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尊がる男と嫉妬する少年。
街道の見廻り
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ギルドで最初に選んだ仕事は街道の見廻りにした。
本当は騎士団の新人達に割り振られる仕事だが、治安向上を目的として見廻り箇所を増やしたため外部(ギルド)に頼んだらしい。
オレとハレルはこの街から近辺の町や村に続く道を指示されたルート通りに歩いてまわる。
「いいお天気で良かったですね」
「そうだなぁ。晴れて良かったよ」
口ではそう言いつつも帰り際に雨が降ってこないかと思う。濡れて服がスケスケになったハレルの姿を見て、風邪をひかないように一緒にお風呂に入りたい。それで背中を洗ってあげて手が滑って大事な場所にうっかりタッチしたい。
モンモンと妄想だけが頭を渦巻くが、オレの右腕は頭とは別の意識があるかのように剣を振ってモンスターや野盗を倒していく。
3歩後ろをついて歩くハレルのレベルが上がった効果音がオレの頭の中で響く。ハレルが「わあ、すごい」と呟くのを聞いてオレは大満足だ。
このままなにもなければと思ったのに馬のいななきが遠くから聞こえた。
「ハレル、走るから背中に乗るんだ」
「!はいっ!」
ハレルの耳に馬のいななきが聞こえたかは知らないが、何も説明しなくてもオレの背中に飛び付いてくれるハレルは賢い。背中の体温に下半身が爆発する前にオレは事故か事件が起きただろう方向に全力で走った。
本当は騎士団の新人達に割り振られる仕事だが、治安向上を目的として見廻り箇所を増やしたため外部(ギルド)に頼んだらしい。
オレとハレルはこの街から近辺の町や村に続く道を指示されたルート通りに歩いてまわる。
「いいお天気で良かったですね」
「そうだなぁ。晴れて良かったよ」
口ではそう言いつつも帰り際に雨が降ってこないかと思う。濡れて服がスケスケになったハレルの姿を見て、風邪をひかないように一緒にお風呂に入りたい。それで背中を洗ってあげて手が滑って大事な場所にうっかりタッチしたい。
モンモンと妄想だけが頭を渦巻くが、オレの右腕は頭とは別の意識があるかのように剣を振ってモンスターや野盗を倒していく。
3歩後ろをついて歩くハレルのレベルが上がった効果音がオレの頭の中で響く。ハレルが「わあ、すごい」と呟くのを聞いてオレは大満足だ。
このままなにもなければと思ったのに馬のいななきが遠くから聞こえた。
「ハレル、走るから背中に乗るんだ」
「!はいっ!」
ハレルの耳に馬のいななきが聞こえたかは知らないが、何も説明しなくてもオレの背中に飛び付いてくれるハレルは賢い。背中の体温に下半身が爆発する前にオレは事故か事件が起きただろう方向に全力で走った。
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