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しおりを挟むライ麦畑
稲穂を口に含んで
引き抜けば
血と茶色い青臭さ
空に色はない 色はない
少女は輪郭を失って
ただの影になった
空に色がなけりゃ
時間が分からなかろうよ
季節も分からなきゃ
明日も分からなかろうよ
稲穂がなけりゃ
風が分からなかろうよ
風が分からなければ
君が分からなかろうよ
色はないくせに
風も分からないくせに
雲だけはずれていく
何も教えてくれない
雲だけはそこにいる
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