異世界で番長目指します。

aki92

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第24話【世界の決め事。】

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あらすじ:クエストを終えてギルドに戻ると一匹だけ賞金首が混ざっており階級とお金がアップした秀吉。ガルトの店で一悶着があるが鎮圧。酒場では女剣士達が夜な夜な秀吉の噂を話していた。


朝方、秀吉がガルトの店2階のベッドからムクリと上半身を起き上がらせて辺りを見渡す。キースとライルの姿はなく閑散としていた。

「ん~アイツら…下か。」

秀吉は眠気が取れないまま、フラフラと店に向かう。すると店のカウンターの近くにガルトが座っていた。

「聴いてた通り随分と寝てやがったな、秀吉よ。」

「俺はガキなんだからよぉ。アイツらは?」

「キースはムドーの鍛冶場、ライルはビレッタのトコだろう。それと秀吉よ。」

ガルトが秀吉の眼を見ながら話す。

「お前は学園には興味はないのか?」

「学園~?ん~キースやライルは興味ありそうだったが…俺は…勉強嫌いだからなぁ~。」

「お前らの歳で学園は目指すのを夢見るのは自然の事だ。」

秀吉はガルトに質問する。

「…その学園って入学費っていくらなんだよぉ?」

「1人分黄色クリスタル3つだな。」

「黄色クリスタル3つだぁ!?高っ!」

現在秀吉の所持金は赤色クリスタル1つを所有しているが『大きな事の為に取っておく』と言われておりキースが持っている。黄色クリスタルは現在4つ、青色クリスタルは4つ、茶色クリスタル1つ、フレア金貨とアース銀貨がそれぞれ600枚前後、レイン銅貨が1200枚位あるのが現状である。

「ウム。王都の貴族や王族が入学するのが多いが特例もあるがな。高い学費は王都の収入源の1つだからな。それでも入りたいヤツが多いのはもう1つ理由があるからだ。」

「理由?」

「世界を渡り歩くには【名字】が必要だ。無いと入れない大陸や国があるからだ。学園に入ると名字を自由に取得する権利と世界中を渡り歩く権利も与えられる。」

「名字だぁ!?マジかよ?」

「さらに学園は12歳から20歳までと決めている。この名字申請は昔に大陸中の偉いヤツが決めた【ワールド】または【総会】と言われるものだ。」

「ふ~ん…名字ねぇ。」

「無論、要らなくても生きてはいける。総会で名字申請に従って1つ決めたものがある。
名字申請後の者は族別差別はしてはならない。
例えエルフやドワーフが苗字申請後に差別する事は総会の意志に反する事で誰であろうと処罰してよい対象になる。王様でも皇帝でも。」

「差別したヤツは誰だかわかんねぇーだろ?一人の時に言ってもさぁ?」

「学園で名字申請を受ける時にある儀式をする。言葉にした者は身体に【神罰紋】と言われる物が浮き上がってくる。消したり削ったり斬ったりしても身体のどこかに浮き上がってくる物だ。その神罰紋を見て殺したりしても罰する事はない。」

オイオイ物騒じゃねーかよ!異世界やっべぇな!

「なるほどなぁ~ところでオッサン、話は変わるけどよぉ。何か金になる場所って心当たりあるかぁ?」

秀吉は話を変えてガルトから金銭的な仕事を聞く。

「何だ?学費でも貯める気でもなったのかぁ?」

「俺は興味ねぇーがキースとライルがなぁ…羨ましく学園を見ていてなぁ…せっかくいい職人の技術持ってるのに世界中を見ねぇーってつまんねぇーだろ?オッサン?」

「ガキの癖に大人みたいな事言うとは…ガハッハッハッ!」

「わ、笑うんじゃねぇーよ!その…あの…あれだ!キースとライルには貰う物貰ってるからさ!」

照れ臭さを隠しきれず早口に言う秀吉。

「フム…スケルトンボーン種を倒すなら大丈夫だろ…ここから北の山中腹に洞窟があってな。ワシの知り合いが結構な金貨を持ち帰って来たんだ。」

「オイ!金山なのかよ!ちょっと行って」

「ただし!北の山に行くにはC級冒険者かC級冒険者2名以上のパーティでなければギルドは認可しないぞ?」

ガルトの言葉に秀吉は気落ちする。

「なんだよぉ~。せっかく情報得ても認可されねぇんじゃダメじゃねーかよ。はぁ。」

「完全に認可されないとは限らん。C級冒険者以上を2人引っ張ってくればギルドは間違いなく認可するぞ。」

「俺、パーティ組んだ事ねぇーよ。」

秀吉が落ち込んでいると店から見知った顔がガルトの店に入って来た。

「ガルトさん。出来てる?って秀吉君じゃない?」


「あんたは…確か~リファスさんだっけ?」

「なんじゃ。知り合いだったのか?」

「知り合いってオッサンなにも以前決闘の話しただろ?」

ガルトはまた笑いだした。

「ガハッハッハッ!特A冒険者に決闘か。」

「いい線までいってたんだけどよぉ。うっかりミスちまったら負けちまったんだよ!」


「あの時はどうも。私も魔法剣を砕かれるなんて思いもしなかったわよ。」

「そう言う事か。リファスよ。秀吉はここに来る前にD級冒険者でも倒すのが困難なスケルトンボーン種の爵位持ちを倒しているからな。苦戦したか?」

「そんな事聴いてたら挑むの止めたわよ!敗北寸前だったのよ?ガルトさんに造って貰った防具にヒビがあって…秀吉君が原因よ!お陰でお金減っちゃったわ…。」

ガルトが秀吉を見て驚くがニヤリと笑う。

「ワシはてっきりドラゴンに掴まれたんだと。秀吉、いい収入が入ったわ。」

「こう言う時は職人様は羨ましいかぎりだぁ!」

秀吉は拗ねる。
するとガルトが秀吉とリファスに言う。

「そう拗ねるな。秀吉よ。ところでリファス、今はクエストは受けてないのか?」

「受ける予定だったわよ。でもマーチャとキシリアが酔い潰れちゃってキャンセルよ。」

「リファス。後1人連れて秀吉と北の山に行ってこい!」

「ちょっと!ガルトさん!私達のパーティは女性限定で」

「北の山には金脈があるんだが?」

リファスが言葉を止めて悩む。

「ガルトさん…教えて下さい。」

リファスがパーティメンバーと話すと言い店を出てからガルトに聞くと、どうやらガルトの店の出費はかなりの額だったらしく頭を下げて頼んだとか。

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