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1-2 ソレイユの花の種
今日も、アポロファーマシーに一人の客がやってきた。カラン、とドアベルが音をたてる。
「こんにちは。お薬買いに来たんですけど」
天然らしきパーマを首筋までカットした活発そうな少女は、栗色のランドセルを背負ったままだ。
急いで来たのか肩で、息をしている。
少女の声を聞きつけた店主が奥から出てきた。
「いらっしゃいませ」
店主は黒いシャツに黒いズボン、黒い腰巻きエプロンという黒一色を身にまとっていた。
店主の身長は少女と同じくらい。しかし年齢は、さっぱりわからない。
——なぜなら。
「カ、カラスっ……! あ、いや、ごめんなさい……! 聞いてはいたはずなのに、つい驚いちゃった」
ここの店主はいつも【カラスのかぶりもの】をしているからだ。
まるで本物のようなカラスのかぶりもの。それをこの店ができた時からしているらしい。
熱帯のジャングルのような、じりじりする夏の日も。
わかっているのは若々しい声や肌から察するに、老人ではないということだけだった。
しかし人当たりも良く、気遣いもでき、薬の効き目もバツグンなことから、ご近所では『非常に怪しい〝だけの〟薬屋』という肩書きがつくだけにとどまっている。
【カラスのかぶりものをかぶっている、変わり者の店主がやっている薬屋】。
それがこの、アポロファーマシーだ。
「いえいえ。お気になさらず。ところで今日はどんなお薬を買いにこられたんですか?」
店主の言葉に、少女はふっと顔を曇らせた。少女のひとみに、じわじわと涙がにじむ。
「こんにちは。お薬買いに来たんですけど」
天然らしきパーマを首筋までカットした活発そうな少女は、栗色のランドセルを背負ったままだ。
急いで来たのか肩で、息をしている。
少女の声を聞きつけた店主が奥から出てきた。
「いらっしゃいませ」
店主は黒いシャツに黒いズボン、黒い腰巻きエプロンという黒一色を身にまとっていた。
店主の身長は少女と同じくらい。しかし年齢は、さっぱりわからない。
——なぜなら。
「カ、カラスっ……! あ、いや、ごめんなさい……! 聞いてはいたはずなのに、つい驚いちゃった」
ここの店主はいつも【カラスのかぶりもの】をしているからだ。
まるで本物のようなカラスのかぶりもの。それをこの店ができた時からしているらしい。
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しかし人当たりも良く、気遣いもでき、薬の効き目もバツグンなことから、ご近所では『非常に怪しい〝だけの〟薬屋』という肩書きがつくだけにとどまっている。
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「いえいえ。お気になさらず。ところで今日はどんなお薬を買いにこられたんですか?」
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