異世界で番長目指します。

aki92

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第26話【洞窟何てトンでもない!】

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あらすじ:秀吉は冒険者ギルドに向かいリファスのパーティメンバーのラナと会う。北に向かう途中にラナに調べられたり話の内容の違いがあったりしたが3人の目的が合致して北の山を目指し入り口に着いたのであった。


山をツカツカと軽快に登る秀吉達。

「ん~霧が濃いなぁ。」
「氷結期よりマシでしょ?」

この異世界には日本の四季と同じく生花期、熱量期、収穫期、氷結期と言う四季の名称が存在する。今は生花期真っ盛りである。

「…氷結期の山は凍てつく寒さ。死んだ冒険者いっぱいいる。」

ラナが下手した冒険者の末路を話す。

「そりゃ災難だわ。」

「クエスト何て失敗したら罰金だけど済むけど命落としたら意味がないわね。」

話ながら登って行くと正面から黒いボールがこちらに向かってくる。

「…あれがクエスト討伐のモンスター、バグスボール。アーマーアルマジロと同じ位硬くそして何より…」

バグスボールが丸みを解くとその姿はダンゴムシが人並みに大きくなった姿だった。

「気持ち悪い…。」

ラナから拒絶な言葉がいい放たれた。

「倒すのに変りわねぇー!」

秀吉はバグスボールに向かって殴りつけるが丸くガードして拳を弾く。

「硬ってぇ!チッ!むかつくなぁ!」

「スキルで戦うのよ!はっ!」

リファスは氷の剣を造りだしてバグスボールに斬りつける。するとバグスボールはガードを解いてグッタリする。

「ラナ!」
「シャドウサイス!」

鎌状の黒い塊がバグスボールを切り裂き煙にする。

「…仕方ねぇーなぁ!オラァ!」

秀吉の両手拳が白いオーラが現れる。
バグスボールが秀吉に転がりながら体当たりする。

「オラァオラァ!ナックルパート!」

先程拳を弾いた甲殻をバキバキに壊しながらバグスボールを倒していく。

「あの白いのって何?」
「…番長のスキル?」

2人の視線を気にも止めず秀吉はバグスボールを殴打していった。
幸いな事に中腹に進むに連れてバグスボールが次々と現れてくれたおかげで討伐クエストの依頼はスムーズに完了した。

「最後の一匹!オラァ!」

バグスボールはベコベコにされ、煙に消えた。

「…依頼完了。」
「さて、次は私達のクエストね。」

秀吉が坂の上の方を見ると白色の棒が岩に刺さっているのを見つけた。

「白っぽい棒があるなぁ。」

「あった?そこから中腹よ。」
「…フゥ。」

中腹に着くと視界を遮っていた霧が徐々に消えていく。

「…霧散芯。霧の発生を遮断する魔石が組み込まれた物。半径1000ラインなら濃霧が薄くなる。」

この異世界では長さや距離をラインと呼んでいるとライルから教わっていた。
因みに1ライン=10センチ位らしい。

「確かガルトさんの情報だと…あれが洞窟かしら?」

リファスの視線の方を見ると確かに洞窟の穴が広々と空いているが入り口に何らかの文字が書かれた石門が入り口をアーチ状に埋め込まれている。

オイオイ!これは洞窟なんだよなぁ?何かの遺跡的な匂いがプンプンするわぁ!

「…怪しい。」

ラナが秀吉の心を代弁したかの様に警戒する。

「洞窟って怪しいものよ。行くわよ二人供。」

リファスはスタスタと洞窟の中に入っていき秀吉とラナは後ろを付いていく。
洞窟の中は思ったより広がっており途中にキラキラと石が輝いていた。

「なんかピカピカと光ってんな。鉱石の一種なのかぁ?」

「光散石…光術石の一種。光の精霊の道しるべと言い伝えにはある。」

光の精霊ってマジかよ。あれって通ったら光るんかよ!

秀吉は考えているとリファスが立ち止まり剣を構えた。

「妙な気配を感じる…敵、いや人か?」

するとヒタッ、ヒタッと足音らしき音が聴こえてくる。リファスやラナが警戒心を強めながら構えていると秀吉は目を細めながら確かめる。
次第に足音が秀吉達の方に近づいてくる。

すると奥から一人…男が姿を現した。
茶色い毛皮のベストと茶色い腰巻きした…原始人のような姿、髪の毛はボサボサで太もも近くまで長髪。顔は眉毛が燐と太く目尻が鋭く鼻をスンスンと動かしている。…って誰だよ!

秀吉が求めを探すようにリファスとラナを見ると警戒心が一変して驚愕している。
ラナに至っては少し震えも見られた。

「クンクン…冒険者…お前ら確か…。」

ギロリと見渡す視線にリファスとラナはビクッとしながら答えた。

「は、はい!モンスターの討伐のついでの調査であります。」
「…同じく。」

「フ~ン…んっ?そこのボーズは見たことねぇ。」

「はじめまして~ってあんたこそ誰だよぉ!そっちから名乗るのが筋だろぉ!」

秀吉が不機嫌な返答をするとリファスとラナは血の気が引くように冷や汗をダラダラ流れる。

「なんだと!…ダッハッハッ!おもしれぇな!人に名乗るのは久々だ!ザンだ!」

何かを狙うようにニヤリとしながら答える。

「ザンさんねぇ。俺は秀吉です」

「秀吉だな。覚えておくぜ!邪魔したな。」

ザンはスタスタと裸足で秀吉が来た門をくぐり抜けて行った。
力が抜けたように座り込むリファスとラナ。

「秀吉君…あなた【戦人】を知らないの?」
「…命知らず。」

「戦人?って何だぁ?」

「現役の特S冒険者にして…」
「…王都セブンスホルダーの一人。」

特S冒険者!?セブンスホルダー!?マジでなんなの?
秀吉はおもむろにうしろを振り向いた。

「やべぇーなぁ特S冒険者わよぉ!」


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