詩未満

奥田たすく

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 爪の先でスナック菓子を摘まんだ
 食べ残したカップ麺
 思いの丈
 木の抜けたサイダーに肩を落とす
 虫食い花
 板についた体育座り
 消費期限付きの言葉
 優しいやつを必死に求める僕ら
 水面下で動く欲求
 何も言わない爪先と
 赤く色づいた指先
 君を見透かそうとして目を細めたら
 頭痛が止まらなくなった

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 ふわりゆれた ふわりゆれた
 案外涙ってやつは柔らかかった
 薄紅色した指先が
 かじかんでは空を弾いていた
 
 そっと 目を閉じてみる

 雲の上は優しい世界
 誰もが懐かしい鼻歌をうたう
 そこでは涙も宙に浮かんで
 いつしか かけがえのない一部になるの

 
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