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しおりを挟む僕たちはそれを コウモリの衆か
あるいは闇の纏いか
見分ける術を持たぬ
音の無い世で
言葉もなき世で
我の色白の爪だけが見える
いずれ黒く染まろうと
それは我が色であるからして
それが溢れ出ようと
それは我であるからして
奴らが好もうと好ままいと
指先にとまるのは蝶か
君の唇であるものと思っていたさ
花冠は色があった気がした
切り離された色彩
フクロウの目を見たことがあるなんて
嘘でしかない
フクロウの翼の内側を撫ぜたことがあるなんて
はなはだそらおかしい
君はその背中にある
一筋誰にも触れさせぬ絹糸を
そっと引き抜いたことがあるのかね
さすれば彼は大きなすっと伸びる羽から可憐に散らしていって
最後にはわたくずのような
母様にもらった過保護を蹴散らして
見知らぬステップを刻む
君は見知った足を眺めていればいい
酔ってしまわないように
とでも 言い訳して
徹夜続きなんだ
とでも 言い訳して
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