最強剣士の好みは和服ショタ派なんです

からどり

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三度目の冒険から本番です。

それぞれの道

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続いてハレルも立ち上がった。

「ボクはジェイドさんと旅をしたいです。ジェイドさんみたいにもっと強くなって姉様を守りたいんです。せっかくのお話なのにごめんなさい」

頭を下げるハレル。背中が冷たいままのオレの顔から血の気すら引いた。ハレルの幸せのためにもう諦めなきゃいけないのに。レイスには雇って欲しい二人がいるって言ったのにこれで彼女の機嫌が悪くなったらどうしよう。だめならオレが二人くらい余裕で養える。けど、よほどの理由がなきゃ男が未婚の女とその兄弟を養うのは結婚という意味で、オレは姉さんと結婚・・・・・・幸せにできるのか・・・・・・?

「真っ直ぐな弟さんね。英雄が目の前にいれば男の子なら強くなりたいと思うもの。・・・・・・昔の私達もそうだった」

レイスは微笑んだ。一緒に旅をしてた時は家督を継ぐことも忘れて、皆ではしゃいでた頃の顔と同じで胸が優しく締め付けられる。
オレに恋愛感情はなかったけど友達として楽しかった思い出が懐かしい。

「あなたが仲間にして欲しいと頼む子を『この子を仲間にしてもいいだろうか?』って言ってたわね。涙に弱くて頼みを断りきれない子ばかり連れてくるし、ライバルを増やしたくなくて『駄目』っていつも私達が断っていたわ」

レイスも昔が懐かしいみたいでクスクス笑いながら言った。

「もう最後だろうから言ってあげるわ。仲間にしてあげなさいよ」

オレがゲイだと彼女が気づいていたのかは分からない。多分、男の強くなりたいロマンを汲んでハレルの味方をしてくれたんだと思う。
だけどオレは世界に認められた気がした。

「うん。ハレル君、オレと一緒に行こう」

「はい!お願いします!」

オレが伸ばした手はハレルの小さくて柔らかい両手に包まれた。間にいる姉さんが静かに微笑んでいた。
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