転生領主の領地開拓 -現代の日本の知識は最強でした。-

俺は俺だ

文字の大きさ
10 / 70
二章 冬の寒さに備えて

じゃがいも

しおりを挟む
 落ち葉が終わり、乾いた風が吹く頃、俺は畑の中に居た。

「見事に育ったなぁ。」

 俺は、畑に広がるじゃがいもの姿を見て、きれいだなと思った。
 ちなみに、このじゃがいも達は【創造魔法】を使い、種芋を創って育てたものだ。
 えっ、じゃがいもごと【創造魔法】で創れば良くないかって?
 
 俺は、最初はそれでもいいかと考えていたけれど、大量のじゃがいもを急にお父さんやお母さんに見せたら、あまりにも不自然過ぎることに気がついたから止めておいた。……勿論、肥料などは使ったけどね。

 その前に、どうして俺がじゃがいもを育てたのか教えておこう。
 まず、冬になると食糧が足りなくなるからだ。
 何故なら、この世界の主食である米が冬だと寒過ぎて育たないからだ。現代の米は、寒くても育つように品種改良されているが、この世界ではそのような技術は無く、冬だと米が全く育てたない。
 結果、冬では餓死する村民が大量発生するのだ。

 俺は、餓死する農民を減らす為に、畑でじゃがいもを育てている。じゃがいもは、寒さに強い為、冬に育てるには適している農作物だ。
 ……ちなみに、ビニールハウスなんて便利なものは、この世界にはない。

 俺は、畑に埋まっているじゃがいもを【土魔法】で掘り起こすと、家の倉庫に持っていった。
……少しくらい、じゃがいもの数を増やしても大丈夫だよね。

 俺は、倉庫の中にじゃがいもを入れようとしたら、父さんに見つかった。

「おい、ハク。手に持っているものはなんだ?」
「これは、じゃがいもと言う寒さに強い農作物です。」

 俺が、そう言った瞬間、父さんの顔は真剣な顔付きになった。

「───寒さに強いってことは、冬でも育つのか?」
「はい。父さんの言う通りで、冬にも育ちます。」

 俺が、そう言うと父さんは「何日くらいで育つのか?」と聞いてきた。
 確か、ネットでは2ヶ月半くらいかかると書いてあったが、合っているかが分からない……。まあ、【付与魔法】を使っているので、じゃがいもは二週間程度で育つのだが…………

 俺は、「二週間くらいで育ちますよ」と父さんに言ったら、父さんは、「今すぐ貸してくれ」と言ってきた。
 俺は、興奮気味の父さんに、じゃがいもの食べ方について教えた。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

「コンコンコンコン」
 
 俺は、包丁を使いまな板の上にあるじゃがいもを切っていた。

「それでは、これくらいの大きさに切ったじゃがいもを油の中に入れます。」

 俺は、切ったじゃがいもを油の中に入れると、「ジュワッ」とじゃがいもから音がした。うん、やっぱりこの音は何回聞いても気持ち良いよね。
 
 実は、俺。前世では、料理を良くしていたのだ。
 何故なら、俺は上京した内の一人で、長崎に親を二人置いてきているからだ。だから、学校が終わって帰って来ても、家には誰も居らず、自分で料理をすることが多かった。
 
 俺は、数分間じゃがいもを揚げると、皿に載せた。
 周りを見てみると、揚げたじゃがいもの匂いに連れられたのか、人が集まっていた。
 
「坊っちゃん。これは、なんですかい?」
「これは、じゃがいもを揚げた物でポテトと言うんだよ。」
「少しだけ、食べてもいいですかい?」

 俺は、ポテトに興味津々な村民達に「好きなだけ食べていいよ。」と言った。
 すると、村民達は「うまい!!」、「こんな物、初めて食べた!!」と喜んで食べていた。
 
 俺は、ポテトが無くなってしまった為、再びじゃがいもを包丁で切り始めた。……だって、父さんがポテトを食べられなくて、機嫌が悪いんだもん。

 今年のマハナベラス領は、餓死者が誰もいないという、奇跡的な記録を残した。

    
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

娘を返せ〜誘拐された娘を取り返すため、父は異世界に渡る

ほりとくち
ファンタジー
突然現れた魔法陣が、あの日娘を連れ去った。 異世界に誘拐されてしまったらしい娘を取り戻すため、父は自ら異世界へ渡ることを決意する。 一体誰が、何の目的で娘を連れ去ったのか。 娘とともに再び日本へ戻ることはできるのか。 そもそも父は、異世界へ足を運ぶことができるのか。 異世界召喚の秘密を知る謎多き少年。 娘を失ったショックで、精神が幼児化してしまった妻。 そして父にまったく懐かず、娘と母にだけ甘えるペットの黒猫。 3人と1匹の冒険が、今始まる。 ※小説家になろうでも投稿しています ※フォロー・感想・いいね等頂けると歓喜します!  よろしくお願いします!

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました

雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。 気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。 剣も魔法も使えないユウにできるのは、 子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。 ……のはずが、なぜか料理や家事といった 日常のことだけが、やたらとうまくいく。 無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。 個性豊かな子供たちに囲まれて、 ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。 やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、 孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。 戦わない、争わない。 ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。 ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、 やさしい異世界孤児院ファンタジー。

辺境貴族ののんびり三男は魔道具作って自由に暮らします

雪月夜狐
ファンタジー
書籍化決定しました! (書籍化にあわせて、タイトルが変更になりました。旧題は『辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~』です) 壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。 辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。 しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。

修学旅行に行くはずが異世界に着いた。〜三種のお買い物スキルで仲間と共に〜

長船凪
ファンタジー
修学旅行へ行く為に荷物を持って、バスの来る学校のグラウンドへ向かう途中、三人の高校生はコンビニに寄った。 コンビニから出た先は、見知らぬ場所、森の中だった。 ここから生き残る為、サバイバルと旅が始まる。 実際の所、そこは異世界だった。 勇者召喚の余波を受けて、異世界へ転移してしまった彼等は、お買い物スキルを得た。 奏が食品。コウタが金物。紗耶香が化粧品。という、三人種類の違うショップスキルを得た。 特殊なお買い物スキルを使い商品を仕入れ、料理を作り、現地の人達と交流し、商人や狩りなどをしながら、少しずつ、異世界に順応しつつ生きていく、三人の物語。 実は時間差クラス転移で、他のクラスメイトも勇者召喚により、異世界に転移していた。 主人公 高校2年     高遠 奏    呼び名 カナデっち。奏。 クラスメイトのギャル   水木 紗耶香  呼び名 サヤ。 紗耶香ちゃん。水木さん。  主人公の幼馴染      片桐 浩太   呼び名 コウタ コータ君 (なろうでも別名義で公開) タイトル微妙に変更しました。

俺、何しに異世界に来たんだっけ?

右足の指
ファンタジー
「目的?チートスキル?…なんだっけ。」 主人公は、転生の儀に見事に失敗し、爆散した。 気づいた時には見知らぬ部屋、見知らぬ空間。その中で佇む、美しい自称女神の女の子…。 「あなたに、お願いがあります。どうか…」 そして体は宙に浮き、見知らぬ方陣へと消え去っていく…かに思えたその瞬間、空間内をとてつもない警報音が鳴り響く。周りにいた羽の生えた天使さんが騒ぎたて、なんだかポカーンとしている自称女神、その中で突然と身体がグチャグチャになりながらゆっくり方陣に吸い込まれていく主人公…そして女神は確信し、呟いた。 「やべ…失敗した。」 女神から託された壮大な目的、授けられたチートスキルの数々…その全てを忘れた主人公の壮大な冒険(?)が今始まる…!

異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい

ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。 強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。 ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。

異世界でのんびり暮らしてみることにしました

松石 愛弓
ファンタジー
アラサーの社畜OL 湊 瑠香(みなと るか)は、過労で倒れている時に、露店で買った怪しげな花に導かれ異世界に。忙しく辛かった過去を忘れ、異世界でのんびり楽しく暮らしてみることに。優しい人々や可愛い生物との出会い、不思議な植物、コメディ風に突っ込んだり突っ込まれたり。徐々にコメディ路線になっていく予定です。お話の展開など納得のいかないところがあるかもしれませんが、書くことが未熟者の作者ゆえ見逃していただけると助かります。他サイトにも投稿しています。 https://www.alphapolis.co.jp/novel/793391534/466596284/episode/5320962 https://www.alphapolis.co.jp/novel/793391534/84576624/episode/5093144 https://www.alphapolis.co.jp/novel/793391534/786307039/episode/2285646

処理中です...