将来、悲運な結末を迎える令嬢は幸せに生きる

都築稔

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パーティー開催

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ついに、この日がやって来ました。今日はライト様の婚約者を決めるパーティーの日です。いわゆる、お見合いパーティーですね。

私はルカ様が選んだらしいドレスを着るため、早朝からメイドに叩き起こされて準備しました。今も、欠伸が出そうなのを必死に堪えているくらい眠いです。

会場に集まった令嬢たちは誰がライト様の婚約者の座に着くか、目をギラギラさせている。その両親は水面下では穏やかな空気をまとっているが、内心では令嬢たちよりギラギラしているに違いない。

今日ほいい天気のため、庭で行われていた。私はルカ様と会場に入る予定なのだが、まだ参加者が揃ってないとかで会場入りしていない。バルコニーで上から令嬢たちのキャットファイトを眺めていた。

「リア、こんなところにいたのか。」

こんなところも何も、私はルカ様を待ってる間ここにいるように、とラーヤ様に案内されてここにいる。ルカ様は私がここで待っていると教えてもらわなかったのかしら?まぁ、ラーヤ様なら意図的に報告しなさそうね。

「うわぁ、結構な数が集まったんだね。それだけ、王太子妃の座は魅力的ってことか。」

うーん、ライト様は初恋キラーと一部で呼ばれているらしいから、王太子妃になれるってだけではないと思うのだけど。私の口からライト様を褒めたら、ルカ様が確実に拗ねるから言わないでおこう。私には関係ないしね。

「まだお一人到着されてないのでしょう?」

「あぁ、コルドレ公爵家の令嬢だね。地位的には最有力候補だけど、我儘で有名だ。ライトが彼女を選ぶとは思えない。それでも地位はあるからね。少しは開始を遅らせることにしたようだよ。」

コルドレ家のご令嬢か。私も王宮に来てから、何度か耳にした名前だわ。確か、公爵ご夫妻にやっとできた一人娘で甘やかして育てたらしく、自分の思い通りにならないと癇癪を起こすそうだ。

「あ、ほら。来たよ。」

そう言われて入り口の方を見ると、綺麗なブロンドの髪にルビーのような瞳、目鼻立ちがスッと通っている、とっても美人な女の子が現れた。瞳に合わせた赤いドレスがよく似合っている。

でも・・・あの服装は、コーディネートは、なんというか・・・・・・私よりも悪役令嬢っぽいなぁ。
赤いドレスに縦ロール。大きくてクリッとした目は、少し釣り上がっている。
私よりも悪役令嬢らしい人がいるのに、作者はなんでエミリアを悪役令嬢にしたのかしら。もしかして、私が悪役令嬢っぽくない行動ばかりするから、シナリオの修正で代わりの人が悪役令嬢になってしまったのかしら?
それは、なんだか気分がよくないわね。

「全員そろったことだし、僕たちも会場に行こう。ライトより先に会場入りしないといけないしね。」

ルカ様にエスコートされて部屋を後にしたものの、
私の頭の中はコルドレ令嬢のことばかり。

私の代わりに死亡エンドを引き受けてくれる人がいる?それなら、私は死ななくてもいいってこと?でも、代わりに誰かが死ぬとわかってるのは後味悪いというか、スルーできないよなぁ。

「ねぇ、エミリア。何を考えてるの?僕が隣にいて君をエスコートしているというのに、他に何を考えることがあるの?」

「え!えっと・・・コルドレ嬢のことを・・・。」

「それで?」

「わ、私は人前に出るのに慣れていないので緊張してしまいます。コルドレ嬢はあんなに目立つ入場をしたというのに、堂々としていてすごいなと・・・。」

「ふふっ。それは彼女への嫌味かな?」

「へ?そんなことは!」

しまった。誤魔化そうとして、嫌味言ったみたいになってしまった。他の誰かが聞いたら、気分良くないよね。それに、ルカ様の婚約者は性格が悪いなんて思われたくないし!

「彼女は遅れたことに関して、多分何も感じていないよ。自分がいなきゃ、パーティーは始められない。それが当たり前くらいに思ってるのさ。」

おぉぉぉ、なんて強靭なメンタル。ご両親はある意味、子育てに成功してますよ。自己肯定感が強くないとドロドロとした貴族社会では生きていけませんからね。

「リア、念の為に先に言っておくよ。」

ルカ様が足を止めて、私と向かい合うように立った。

「なんですか?」

「今から、僕にも言い寄ろうとするやつが出てくるだろう。でも僕は、世界がどれだけ覆ろうと何度生まれ変わっても、リアだけだ。リアしかいらない。」

両手を握って、真剣な顔ですごい重たい言葉をかけてくる。少しすがるようなその言い方に、思わず笑みが溢れた。

「わかってますよ。ルカ様は私を十二分に愛してくださっています。私も、貴方様だけですよ。」

照れ隠しか、少しムッとした顔をしてくるりと前を向いてしまった。でも耳も首も赤い。全然、隠せていない。

あぁ、今日も推しが可愛い。それだけで私は生きていけそう。

「行くよ!」

隣に並ぶのは気恥ずかしくなったのか、私の手を引いて前を歩き出した。キュッと手を握ると、ギュッと返してくれることがなんだか嬉しかった。
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