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皇帝サイドⅪ
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白薔薇の騎士Ⅲ
「レックス、今日から稽古を始めるわよ、そこにある木刀を使って」
「うん、わかった」
リリィによる稽古が始まる。最初は素振りから。まだ対戦は早いらしい。
「三十、三十一、三十二、……レックス、姿勢が崩れてきたわよ」
「あ、はい。すいません」
「三十三、三十四、三十五、レックス、あと五回よ」
「はい、わかりました」
「三十九、四十。とりあえずここまでにしましょう。どうだった?」
「木刀って、結構重いんだね、僕、知らなかった」
「まぁ、普段ステゴロなら仕方ないわ。素振りをまずは百回できるようになりましょう」
「そんなに?」
「それぐらいやっておかないと。貴方、騎士になりたいんでしょ?」
「うん」
「おや、リリィ、彼がレックスかい?」
「あら、ヨーデル」
そこに現れたのはヨーデルさん。ヨーデル・モンゴメリ。『青薔薇の騎士』。胸には青薔薇の紋章を付けている。ヨーデルさんは、とても背が高い。僕のお父さんも背が高かったけど。
「はじめまして、レックス。俺がヨーデルだ。よろしくね。陛下からお話は伺っている。なるべく早くに君に会いたかったのだが、申し訳ない、なかなか時間が取れなくてね」
「気にしないで、ヨーデルさん。こうして会いにきてくれただけで、僕は嬉しいです」
「どうだい? 素振りの方は。リリィは厳しいだろ」
「うん、鬼みたい」
「なんか、言った? ブチ殺すわよ」
「あ、いや、なんでもないよ、リリィ」
なんか、素直なことを言ったら、リリィに殴られそうだ。あ、そうだ、
「ヨーデルさん、今日はいい天気ですね」
「レックス、君はバカなのか? 見ての通り、今日は曇ってるぞ」
う。またバカにされた。騎士ってやっぱりこわい。
「まぁ、リリィは君の教育係だからね、少しばかりは手厳しい方が君のためだよ」
「リリィって、サドなの?」
「いや、どちらかというとマゾだね」
「貴方達ふたり分の首、ここで飛ばしましょうか」
ダメだ。リリィ、お怒りモード。よし、こんなときは、
「ごめんね、リリィ、僕のチョコレートあげるから許して」
「もう、レックスたら! 怒ってない、怒ってない。あ、でもそのチョコレートは頂くわ」
「え」
なんか理不尽。それを見ていたヨーデルさんが、
「君たちは本当に仲がいいんだね、従姉弟とは聞いていたけれど、そこまで仲良しだと羨ましいよ」
「ヨーデルさんは、兄弟とかいるの?」
「……」
あれ、僕、変なこと言った? あ、「プライベート」ってやつだ!
「すいません。不躾なことを聞いてしまって」
「ああ、俺の方こそ気を遣わせてしまって、すまないね。俺には兄弟が、いるにはいるんだが……その、なんだ、いろいろややこしくてね」
「そうなんですね、わかりました」
僕たちが、そんな話をしていると、
「リーリウム様、ヨーデル様、皇帝陛下がお呼びです」
「分かった、すぐに行く」
「レックス、後片付けはお願いできるかしら」
そう言ってふたりは行ってしまった。
リリィに言われた通り、木刀の片付けをしていると、
「お前が、レックスか。父上から話は聞いた」
「あ、えと……フェルナンデス様」
「フェルナンデスでいいよ」
「わかった」
「切り替え早いな、お前。レイピアは使えないのか?」
「リリィがまだ早いって」
フェルナンデス・ドゴン。確か、ドゴン皇帝のひとり息子。皇太子なのだから、もっと高飛車な人かと思っていたけど、
「いいやつそうだな、お前」
「調子に乗るな。ブチ殺すぞ」
やっぱり、皇太子は高飛車でした。
「レックス、今日から稽古を始めるわよ、そこにある木刀を使って」
「うん、わかった」
リリィによる稽古が始まる。最初は素振りから。まだ対戦は早いらしい。
「三十、三十一、三十二、……レックス、姿勢が崩れてきたわよ」
「あ、はい。すいません」
「三十三、三十四、三十五、レックス、あと五回よ」
「はい、わかりました」
「三十九、四十。とりあえずここまでにしましょう。どうだった?」
「木刀って、結構重いんだね、僕、知らなかった」
「まぁ、普段ステゴロなら仕方ないわ。素振りをまずは百回できるようになりましょう」
「そんなに?」
「それぐらいやっておかないと。貴方、騎士になりたいんでしょ?」
「うん」
「おや、リリィ、彼がレックスかい?」
「あら、ヨーデル」
そこに現れたのはヨーデルさん。ヨーデル・モンゴメリ。『青薔薇の騎士』。胸には青薔薇の紋章を付けている。ヨーデルさんは、とても背が高い。僕のお父さんも背が高かったけど。
「はじめまして、レックス。俺がヨーデルだ。よろしくね。陛下からお話は伺っている。なるべく早くに君に会いたかったのだが、申し訳ない、なかなか時間が取れなくてね」
「気にしないで、ヨーデルさん。こうして会いにきてくれただけで、僕は嬉しいです」
「どうだい? 素振りの方は。リリィは厳しいだろ」
「うん、鬼みたい」
「なんか、言った? ブチ殺すわよ」
「あ、いや、なんでもないよ、リリィ」
なんか、素直なことを言ったら、リリィに殴られそうだ。あ、そうだ、
「ヨーデルさん、今日はいい天気ですね」
「レックス、君はバカなのか? 見ての通り、今日は曇ってるぞ」
う。またバカにされた。騎士ってやっぱりこわい。
「まぁ、リリィは君の教育係だからね、少しばかりは手厳しい方が君のためだよ」
「リリィって、サドなの?」
「いや、どちらかというとマゾだね」
「貴方達ふたり分の首、ここで飛ばしましょうか」
ダメだ。リリィ、お怒りモード。よし、こんなときは、
「ごめんね、リリィ、僕のチョコレートあげるから許して」
「もう、レックスたら! 怒ってない、怒ってない。あ、でもそのチョコレートは頂くわ」
「え」
なんか理不尽。それを見ていたヨーデルさんが、
「君たちは本当に仲がいいんだね、従姉弟とは聞いていたけれど、そこまで仲良しだと羨ましいよ」
「ヨーデルさんは、兄弟とかいるの?」
「……」
あれ、僕、変なこと言った? あ、「プライベート」ってやつだ!
「すいません。不躾なことを聞いてしまって」
「ああ、俺の方こそ気を遣わせてしまって、すまないね。俺には兄弟が、いるにはいるんだが……その、なんだ、いろいろややこしくてね」
「そうなんですね、わかりました」
僕たちが、そんな話をしていると、
「リーリウム様、ヨーデル様、皇帝陛下がお呼びです」
「分かった、すぐに行く」
「レックス、後片付けはお願いできるかしら」
そう言ってふたりは行ってしまった。
リリィに言われた通り、木刀の片付けをしていると、
「お前が、レックスか。父上から話は聞いた」
「あ、えと……フェルナンデス様」
「フェルナンデスでいいよ」
「わかった」
「切り替え早いな、お前。レイピアは使えないのか?」
「リリィがまだ早いって」
フェルナンデス・ドゴン。確か、ドゴン皇帝のひとり息子。皇太子なのだから、もっと高飛車な人かと思っていたけど、
「いいやつそうだな、お前」
「調子に乗るな。ブチ殺すぞ」
やっぱり、皇太子は高飛車でした。
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