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【第十三章】魔王城攻略編
13-14【ある日の朝食風景】
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次の日の朝、俺は、屋根が吹き飛び朝日が拝めるログハウスのリビングで、ソドムタウンの皆と一緒に朝食を取っていた。
いつもながらのメンバーだ。
スカル姉さん、ゴリ、バイマン、オアイドス、それにガイアだ。
「旨いなー、人間のご飯は美味しいなー(棒読み)」
そうだった……。
こいつも居たんだった。
魔王城の森から連れて来たホビットのアインシュタインだ。
間抜け顔で食卓に混ざってやがる。
今日は朝食を済ませたら、スカル姉さんと一緒に君主に謁見することになっている。
その前にアインシュタインを森に帰してやろうと思っていた。
「なあ、アインシュタイン」
「なんだー、アスラン?(棒読み)」
「送ってってやるから飯を食ったら森に帰れ」
「えー、やだやだー(棒読み)」
「なんでだよ?」
「オラもここに住むー(棒読み)」
「なんで?」
「ご飯も旨いしー、屋根もあるからだー(棒読み)」
俺は吹き飛んで無くなった天井を見上げながら言った。
「屋根はもう無いぞ」
「あー、そうだなー。じゃあオラが作るだー(棒読み)」
「えっ、作れるの?」
なに、どう言うこと?
こんな小人が屋根を一人で作れるのか?
穴蔵に住んでたのに?
まーさかー。
「魔法か何かを使うのか?」
「日曜大工ならお手のものだー。任せろー(棒読み)」
俺は食卓を囲むスカル姉さんに訊いた。
「スカル姉さん、修理の大工っていつ入るの?」
「明日の予定だ」
じゃあ一日ぐらいアインシュタインに任せてみるか。
それで本気かギャグかが分かるだろうさ。
「まあ、大工が入るまで頑張ってみろ、アインシュタイン」
「おー、チャンスだー。頑張るぜー(棒読み)」
まあ、奇跡が起きるかも知れんしな。
「ところでスカル姉さん」
「なんだ、アスラン?」
「今日、君主のところに誰が集まるんだ?」
確か昨日、人が集まるみたいなことを言ってたと思う。
スカル姉さんがコーヒーを啜りながら俺の質問に答えた。
「パトロンたちだ」
「パトロン?」
パトロンって、スポンサーみたいなものか?
俺の魔王城町化計画に資金を出してくれるヤツらなのかな?
「誰よ?」
「私も詳しくしらん。ただ、お前の町作りに興味を持った金持ちたちが、いろいろと訊きたくて集まるんだ。それで、丁度本人が帰って来ているんだから、お前から話すのが筋かなってね」
「確かに俺の計画だから、俺から話すのが筋だわな……」
「だから朝食を食べたら町外れの洋館に出向くぞ」
町外れの洋館って、ヒルダやプロ子たちと出会った洋館だよな。
人形のお化けを祓ったら新君主が住むってミーちゃんが言ってたっけ。
てか、もう君主が交代しているはずなんだよな。
新君主ってどんなヤツだろう?
俺は会ったことが無い。
まあ、昔の君主もどんなヤツか知らんけれどね。
とにかくだ。
資金を出してくれるヤツらなら、顔ぐらい会わせといても損は無かろう。
もしも気に食わないヤツらや、気に食わない条件を出されたら、断れば良いだけだもんな。
そもそも俺一人でこの計画は遂行する気で始めたんだもん。
パトロンなんて要らないよ。
スカル姉さんが言う。
「なあ、アスラン。お前って、スーツとか持ってるか?」
「スーツ?」
「貴族パーティー用のスーツだ」
「勿論無いぞ!」
俺は胸を張って言った。
そんなオシャレな物は持っていないし、持つ気も無いぜ。
だって俺は冒険者だもの!!
「じゃあ君主のところに行く前に、古着屋でそれなりの物を揃えて行くぞ」
「なんで? 皮鎧にローブでいいだろ?」
「富豪が出るか、貴族が出るかも分からんのだぞ。そんな汚い格好で行かせられるか。今回はお金の話をするんだ。少しは気をつかえ」
「じゃあ、スカル姉さんはボディコンに白衣じゃあなくって、ドレスでも着て行くのか?」
「とうぜんだ」
「「「「えっ、マジ!!」」」」
食卓を共にしていた野郎どもが声を揃えて驚いた。
まさか気品の欠片も持ち合わせていない姉御肌のスカル姉さんが、レディーのような可憐なドレスを着るとは信じられないからだ。
ゴリが言う。
「スカル姉さんって、ドレス着るんだ……」
バイマンが言う。
「もうただの仮装パーティーですよね……」
オアイドスが言う。
「えっ、ギャグ……?」
ガイアが言う。
「アインシュタイン、私が作ったご飯は旨いか?」
アインシュタインが言う。
「オラのために朝御飯を作ってくれたんだなー。結婚しよー(棒読み)」
俺が言う。
「まあ、皆、とりあえず落ち着こう。これは天変地異じゃあないんだから……」
スカル姉さんが言う。
「この野郎ども、相変わらず失礼だな。全員そこに列べ。ジャーマンで投げてやるから」
「分かった。それなら俺もパーティー用スーツを一着用意しよう」
「物わかりがいいな、アスラン。だが、私を侮辱した罪は消えんぞ」
「「「「ははーーーん……」」」」
俺たちヤローズは四人ならんで土下座した。
ジャーマンの女神の怒りを宥める。
「アスラーン、オラとガイアは結婚するぞー(棒読み)」
「しない……。パンダ、このホビットを摘まみ出しなさい」
「うーわー、たーすーけーてー!(棒読み)」
アインシュタインがパンダゴーレムに抱えられて室外に放り投げ捨てられる。
外の地面に転がったアインシュタインの上に、少し高い位置からダイブしたパンダがヒップドロップで追い討ちを入れていた。
命令以上の攻撃をするパンダゴーレム、素晴らしい!!
頭が壊れているとは思えないぞ。
いつもながらのメンバーだ。
スカル姉さん、ゴリ、バイマン、オアイドス、それにガイアだ。
「旨いなー、人間のご飯は美味しいなー(棒読み)」
そうだった……。
こいつも居たんだった。
魔王城の森から連れて来たホビットのアインシュタインだ。
間抜け顔で食卓に混ざってやがる。
今日は朝食を済ませたら、スカル姉さんと一緒に君主に謁見することになっている。
その前にアインシュタインを森に帰してやろうと思っていた。
「なあ、アインシュタイン」
「なんだー、アスラン?(棒読み)」
「送ってってやるから飯を食ったら森に帰れ」
「えー、やだやだー(棒読み)」
「なんでだよ?」
「オラもここに住むー(棒読み)」
「なんで?」
「ご飯も旨いしー、屋根もあるからだー(棒読み)」
俺は吹き飛んで無くなった天井を見上げながら言った。
「屋根はもう無いぞ」
「あー、そうだなー。じゃあオラが作るだー(棒読み)」
「えっ、作れるの?」
なに、どう言うこと?
こんな小人が屋根を一人で作れるのか?
穴蔵に住んでたのに?
まーさかー。
「魔法か何かを使うのか?」
「日曜大工ならお手のものだー。任せろー(棒読み)」
俺は食卓を囲むスカル姉さんに訊いた。
「スカル姉さん、修理の大工っていつ入るの?」
「明日の予定だ」
じゃあ一日ぐらいアインシュタインに任せてみるか。
それで本気かギャグかが分かるだろうさ。
「まあ、大工が入るまで頑張ってみろ、アインシュタイン」
「おー、チャンスだー。頑張るぜー(棒読み)」
まあ、奇跡が起きるかも知れんしな。
「ところでスカル姉さん」
「なんだ、アスラン?」
「今日、君主のところに誰が集まるんだ?」
確か昨日、人が集まるみたいなことを言ってたと思う。
スカル姉さんがコーヒーを啜りながら俺の質問に答えた。
「パトロンたちだ」
「パトロン?」
パトロンって、スポンサーみたいなものか?
俺の魔王城町化計画に資金を出してくれるヤツらなのかな?
「誰よ?」
「私も詳しくしらん。ただ、お前の町作りに興味を持った金持ちたちが、いろいろと訊きたくて集まるんだ。それで、丁度本人が帰って来ているんだから、お前から話すのが筋かなってね」
「確かに俺の計画だから、俺から話すのが筋だわな……」
「だから朝食を食べたら町外れの洋館に出向くぞ」
町外れの洋館って、ヒルダやプロ子たちと出会った洋館だよな。
人形のお化けを祓ったら新君主が住むってミーちゃんが言ってたっけ。
てか、もう君主が交代しているはずなんだよな。
新君主ってどんなヤツだろう?
俺は会ったことが無い。
まあ、昔の君主もどんなヤツか知らんけれどね。
とにかくだ。
資金を出してくれるヤツらなら、顔ぐらい会わせといても損は無かろう。
もしも気に食わないヤツらや、気に食わない条件を出されたら、断れば良いだけだもんな。
そもそも俺一人でこの計画は遂行する気で始めたんだもん。
パトロンなんて要らないよ。
スカル姉さんが言う。
「なあ、アスラン。お前って、スーツとか持ってるか?」
「スーツ?」
「貴族パーティー用のスーツだ」
「勿論無いぞ!」
俺は胸を張って言った。
そんなオシャレな物は持っていないし、持つ気も無いぜ。
だって俺は冒険者だもの!!
「じゃあ君主のところに行く前に、古着屋でそれなりの物を揃えて行くぞ」
「なんで? 皮鎧にローブでいいだろ?」
「富豪が出るか、貴族が出るかも分からんのだぞ。そんな汚い格好で行かせられるか。今回はお金の話をするんだ。少しは気をつかえ」
「じゃあ、スカル姉さんはボディコンに白衣じゃあなくって、ドレスでも着て行くのか?」
「とうぜんだ」
「「「「えっ、マジ!!」」」」
食卓を共にしていた野郎どもが声を揃えて驚いた。
まさか気品の欠片も持ち合わせていない姉御肌のスカル姉さんが、レディーのような可憐なドレスを着るとは信じられないからだ。
ゴリが言う。
「スカル姉さんって、ドレス着るんだ……」
バイマンが言う。
「もうただの仮装パーティーですよね……」
オアイドスが言う。
「えっ、ギャグ……?」
ガイアが言う。
「アインシュタイン、私が作ったご飯は旨いか?」
アインシュタインが言う。
「オラのために朝御飯を作ってくれたんだなー。結婚しよー(棒読み)」
俺が言う。
「まあ、皆、とりあえず落ち着こう。これは天変地異じゃあないんだから……」
スカル姉さんが言う。
「この野郎ども、相変わらず失礼だな。全員そこに列べ。ジャーマンで投げてやるから」
「分かった。それなら俺もパーティー用スーツを一着用意しよう」
「物わかりがいいな、アスラン。だが、私を侮辱した罪は消えんぞ」
「「「「ははーーーん……」」」」
俺たちヤローズは四人ならんで土下座した。
ジャーマンの女神の怒りを宥める。
「アスラーン、オラとガイアは結婚するぞー(棒読み)」
「しない……。パンダ、このホビットを摘まみ出しなさい」
「うーわー、たーすーけーてー!(棒読み)」
アインシュタインがパンダゴーレムに抱えられて室外に放り投げ捨てられる。
外の地面に転がったアインシュタインの上に、少し高い位置からダイブしたパンダがヒップドロップで追い討ちを入れていた。
命令以上の攻撃をするパンダゴーレム、素晴らしい!!
頭が壊れているとは思えないぞ。
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