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四章 風鈴の音
領主として
しおりを挟む「ところでハクト。この状況は何だ?」
狭い個室に、父さんの怒声が響く中、俺は動揺するのを抑えて、必死に口を動かしていた。
「え、えっっとこれはですね……………普段働いている領民達の疲れを癒すために僕が開催したものでスイカ割りといいます。」
物静かな部屋に、俺の子供らしい声が部屋に広がると、父さんは大きな溜め息を何度もついて、俺のことを軽く睨んできた。
「俺は別に、ハクトがスイカ割りというものを開催したのは怒っていない。俺が怒っているのは、このことを報告されなかったことと、スイカのことに関してだ。」
いつもの父さんは、平和ボケしている人のような目付きをしていたが、今の父さんはハイエナが獲物を見つけたような目付きをしていて、とても迫力があった。「」
「俺は、ハクトがこのようなことを開催してくれるのは嬉しいんだが、報告がないと何が起こったか分からないから、次からはちゃんと父さんに報告してくれ。」
「ぜ、善処します。」
俺が慌てた様子で父さんに言うと、父さんはもう一度大きな溜め息をついて、諦めたような顔で俺のことを見てきた。
「スイカ割りについてはもういい…………、本題はスイカについてだ。」
父さんは、使い古した椅子の下からスイカを一玉出すと、スイカをくるくると指の上で器用に回して、机の上に置いた。
「このスイカというものは甘い果実なようだか、副作用なんかはないんだろうな。」
父さんがスイカを指差しながら俺のことを睨むと、俺は父さんが言いたいことを理解した。
………勝手に自分の農民達で遊ぶなってことだな。
俺は、父さんの言いたいことを理解すると、こんな父親でも領主なんだなと改めて認識した。
「スイカには、副作用などはなく、変わりにビタミンなどの栄養を摂ることが出来ます。」
俺が、自信満々にスイカに入っている栄養のことを父さんに言うと、父さんは眉を釣り上げて、再び俺のことを睨んできた。
「スイカに副作用がないことは分かったが、ビタミンとは何だ?」
俺は「やってしまった」と思い、この場からすぐさま逃げようとしたが、父さんの#解除魔法____キャンセル#により、無念が残る結果となってしまった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「なるほど、ビタミンとは健康を維持するために必要なもので、生きていく上で大切なものか。」
父さんが俺の説明を聞いて、興味深そうに首を縦に振ると、椅子の上で休んでいる俺の肩をトントンと叩いてきた。
「なぁ、ハクト。ビタミンが入っている物は他にないのか?」
俺は、これ以上説明するのは面倒臭いので、知らない振りをしようとしたが、父さんに「それは何かしっている顔だな。」と言われて、俺は仕方なく口を動かすのだった。
………なんで、バレたし。
「カボチャに、ナス、ほうれん草か。聞いたことない作物だが、どこかにあるのだろう。」
父さんは、俺の言った野菜を全て紙にメモすると、「捜してみるか」と言って、書庫へと向かった。
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