【完結】前提が間違っています

蛇姫

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転生ヒロインは最後まで乙女ゲームだと思っていた

後悔の始まり

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 モブはどうでもいいけど、生徒会の皆が出てきてくれたのはラッキーね。………何で、そんなに怖い顔して私を睨んでるの?
 あっ………分かった!此処にいる四人が羨ましいんでしょ!?大丈夫、ヒロインの私がモブを本気で相手にするわけないじゃない。
 此処にいる役立たず共は悪役令嬢に自分の役割を自覚してもらうための駒だから。皆とは全然違うの。だから安心して?

 私が皆に安心してもらうために声を掛けようとしていたのに、またモブ男が邪魔をしてきた。

「話し合いを始める前に、ルナを保健室に連れて行っても宜しいですか?足が腫れているので手当をしたいのですが……」
「ヴォルフ様………」

 悪役令嬢の足が腫れてるから何だっていうのよ。私はヒロインなのよ?此処は【乙女ゲームの世界】なんだから、私がどうでもいいと思えば、どうでもいいの。

「足が腫れている!?」

 大袈裟なのよ。ヒロインの私が怪我をしたなら、大袈裟でも何でもなく大事件だけど、たかが悪役令嬢の足が腫れた程度で大事件にしないでくれる?
 その女は私にまだ何もしてないだけで、これから酷いことをしてくる予定なんだから。

「ルナ、保健室に行こうか」
「ええ……よろしくお願い致しますわ」

 モブ男が悪役令嬢を抱えて何処かに行った。保健室に行くって言ってたけど、足が腫れた程度なら大したことじゃ無いじゃない。それなのに、四人とも青白い顔なんかして、意味わかんない。

「此処(食堂)で話すことではないが、当事者全員から話を聞きたい。…学園長室までご足労願えるか?」

 私が虐められてたことについて聞きたいってことね。そういう事なら一緒に行ってあげてもいいよ。

「私……恐かったです」

 モブとはいえ、学園長なら泣き真似を披露してあげても損はないし、シナリオとかイベントとか何でか知らないけど全然起こらないんだから、此処で攻略対象たちのポイント稼ぎをしとかないとね。

「………その件も含めて、学園長室で話を聞こう」

 成る程ね。此処(食堂)だと私が酷い目に遭わされるかもって心配してくれたってわけね。モブにしては分かってるじゃない。これから悪役令嬢による酷い虐めが始まる予定なんだから、その辺は配慮してくれないと困るしね。
 まあ、あの女の取り巻きが誰かは分からないけど、多分この食堂の中にいるんじゃない?
 だって【乙女ゲーム】には取り巻きがいたんだから。……何で一人で昼食を摂っているのかは謎だけど。

 私たちが学園長室に到着し、全員が室内に入り、学園長室の扉を閉めた直後にモブ(学園長)が言った。

「お主らの処遇に関しては、ドラグーン公爵令嬢の怪我の具合を見て判断するものとする」

 ………は?怪我の具合を見てってどういうこと?
 私が虐められてる件について話を聞きたいんでしょ?それで私たちに付いてこいって言ったのよね?
 何で悪役令嬢の怪我の具合なんかを気にする必要があるのか意味わかんない。あの女にそんな価値無いでしょ?

「何で怪我の具合なんか気にするんですか?」

 丁寧に聞いてあげたのに、皆が険しい顔で私を見た。何でそんなに怖い顔をしてるの?……私、何か変なこと言った?

「公爵令嬢に子爵令息が怪我を負わせたことを、その程度のことの様に語るのだな。ローウェン子爵令嬢」

 何の問題があるのよ。公爵令嬢だから何なの?私はヒロインなのよ?ヒロインがこの世界で一番大事な存在だってこと、理解してないわけ?これだからモブは困るのよね。

「だって怪我させたの私じゃないんですよ?」

 確かに怪我させたのは悪いことかも知れないけど、別に私がしたわけじゃないし。そもそも頼んでない。
 なのに、私まで処分の対象になるなんて有り得ない。
 そんな事も分からない耄碌ジジイなわけ?引退した方がいいんじゃない?無理は駄目だよ、おじいちゃん。


 この瞬間、私の前には破滅への道だけが残された。それを知ったのは、総てが手遅れになってから。
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