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状況の人、異世界へ転移する
状況の人、冒険者になる3
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龍海と洋子は、まずはレベッカの指示通りに、冒険者登録を行うため冒険者ギルドに赴いた。
ファンタジーものとしてはギルドの受付は巨乳美女率がかなり高いモノであるが、このギルドの受付は20代中盤の青年であった。またまた残念。
用向きを聞く受付に、龍海は自分と洋子の名を告げると受付の男は、
「お話は伺っております。早速ですが、こちらの登録申請書と登録証の名前欄にご署名いただきたく……」
と丁寧な言葉使いで話しつつ、既に準備されていたらしい申請書と登録証を棚の奥から取り出すと、二人に差し出した。
申請書には、おそらくレベッカらの指示と思われる建前上の住所や年齢等が既に記されており、あとは署名するだけになっていた。
二人は特に何も質問せず、言われた通りに署名した。
「ありがとうございます。ではこれからマスターの承認印を受けてまいりますので、しばらくお待ちください」
そう言うと受付係は奥の事務室らしい部屋に入っていった。
現地の会話もそうだが、異質の文字であるにもかかわらず二人とも読み書き共にスラスラと出来てしまった。
――標準パックでも入ってたらしいけど、読み書きスキルすげぇ……
代わりの受付(今度は女性、歳の頃30前後? お胸は並)が入り、他の冒険者の対応に当たったので、龍海らは少し離れて承認が降りるのを待った。
その間に龍海は、集っている冒険者の能力値を鑑定してみた。この世界の人間のステータスと今の自分とどれほど開きがあるか、それが知りたかった。
とりあえず細かい腕力やら器用さやら頑丈さとかは置いておいて、HPやMP、職業や称号等に注視して調べる。
ざっくり見てみるとHPの最大値は4桁らしいが、屈強そうな戦士でも1000に届いている者は少数のようだ。
実際に見まわしてみても、それに該当するのは今ギルド内にいる30人中2人程度しかいない。
現在依頼遂行中の者にも居るのかもしれないが、この中ではほぼほぼ3桁ばかりだ。
因みに龍海は約650と、ここにいる男性冒険者の平均よりちょっと多い程度。
洋子は400位で他の女性に比べても少なめ。体力錬成は必須だ。
後は上限値がどこまで伸びるのか? 勇者の素質からして、もしかして5桁も有り得るのか?
次に龍海が50,000,000も持っているMPに目を向けると、これがこちらも4桁であった。
魔導士と思しき連中をざっと探したが、最大値が3000、5000と持っている者はいるがその程度だ。
恐らくは攻撃魔法にしろ防御や回復系にしろ、様々な種類の技があるのだろうし、その消費量がそれぞれ如何ほどか、一流どころや伝説級の者となると最大値がどれほどなのか、その辺り、これから調べるべき事項であろう。
だが今、ギルド内に居る多種多様な冒険者達も、一廉の戦歴や経験、能力を持った猛者たちであるわけで。
そんな彼らと比べて、自分の、文字通り桁違いのMP値が如何にチートであるかは改めて思い知らされる。あの女神さまの仕業なのだろうが、ずいぶん気に入れられたもんだ。
つか、今までの連中は、どれだけ彼女に辛く当たっていたんだ?
「なんかすごい……」
ギルド内を見回しながら洋子がボソッと零した。
「なんだかVRでファンタジー映画でも観てるみたい……」
「そうだな……」
龍海は苦笑しながら答えた。
ここに来るまでの往来でも感じたことだが、集う人々の多くは龍海らと同じ人間族であるが、その他にも映画やアニメ、ゲームでおなじみの様々な種族が普通に闊歩している。
街角でも目を引いたケモ耳の獣人やエルフらしき種族など、メイクでもCGでもない、リアルにそういう顔をした者たちが、戦闘等による傷や歪みがある、如何にも実戦で使い込まれていそうな現実感満点の防具や武器を身に着け、これまたギルドにありがちなリクエストボードで仕事を物色する風景。サロンで朝から水を飲むように酒を煽る奴まで、まさに異世界モノで定番の情景が二人の目に映り込んでくる。
自分たち日本人の体格に比べると一回りも二回りも大柄な、隆々とした筋肉を誇る戦士たち。
あるいは一般的とも言える華奢な外観ながら、踏んだ場数の多さを伺わせる厳つくも鋭い目をした女性魔導士など、その醸し出す威圧感と言うかオーラと言うか。洋子は彼らから滲み出るそんな雰囲気に息を飲んだ。
――この先、こういう連中の中で生きていかなければならない……
洋子は身震いを抑えられなかった。
「やっぱり怖いかい?」
龍海はそんな洋子に声を掛けた。
「そ、そりゃあ、まあ……あたし、学校じゃあ不良とかヤンキーとか、それどころか体育会系のノリとも無縁な生活だったし、こういう雰囲気は……」
「まあ当然かな。俺も自衛隊の経験や、鉄工所の荒っぽい連中との付き合いが無けりゃビビってたろうなぁ」
更に、近代銃火器による武装、このアドバンテージが大きいのは言うまでもない。
「でも君は、やがてこの連中や、きのう突撃してきた兵隊たちの先頭に立って、彼らを率いる事になるんだぜ? それほどの素質も持っているわけだし?」
「も~、冗談じゃないわよ。鬱だわ~」
「まあ、そう気負う事もないさ。もっと気楽に構えたって……」
「よう、タツミ!」
いきなり名前を呼ばれた。
声の方に目を向けると、声の主は昨日この王都まで便乗させてくれたトレドとアックスであった。二人は手を振りながら近づいてきた。龍海も笑顔で応える。
「やあトレドさん、アックスさん、昨日はどうも」
「どうやら無事だったようだな?」
「無事?」
「いや、あんたと別れてからギルドに忘れ物したの思い出してな。ついでにサロンで一杯ひっかけてたら王室の親衛隊の連中が入って来てよ。『見慣れない風貌の男女を見なかったか?』とか聞きまわっててなぁ。若い娘と痴話喧嘩してたって言うんで『あいつとは違うよな?』とアックスが声に出しちまってなぁ。親衛隊の耳に入ったみたいで『詳しく教えろ!』と詰め寄られて、あんたの事を話しちまったんだよ」
まあ探す側としては、どんな些細な情報でも欲しているだろうから、突っ込むのもアリだろう。事実ビンゴなわけで。
「あんたは一人だったから違うとは思ったんだけど、連中が血相変えて聞くものだからつい、あんたの服装や人相とか話してしまったんだ。世話になったのに、何か迷惑かけたらヤバいな~と気にしてたんだがなぁ」
「ああ、昨日俺たち親衛隊に連行されちゃいましたよ」
ファンタジーものとしてはギルドの受付は巨乳美女率がかなり高いモノであるが、このギルドの受付は20代中盤の青年であった。またまた残念。
用向きを聞く受付に、龍海は自分と洋子の名を告げると受付の男は、
「お話は伺っております。早速ですが、こちらの登録申請書と登録証の名前欄にご署名いただきたく……」
と丁寧な言葉使いで話しつつ、既に準備されていたらしい申請書と登録証を棚の奥から取り出すと、二人に差し出した。
申請書には、おそらくレベッカらの指示と思われる建前上の住所や年齢等が既に記されており、あとは署名するだけになっていた。
二人は特に何も質問せず、言われた通りに署名した。
「ありがとうございます。ではこれからマスターの承認印を受けてまいりますので、しばらくお待ちください」
そう言うと受付係は奥の事務室らしい部屋に入っていった。
現地の会話もそうだが、異質の文字であるにもかかわらず二人とも読み書き共にスラスラと出来てしまった。
――標準パックでも入ってたらしいけど、読み書きスキルすげぇ……
代わりの受付(今度は女性、歳の頃30前後? お胸は並)が入り、他の冒険者の対応に当たったので、龍海らは少し離れて承認が降りるのを待った。
その間に龍海は、集っている冒険者の能力値を鑑定してみた。この世界の人間のステータスと今の自分とどれほど開きがあるか、それが知りたかった。
とりあえず細かい腕力やら器用さやら頑丈さとかは置いておいて、HPやMP、職業や称号等に注視して調べる。
ざっくり見てみるとHPの最大値は4桁らしいが、屈強そうな戦士でも1000に届いている者は少数のようだ。
実際に見まわしてみても、それに該当するのは今ギルド内にいる30人中2人程度しかいない。
現在依頼遂行中の者にも居るのかもしれないが、この中ではほぼほぼ3桁ばかりだ。
因みに龍海は約650と、ここにいる男性冒険者の平均よりちょっと多い程度。
洋子は400位で他の女性に比べても少なめ。体力錬成は必須だ。
後は上限値がどこまで伸びるのか? 勇者の素質からして、もしかして5桁も有り得るのか?
次に龍海が50,000,000も持っているMPに目を向けると、これがこちらも4桁であった。
魔導士と思しき連中をざっと探したが、最大値が3000、5000と持っている者はいるがその程度だ。
恐らくは攻撃魔法にしろ防御や回復系にしろ、様々な種類の技があるのだろうし、その消費量がそれぞれ如何ほどか、一流どころや伝説級の者となると最大値がどれほどなのか、その辺り、これから調べるべき事項であろう。
だが今、ギルド内に居る多種多様な冒険者達も、一廉の戦歴や経験、能力を持った猛者たちであるわけで。
そんな彼らと比べて、自分の、文字通り桁違いのMP値が如何にチートであるかは改めて思い知らされる。あの女神さまの仕業なのだろうが、ずいぶん気に入れられたもんだ。
つか、今までの連中は、どれだけ彼女に辛く当たっていたんだ?
「なんかすごい……」
ギルド内を見回しながら洋子がボソッと零した。
「なんだかVRでファンタジー映画でも観てるみたい……」
「そうだな……」
龍海は苦笑しながら答えた。
ここに来るまでの往来でも感じたことだが、集う人々の多くは龍海らと同じ人間族であるが、その他にも映画やアニメ、ゲームでおなじみの様々な種族が普通に闊歩している。
街角でも目を引いたケモ耳の獣人やエルフらしき種族など、メイクでもCGでもない、リアルにそういう顔をした者たちが、戦闘等による傷や歪みがある、如何にも実戦で使い込まれていそうな現実感満点の防具や武器を身に着け、これまたギルドにありがちなリクエストボードで仕事を物色する風景。サロンで朝から水を飲むように酒を煽る奴まで、まさに異世界モノで定番の情景が二人の目に映り込んでくる。
自分たち日本人の体格に比べると一回りも二回りも大柄な、隆々とした筋肉を誇る戦士たち。
あるいは一般的とも言える華奢な外観ながら、踏んだ場数の多さを伺わせる厳つくも鋭い目をした女性魔導士など、その醸し出す威圧感と言うかオーラと言うか。洋子は彼らから滲み出るそんな雰囲気に息を飲んだ。
――この先、こういう連中の中で生きていかなければならない……
洋子は身震いを抑えられなかった。
「やっぱり怖いかい?」
龍海はそんな洋子に声を掛けた。
「そ、そりゃあ、まあ……あたし、学校じゃあ不良とかヤンキーとか、それどころか体育会系のノリとも無縁な生活だったし、こういう雰囲気は……」
「まあ当然かな。俺も自衛隊の経験や、鉄工所の荒っぽい連中との付き合いが無けりゃビビってたろうなぁ」
更に、近代銃火器による武装、このアドバンテージが大きいのは言うまでもない。
「でも君は、やがてこの連中や、きのう突撃してきた兵隊たちの先頭に立って、彼らを率いる事になるんだぜ? それほどの素質も持っているわけだし?」
「も~、冗談じゃないわよ。鬱だわ~」
「まあ、そう気負う事もないさ。もっと気楽に構えたって……」
「よう、タツミ!」
いきなり名前を呼ばれた。
声の方に目を向けると、声の主は昨日この王都まで便乗させてくれたトレドとアックスであった。二人は手を振りながら近づいてきた。龍海も笑顔で応える。
「やあトレドさん、アックスさん、昨日はどうも」
「どうやら無事だったようだな?」
「無事?」
「いや、あんたと別れてからギルドに忘れ物したの思い出してな。ついでにサロンで一杯ひっかけてたら王室の親衛隊の連中が入って来てよ。『見慣れない風貌の男女を見なかったか?』とか聞きまわっててなぁ。若い娘と痴話喧嘩してたって言うんで『あいつとは違うよな?』とアックスが声に出しちまってなぁ。親衛隊の耳に入ったみたいで『詳しく教えろ!』と詰め寄られて、あんたの事を話しちまったんだよ」
まあ探す側としては、どんな些細な情報でも欲しているだろうから、突っ込むのもアリだろう。事実ビンゴなわけで。
「あんたは一人だったから違うとは思ったんだけど、連中が血相変えて聞くものだからつい、あんたの服装や人相とか話してしまったんだ。世話になったのに、何か迷惑かけたらヤバいな~と気にしてたんだがなぁ」
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