箱庭の魔王様は最強無敵でバトル好きだけど配下の力で破滅の勇者を倒したい!

ヒィッツカラルド

文字の大きさ
36 / 41

36・オークの縦穴鉱山

しおりを挟む
 オークの住まい、縦穴鉱山。

 森に囲まれた直径50メートル弱の円形の大穴で、擂り鉢状のホールは深さも50メートル弱はある。

 その擂り鉢状の穴は大蛇がとぐろを巻くように一本道が下に延びていた。 

 その壁にいくつもの横穴の鉱道がぽっかりと口を開けている。その横穴をオークたちは住処に使っているようだ。

 縦穴鉱山の上から俺たち三名+キルルが下りだすと、見張りをしていたオークが俺たちに気付いた。

 見張りのオークは二匹。
 デブい体にピンク色の豚の頭。身長は180センチぐらいで肥満体だ。粗末な服を纏って、手に持った槍を地についている。

 二匹のオークは俺たちに気付いていながらも騒ぎ出さなかった。冷めているが強気な視線で俺たちを睨み付けている。その眼光は鋭い。

 この冷たい視線を俺は知っていた。前世の世界で見たことがある。ヤクザだ。

 街頭で見かけた柄の悪い身なりのヤクザに似ている。しかもそれは幹部クラスのヤクザだろう。チンピラとは異なっている。その道で生きて来た凄みに満ちているのだ。

 俺たち三名が螺旋の坂道を下って二匹のオークたちの前に立つと、豚オークが冷静な口調で俺に問いかけてきた。

「どちら様でございますかブヒ?」

  敬語である。冷静な口調だったが、声色に明らかな威嚇が含まれていた。
 それと、どうやらオークの語尾はブヒのようだ。

 俺の横からキングが前に出る。そして、俺の代わりに名乗りを上げた。

「こちらにおらせられる御方は、この魔地域を束ねられる魔王エリク様だ!」

「「ブヒ?」」

 二匹のオークは一度顔を見合わせる。そして互いに首を傾げ合った。すると右のオークがキングを無視して俺に問いかけて来る。

「それで、魔王殿がここになにようブヒ?」

 キングは自分が無視されていることを知りながらも俺の代わりに答える。

「ここのボスに会いたい」

 二匹のオークは再び顔を見合わせたあとに一つ頷いた。すると左のオークが踵を返して下に進み出す。その背後に俺らが続ごうとすると、残ったオークが槍で俺らの前を阻んだ。

「ここで少々お待ちをブヒ」

 俺たちは素直に静止を受け入れる。
 そして、足を止めた俺にキルルが小声で耳打ちで話し掛けて来た。

『魔王様、オークって、思った以上に礼儀正しいですね……。でも、なんか怖いけど……』

「これは強者に従う配下の態度だな。おそらく上下の関係が伝統的に厳しい社会なんだろうさ」

『な、なるほど……』

 しばらくすると、先程のオークが帰ってくる。

「魔王殿、組の若頭アビゲイル様がお会いになられるそうブヒ。こちらにどうぞブヒ」

 そう言うとオークは俺らを縦穴鉱山の底に導くように歩き出す。俺たち四名は黙ってオークの後ろに続く。

 螺旋の坂道を下る俺たちを横穴の数々から覗き見るオークたちの姿が覗えた。その中には雌のオークや子供のオークも複数見られる。しかし、女子供ですら鋭い眼光でこちらを見ていた。眉間に力が籠り、なんだか怖い。

 その眼光から察するに、サラブレッドの極道に伺えた。産まれついてのヤクザの血が流れているかのような種族である。

 そのような複数の視線に俺たちの緊張感も高まって行く。

 俺たちが縦穴鉱山の底に到着するころには、複数の横穴から姿を現した雄のオークが強面を覗かせていた。

 各自が様々な武器を手にしている。石斧、木の棍棒、木の槍、木のハンマー。なんとも野蛮な見てくれの武器ばかりである。

 それらの武器で武装しているオークたちが否応なしにも俺たちに数多くの殺気をぶつけて来ていた。転生前の俺ならば、その気迫だけで逃げ出しでいただろう。

 すると殺気に敏感なキルルが怯えて俺の片腕にしがみついてくる。

『こ、怖いです……、魔王様……』

 ああ、可愛いよ~。それになんか頼られている感じが堪らんな。よし、ここは少し格好付けよう。

「恐れるな、キルル。魔王の俺が一緒なんだぜ。安心しろ」

 俺は爽やかな微笑みから覗かせる八重歯をキラリっと光らせた。

 決まったな!

 イケメンは昔っから八重歯を光らせるものだ。しかし、俺に八重歯って生えてたっけな?

『は、はい……』

 怯えるキルルが俺の腕を強く抱き締める。小さな胸元が俺の二の腕を挟もうと努力していた。

 うぉぉおおおおお!!
 た、堪りませんな!!!

 そんなこんなあって──。

 我々が縦穴鉱山の最下層に到達すると案内していたオークが言う。

「こちらで少々お待ちくださいブヒ」

 そう言うと一匹のオークが横穴の一つに入って行った。

 その大きな背中を見送った後に俺たちは四方八方から降り注ぐオークたちの視線に晒される。冷たくも威嚇的な視線が弓矢のようだ。その視線から自分たちが敵のホームに立っていることが再認識された。

『ま、魔王様……』

「焦るなキルル。あんなの屁でもねえよ。それに幽霊がビビるとか可笑しいだろ?」

『幽霊だって怖いものは怖いんですよ!』

「ですよね~」

 俺だって強がって見せているが、本当は少し怖いのだ。まるでヤクザの組事務所に連れ込まれた一般人の気分だよ。今にもチビリそうである。

 しかし、今の俺は最強無敵の魔王なのだ、何もビビる必要はない。

 ない、はずなのだが……。

 マジで小便をチビりそうだぞ!!
 キルルや配下の皆が見ていなければ、さっさと逃げ出していただろう。

 そんな感じで俺が緊張していると、先程のオークが帰ってきた。オークは、横穴から出ると道を開けて頭を下げた。
 そのオークの前を大柄のオークが横穴から歩み出る。

「デカ……」

 それが初見の感想だった。

 それは身長2メートルは有るだろう巨漢。体重も250キロは超えていそうだ。超ド級のオークだった。小錦のように丸くて大きいのだ。

『お、大きい……』

 震えるキルルが俺の背中に潜むように隠れる。
 キングもローランドも唖然としていた。そのぐらいの規格外のサイズだった。

 その巨漢オークが更に脇に退く。
 すると、その背後から独眼のオークが姿を現した。

 身長は170センチ程度だが、アイパッチで片目を隠した特徴的なオークだった。

 門番たちよりも少し体格が小さいが、この独眼オークのほうが装備が充実している。

 腰には鋼のバトルアックスを下げ、背中に鋼のカイトシールドを背負っている。全身はレザーアーマーで覆っているが、タプタプな腹の贅肉だけが、はみ出るかのように装備の隙間から覗かせていた。

 しかし、顔は極上な強面。独眼アイパッチの真下に刀傷で十字が刻まれている。残りの一つ目の奥に、数多くの修羅場を潜り抜けてきただろう凄みを感じ取れた。

 察するに、この独眼のオークが、巨漢のオークよりも格上だろう。
 こいつがボスだ。こいつのほうが強い。気配だけで分かる。それだけ独眼の凄みが格違いだった。

 大股を開いて腰を落とした独眼のオークが礼儀正しく頭を下げながら名乗る。

「私が若頭を勤める、オークのアビゲイルってもんだブヒ。魔王殿、お見知りおきを──」

 まさにヤクザの挨拶だった。初見の相手にも礼儀を正している。
 だが、俺だって負けてはいられない。
 俺は偉そうに胸の前で両腕を組ながら言ってやった。

「俺が魔王エリク様だ!!」

 どや~~~!!!
 これが魔王流の挨拶である。

 すると頭を下げたままの独眼オークのアビゲイルが問うてきた。

「それで、何用ブヒ、魔王殿?」

 俺を魔王と呼ぶアビゲイルの口調は敬語だったが、敬意の色は微塵も見えなかった。むしろ威嚇の凄みが感じられる。そこから俺に屈服する気がないのが悟れた。

 それでも俺は、ここに来た目的を素直に述べる。

「お前らオークたちを魔王軍に徴兵する。女子供も魔王国の民として支配する。そして、この縦穴鉱山も我らが貰うぞ!」

「はぁ……?」

 アビゲイルが声を漏らしてから頭を上げた。その眼光は冷たく鋭い。まるで研ぎたてのナイフのようだった。

「魔王殿、何か勘違いなされていませんブヒか?」

「勘違い?」

「我々猪豚組は、かつては魔王に使えていた魔物の末裔ブヒ」

「あら、そうだったの。それじゃあ話が早いな。また支えてくれれば良いだけだ」

「しかし、それはかつての話ブヒ。魔王デスドロフ亡きあとは、我々は自由の身ブヒ。もう誰の下にもつかないブヒ!」

 言葉の後半は荒々しくなっていた。憤怒が見て取れる。

 そして、アビゲイルが台詞を語り終ると縦穴鉱山の横穴から武器を持ったオークの戦士たちがブヒブヒと姿を現す。ハートジャックの調査通り90匹は居るだろう大群の雄たちであった。

「やっと本性を現しやがったな!」

『あわわわ!!』

 キングとローランドが俺に背を向けて後方を警戒した。

「魔王様、背後はおまかせください!」

 犬面を引き締めてキングが光るシミターを鞘から抜くと、ローランドは耳に掛けていた木の枝を抓むように取り出した。

 その木の枝が長く伸びる。そして、1メートル半ぐらいの長棒に変わる。

「まるで孫悟空の如意棒だな」

 これが変幻自在の意味らしい。完全にマジックアイテム化している。

 オークボスのアビゲイルが顎をしゃくらせながら荒々しく述べた。

「何が魔王ブヒ。たった三匹で我らが猪豚組に殴り込みをしかけようとは、舐めたことブヒなっ!!」

「猪豚組って、本当にヤクザ事務所かよ……」

 しかし、広角を吊り上げたキングが反論した。

「我々とて馬鹿ではないぞ、見よッ!」

 キングが片手を高く上げた。それを合図にゴブロンやホブゴブリンたちが縦穴鉱山を囲むように姿を現す。

「ブヒヒヒヒッ!!」

 だが、それを見てアビゲイルが高笑いを上げる。

「やはり馬鹿だブヒ。数が少な過ぎだろう。こっちの戦士は90匹居るブヒ。そっちは20匹居るか居ないかではないかブヒ!!」

 ローランドが両手でしっかりと如意棒を構えると言う。

「我々は魔王軍ダス。20匹も居ればオークの100匹や200匹を制圧するのは容易いことダス!」

 いや、20匹も居ないけどね!

 だが、ローランドの言葉を聞いて独眼の額に稲妻のような青筋が走る。侮辱と捉えたようだ。

「我々猪豚組も舐められたものよのぉ。ならば、試してみるブヒか!?」

 キングとローランドが声を揃えて答えた。

「「上等、掛かってまえれ!!」」

「野郎ども、こいつらをぶっ殺してしまえブヒ!!」

「「「「ブヒーー!!!!」」」」

 オークたちが武器を翳して擂り鉢状の坂道を滑るように下り出す。それを見てキングが叫んだ。

「全員突撃!!」

「「「「おおーー!!!」」」」

 こちらの仲間たちも擂り鉢状の坂道を下り出した。その手にある武器が炎で燃え上がる。

「ひっはーーー!」

 縦穴鉱山のあちらこちらで戦闘が始まる。

 俺は首を左右に振ってコキコキと鳴らしながら言った。

「よ~~し、試合開始だぜぇ!!」

 魔王軍vs縦穴鉱山の猪豚組。
 戦闘の開始だ。

 人数的には釣り合ってはいないが、戦力的には魔王軍のほうが高いだろう。それだけ鮮血の進化は偉大なのだ。




しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

『異世界ガチャでユニークスキル全部乗せ!? ポンコツ神と俺の無自覚最強スローライフ』

チャチャ
ファンタジー
> 仕事帰りにファンタジー小説を買った帰り道、不運にも事故死した38歳の男。 気がつくと、目の前には“ポンコツ”と噂される神様がいた——。 「君、うっかり死んじゃったから、異世界に転生させてあげるよ♪」 「スキル? ステータス? もちろんガチャで決めるから!」 最初はブチギレ寸前だったが、引いたスキルはなんと全部ユニーク! 本人は気づいていないが、【超幸運】の持ち主だった! 「冒険? 魔王? いや、俺は村でのんびり暮らしたいんだけど……」 そんな願いとは裏腹に、次々とトラブルに巻き込まれ、無自覚に“最強伝説”を打ち立てていく! 神様のミスで始まった異世界生活。目指すはスローライフ、されど周囲は大騒ぎ! ◆ガチャ転生×最強×スローライフ! 無自覚チートな元おっさんが、今日も異世界でのんびり無双中!

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~

ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。 王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。 15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。 国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。 これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。  

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜

シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。 起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。 その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。 絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。 役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

MP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

勇者パーティーを追放されたので、張り切ってスローライフをしたら魔王に世界が滅ぼされてました

まりあんぬさま
ファンタジー
かつて、世界を救う希望と称えられた“勇者パーティー”。 その中で地味に、黙々と補助・回復・結界を張り続けていたおっさん――バニッシュ=クラウゼン(38歳)は、ある日、突然追放を言い渡された。 理由は「お荷物」「地味すぎる」「若返くないから」。 ……笑えない。 人付き合いに疲れ果てたバニッシュは、「もう人とは関わらん」と北西の“魔の森”に引きこもり、誰も入って来られない結界を張って一人スローライフを開始……したはずだった。 だがその結界、なぜか“迷える者”だけは入れてしまう仕様だった!? 気づけば―― 記憶喪失の魔王の娘 迫害された獣人一家 古代魔法を使うエルフの美少女 天然ドジな女神 理想を追いすぎて仲間を失った情熱ドワーフ などなど、“迷える者たち”がどんどん集まってくる異種族スローライフ村が爆誕! ところが世界では、バニッシュの支援を失った勇者たちがボロボロに…… 魔王軍の侵攻は止まらず、世界滅亡のカウントダウンが始まっていた。 「もう面倒ごとはごめんだ。でも、目の前の誰かを見捨てるのも――もっとごめんだ」 これは、追放された“地味なおっさん”が、 異種族たちとスローライフしながら、 世界を救ってしまう(予定)のお話である。

処理中です...