう契約の儀式です】
あまりに簡単すぎる説明にベルが、
〈ざっくり端折ったなぁ
間違っちゃいねぇけどさ〉
と、何やら歯切れ悪く言った。
しかしマイアは、
【いきなり難しいこと言っても分からないでしょ?】
と言う。
続けて意味ありげに、
【それに、今はこの方がいいの
そのうち、この契約の本当の意味が分かってくるから】
と言った。
「まぁその話は今言及しても教えてくれなさそうですわね」
【今話しても信じてもらえない、というのが大きいですね
なので、来る時が来たらお話します】
わかりましたわ、と一応は納得するエリカ
それとは別にもうひとつ、2人に聞きたいことを聞いた
「あと一生仕えるって言ったら私、不死者になったから永遠ともよべる時間を共にするんでのよ?
それでも、お2人はよろしいんですの?」
エリカのもっともな質問に2人は
【いいのよ、私たちが選んだ道だから】
〈当たり前だ
これからオレたちは一蓮托生だ
後悔はしねぇぜ〉
と言ってのけた。
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