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ジオル・サンリア
しおりを挟む「2人はすげー仲良いんだな!」
後ろから声をかけられて、返事をするのが一拍遅れた。だって、校内とはいえ王子に向かってそんな感じでくる??と思ってしまったんだもの。
「あ・・・えっと、婚約者ですので。」
そして振り向いて、少し答えたことに後悔した。
声をかけてきた少年は燃えるような赤い髪に黒い瞳、攻略対象の1人であるジオル・サンリアだったからだ。
「いやぁ、婚約者でもそんなにべったり一緒とは限らないぜ?仲が良くてもな。」
「ジオ、気安く話しかけてくるな。」
あら、2人は既に面識があったのね。まぁ、近衛隊長の息子なんだからあってもおかしくないか。
「えー、俺ら友だちじゃん。」
「なった覚えはない。」
うーん、なんとなく関係性も見えてきたわね。
「この子がルカの愛しの婚約者なんだろ?ちゃんと紹介してよ!」
「嫌だよ。視界にも入れてほしくない。」
「なんでだよ!じゃあ勝手に自己紹介する。ジオル・サンリアです!仲良くしてくれな!」
輝くような笑顔で手を差し出されたんだけど・・・これは握手を求められてるであってるのよね?
「触ろうとするな!」
ペシッとルカ様に手を叩かれている。
「いってぇーな。そんな嫉妬深いと嫌われんぞ?」
こちらが想像したより痛かったのだろう。ジオは叩かれた手を痛そうにヒラヒラと振った。
「そんなことないです。」
「本人がこう言ってるから大丈夫だ。僕たちは相思相愛なんだ。」
ルカ様は得意気に答えて、私の肩を抱く。ふわっと香水の香りがしてときめいた。
この歳で香水ですか?めっちゃいい香りしたんですけど、どこで売ってますか?お揃いの香りにしたいとか言えば教えてもらえるかしら?いや、プレゼントしてくれそう。匂いフェチとかじゃないけど、ノックアウト寸前だわ。
「あー、うん。なんか俺が邪魔したのはわかったわ。悪かった。でも、仲良くして欲しいのは本心だからな?」
「リアには近づかなくていい。」
「ぶれねぇな。」
朗らかに笑っていたところ、ジオは知り合いに呼ばれたようだ。またな!と去って行ったが、ルカ様の嫉妬心を煽るような行動は控えてほしい。というか、死亡フラグを折るためにも近寄らないでほしい。いやでも、仲良くなっておいたら敵認定されることもないのかな?
ま、いっか。
「リア、あいつに話しかけられても答えなくていい。」
「でも無視は良くないですよ?」
「ジオ相手ならいいと思うんだ。」
そんな1人で納得顔で頷かれても・・・。
「ルカ様の印象は悪くなっちゃいます!」
「リアにさえ愛されてれば、他はどうでもいいよ。」
そうだ、この人はこういう人だった。学園だって通わなくても大丈夫くらいの知識は持ってる。ここにいるのは、私が学園に通うからという理由だけなんだった。
「私は嫌です。」
「・・・努力はする。ジオにも返事するよ。」
「そうしてください。」
ルカ様にだって、敵は少ない方がいい。こう言えば自己中心的に聞こえるかもしれないけど、私たち2人が幸せになるには周りと良い関係性を築いておかないといけないと思うのよね。
私だけ周りに好かれると、ルカ様が嫉妬して監禁される恐れがある。または周りにルカ様と引き離されて、狂ったルカ様に殺される可能性がある。
ルカ様だけが好かれると、様々な理由で私の座を狙った令嬢に陥れられる可能性がある。それを心配したルカ様に監禁されるルートも考えられる。
つまり、私たちが2人で平和に暮らすには、2人とも周りからの好感度を高くして推しカップルとして応援してもらうことなのだと思う。
そうだ!
「ねぇ、ルカ様。相談があるのですが・・・」
「なぁに?リアからの話なら何でも聞くよ?」
あぁ、この"頼ってもらえて嬉しい!!"感を出されると少し罪悪感が・・・。珍しく犬が尻尾を振ってるように見えるし・・・可愛いかよ・・・。
「えっと、ここではちょっと。」
「わかった。2人きりになれる場所に行こう。」
ルカ様は私の手を引いて歩き出した。
どこに向かってるかは置いといて、言い方が誤解を生みそうな発言じゃないかと驚いてしまった。
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