結界の中は銃社会

ど~はん

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『果てなき無限の戦闘』第五回編

12.絶対絶命

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「あれは…?」

みつめが中腹付近で隠れていると人影が見えた。

「山頂付近では誰もいなかった、いるとすれば中腹ね。」

それは山頂から降りてきた仲槙だった。

「最初の相手が由依奈とは。」

「そうみたいね、みつめ。」

仲槙とみつめの『メインヒロインをかけた?』戦いがここに開幕した。



「早い再戦だな、春宮。」

「さぁ、こい!成山。」

場面は他の3人の戦いに

「春宮くん!?どうしよう…。これじゃあ、突っ込んでも巻き込まれて終わり。ここはバレないように他に行くしか…。」

咲希はこのふたりの戦いに参加しても瞬殺されると思い、この場を離れることを考えた。

しかし、

「無闇矢鱈に突っ込んでも相手は春宮、無理だな。」

「成山は、相手の考えてることを読むことが得意だ。向こうが動くまで待つか。」

「やばい…。完全に挟まれた。」

なんと、そうこうしてるうちに咲希は2人に挟まれてしまっていた。
このまま飛び出してしまうと、2人から狙われてしまうので動けなくなってしまった。

「行くか!」

しばらくすると1人が飛び出した音がした。

「来たな。どう来る?成山ぁ!」  

成山だった。
だんだん足音が咲希に接近してくる。
すると、

「出てきたな!春宮っ!」

春宮も飛び出して咲希に接近していく。
2人は咲希に気づいていない。

咲希が絶対絶命―。




場面は仲槙vsみつめへ

開始から15分 両者まだ残弾6発ずつ

「くっ!狙いが定まらない!」

「動きを止めたら殺られる!」

ふたりはある一定の距離以上を保ちながら、木々をかき分け両者止まる気配はない。

「この勝負。」

「どちらが先に弾を放つかで。」

勝負が動く!

「ここだ!」 

そんな一触即発の状況に、遂に銃声が鳴り響く。

放たれた1発の鉄の塊は空中を駆ける。

ターゲットの足下向かって―。

足は走っている状況での、踏み出した一歩。 
その一歩の地面の着地にあわせて放たれている。

「足をやられる…。」

弾丸の向かうその先には…、

「万事休すか!」

仲槙の姿があった。

「でも、仲槙は避ける。」

みつめの言葉通り仲槙は足をわざと滑らせて弾丸を避ける。

「まずい!」

仲槙はバランスを崩す。そこをみつめが狙う…

と思われた。しかし銃声はしなかった。

なぜなら…、

「ここをみつめは狙ってくる。だから!」

仲槙はバランスを崩したままこちらに銃口を向けて弾丸を放つ。

「やっぱりね!」

これを読んでいたため、みつめは避ける。

「避けた先に!!」

仲槙はみつめがこの攻撃を読んでいることを知っていた。
なので3発の弾丸を放つ。

「なに!?」

その3発の弾丸は真ん中がみつめを目掛けて飛ぶ。
残りの2発はみつめが左右に避けるのを不可能にする。

「あなたは下に避けるしかない!」 

仲槙の言葉通りにみつめはしゃがむ。

すると

「これも想定していた。しかしこれは由依奈にも予測はできないでしょ!」

仲槙が銃口をしゃがんだみつめに向け、トリガーを

「あれは……。」

引けなかった。

なんとそこには

「猫!?」

誰が予測しただろうか…。

フィールドはフィールドでもこれは半分現実、自然の動物もいる。

「しまった!猫に気を取られて……。」

猫に仲槙が一瞬、ほんの一瞬。気を取られトリガーを引くのを躊躇った時を、みつめは逃さなかった。

仲槙がみつめを再度狙った時―。

すでに仲槙の目には、


空中を舞い、近づいてくる…、



弾丸の姿が映っていた。
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