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番を越えたその先に
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コレットが重たい瞼を空けると体は綺麗に清められ、新しいパジャマを履かされていた。血と精液にまみれたベッドは新しいシーツに変わっていて、清々しい。
「…ガ…イ…ル」
散々喘がされた声は嗄れ、老婆のようだ。体の関節がバラバラになったように動かない。
下半身が鉛のように重く、お腹に力が入った瞬間、白濁が経血とともに膣から流れて思わず体を震わせる。
「おっ、大丈夫かコレット?無理するなよ起きれるか?起きれるなら、のどにいい茶を貰ってきたから飲めよ」出すもの出してスッキリなガイルはコレットの世話をしはじめた。
(う~。ガイルのせいでボロボロなのに~)
上半身を支えながら起こされ、お茶を飲まされ、腕が上がらないので、朝御飯も食べさせてもらいまるで病人のようだ。
「ガイルの馬鹿、やり過ぎよ。」掠れた声で抗議するコレット。
「すまん。コレットが可愛すぎて止まらなかった、猛省してる。」ガイルの耳がへたり、しっぽが地面に下がる。
「もう!…つ、次の時は…ちゃんと手加減してねガイル」
「次?次もいいのか……ああ、手加減出来たらする」ガイルの耳がしっぽが喜びに立ち上げる。
「もう!出来たらじゃなくて手加減してね!」ほっぺを膨らまし、ぷくっとむくれると膨らんだ頬を指でツンツンされた。
「ちょっとガイル!私怒ってるのよ!」
「可愛いな、コレット……好きだ」両頬を大きな手で包みこまれ唐突に告白され、コレットは文句を言えなくなってしまう。
「ガイル……私も好きよ」頬を薔薇色に染め、素直に真っ直ぐコレットはガイルに告げた。
「ぐっ」ガイルが変な声をあげ、おでこを手のひらで押さえた。
「コレット、反則だ」
「へ?」
「可愛すぎて…辛い」
「な、なに馬鹿なこと言ってるのガイル!」
「…次もいいな?」コレットの体を再びベッドに押し倒す。
「ま、待って嘘でしょう?」
「コレットが可愛すぎなのが悪い」
手加減してくれるらしいガイルに再び襲われ、月経中の子宮を白一色にされる。
不思議にあれほど酷かった月経中の痛みはなく、ただ温かく気持ちいい。
子宮が火照り、奥底からちくりと何かの息吹きを感じた。
体を繋げ、好きと言い合ってからガイルはコレットに過保護になった。
月経中、食事、更衣、排泄すべての世話をされ、薄着をしようものなら跳んできて上着を着せられる。
移動はお姫様抱っこのため、緑風壮の住民たちに生ぬるい目で見られ女将にからかわれた。
ガイルは、里から帰ってきたリリアカとリーダーのスバルにコレットと伴侶になると宣言し、リリアカを大いに喜ばせ、スバルに冷やかされた。コレットはガイルに甘やかされて幸せを噛みしめていた。
問題は月経後に起こる。
ガイルはコレットが妊娠したからと戦闘に参加するのを認めなかった。
コレットは、そんな馬鹿なことと反発して、初めて魔女は月経中にしか妊娠しない、好きな人を匂いで誘うと知り、衝撃を受ける。
(月経中、ガイルはしきりに匂いがするって言ってたけど……まさか私が誘っていたなんて、恥ずかしすぎる。ずっとガイルに襲って下さいってアピールしてたんだ…)
妊娠の可能性があるなら戦闘は止めなさいとリリアカとスバルにも言われ、コレットは仲間が依頼のときは部屋で薬作りをすることになった。ガイルに素のコレットが好きだからと言われ変身魔法もしていない。
ぐるぐると鍋を回し、ポーションを作りながらコレットは考える。
(魔女の契約……ガイルはしきりにしてほしいと言うけど、本当にいいのかしら?この先、番が見つかったら、ガイル苦しむんじゃないかな。一生私に縛りつけられてガイル本当に幸せなのかな?)
コレットは迷う、ガイルが好きだ、愛してる、だから縛りたいと強く思う…反面、同じぐらい彼の幸せを願う。相反する気持ちを薬草と一緒に混ぜて、鍋を回す。
チェストの引き出しにはラッピングされた首輪が用意されていた。ガイルに似合うルビーをあしらった高価な首輪。それにコレットの魔力を込めてガイルに嵌めれば魔女の契約は成立する。まだ首輪に魔力は込められていない――
炎狼族の集落は活火山カロッテのふもとにあり、火の女神アロナナを奉る祭壇を取り囲むように作られていた。
家々は熱に強く燃えにく材質で出来た頑丈な建物だった。家の至るところに赤い花が飾られ、どこからか楽曲が流れる。
スバルの話を聞いてコレットは勘違いしていたが、ガイルが里に帰るのは1週間だけだった。
「本当に私も来て大丈夫だったの?」
「もちろんだ、俺の親にも伴侶になると報告しないとだろう?」
「確かに報告はしないとだけど…親戚の結婚式に部外者参加は不味いんじゃないの?」
「コレットは、すぐに部外者じゃなくなる。それに、ぜひとも来て欲しいと新婦から頼まれた」
「わかった…とりあえずガイル下ろして、恥ずかしい、自分で歩くから!」
乗り合い馬車を降りてから村に入っても、ずっとお姫様抱っこされていたコレットは、村人たちから注目されていた。
ガイルが知人から声をかけられ会話中もお姫様抱っこのまま、ただただ恥ずかしい。
抗議しても、すぐ着くからと下ろしてもらえず、祭壇近くの大きな家でガイルはやっとコレットを下ろした。
「ただいま母さん」
「まあ!ガイルお帰りなさい」
腰まで届く長い赤髪のガイルに良く似たご婦人がガイルを抱きしめた、ガイルの母ソニアだった。
「じゃあ、こっちの女の子が手紙に書いたコレットちゃんね!」
ソニアはルビーみたいな瞳をキラキラさせコレットに握手すると、腕を引き椅子に座らせた。
「みんなー!お兄ちゃんが彼女を連れてきたわよー」ソニアが叫ぶと各部屋からガイルの弟妹五人がわらわら集まりコレットを取り囲む。
「あ、あのコレットです。よろしくお願いします」
「うわー。お兄ちゃんの彼女、僕より小さいー」
「本当だー。小さくて可愛い~。僕も欲しい~」
「お肌白いほっぺぷにぷに~。スベスベー!」
「ずるい!私も触りたい」
「僕も!」
もみくちゃになりかけたコレットをガイルがピョイと持ち上げ抱き締めた。
「お兄ちゃんのだから、触るの禁止!」
「えー。ずるい~」五人が一斉に文句を言う。
「ずるくない!お前たちには土産がある」
ガイルが手土産をテーブルに置くと現金なもので弟妹たちは土産に群がった。
コレットはそのままガイルの膝上に座らされる。
「が、ガイルちょっと…」
「まあまあ、仲良しなのねー!私たちの若い頃みたいね?」
「そうだね、ソニア」いつの間に来ていたのか、丸いシルエットの炎狼族の初老の男性がニコニコしながら立っていた。
「父さん、また太ったな」
「酷いなガイル、ソニアのご飯が美味しいんだよ。初めましてコレットさん、ガイルの父のガークです」深々とお辞儀をされる。
「初めましてコレットです」
「挨拶もすんだし、積もる話は食べながらね」ソニアがテーブルに料理を運ぶ、コレットの知らない赤い香辛料がふんだんに使われていた。
食事も終わり、弟妹たちが寝付いた後にガイルが切り出した。
「父さん、母さん、俺はコレットを伴侶にするつもりだ」
「まあ、母さんはこんな可愛い子が娘になってくれたら嬉しいわ」
「ガイルが良いなら僕も賛成するよ」
「父さん母さんありがとう!コレット良かったな……コレット?なんで泣くんだ?」
コレットは泣いていた、堪えきれず両手で顔を覆う。
「ひっく、だってガイル。お父さんお母さんみたいな番に憧れてるって言ってた……二人とも仲睦まじくて素敵で……私、ガイルの番じゃないもの、伴侶になっても炎狼は番一筋て聞いたの、ガイルに捨てられたら、私…」コレットは涙でつまりそれ以上は言えなかった。
「馬鹿、コレット!捨てるわけない!そんなに心配なら早く魔女の契約をすればいい!」
「ガイル落ち着いて…コレットちゃん不安なのね、可哀想に。私達炎狼は番一筋だけど絶対じゃないの」諭すようにソニアは囁く。
「今、この里で番同士で夫婦なのは私達だけなんだよ。考えてご覧、世界中に沢山人が溢れている…その中で番に会える可能性は極めて0なんだ」ガークも低く告げた。
「そうだコレット、俺はチェスナに言われて気づいたんだ。探して見つかるかわからない番より、今目の前にいるコレットを大切にしたい。愛してるんだコレット」
コレットは、やっと気づいた。居ないかもしれない番の影に怯えるより、今目の前にいるガイルを大切にして生きたいと。
「私もガイルが大切。愛してるの」二人はぴったり隙間なく抱きあった。
炎狼族の結婚式は火の女神アロナナにお酒と花を捧げ誓いの言葉とする。真っ赤な民族衣装に身を包んだ新郎新婦は壁画のように幻想的で美しかった。
「綺麗ね」
「次は俺達だ。コレットのお腹が膨らむ前に式をあげないとな」ガイルがペッタンコのコレットの腹部を撫でる。
「もう、ガイル、まだ言ってるの?……あれ?」
コレットは急な吐き気と眩暈に襲われ、ガイルが体を支えた。
「無理するな、コレット、先に家に帰ろう。すぐ母を呼ぶ」
「うん」
ガイルの執念か魔女の体の神秘が、コレットは本当に妊娠していた。
「嘘でしょう?」茫然自失のコレットにガイル達炎狼族はお祭り騒ぎとなり、話し合いが行われて、ガイルとコレットは炎狼族の集落に居を構えることになった。
ガイルは更に過保護になり、コレットを困らせ、炎狼族の人々に温かく見守られる。
妊娠中のコレットを集落の女性達が甲斐甲斐しく世話をしてくれ、ガイルとコレットは皆に祝福されながら結婚式を挙げることができた。
コレットとガイルは二人の女の子、三人の息子に恵まれ、死が二人を分かつまで仲睦まじく暮らした。コレットが用意した首輪は使われることはなかった。
「…ガ…イ…ル」
散々喘がされた声は嗄れ、老婆のようだ。体の関節がバラバラになったように動かない。
下半身が鉛のように重く、お腹に力が入った瞬間、白濁が経血とともに膣から流れて思わず体を震わせる。
「おっ、大丈夫かコレット?無理するなよ起きれるか?起きれるなら、のどにいい茶を貰ってきたから飲めよ」出すもの出してスッキリなガイルはコレットの世話をしはじめた。
(う~。ガイルのせいでボロボロなのに~)
上半身を支えながら起こされ、お茶を飲まされ、腕が上がらないので、朝御飯も食べさせてもらいまるで病人のようだ。
「ガイルの馬鹿、やり過ぎよ。」掠れた声で抗議するコレット。
「すまん。コレットが可愛すぎて止まらなかった、猛省してる。」ガイルの耳がへたり、しっぽが地面に下がる。
「もう!…つ、次の時は…ちゃんと手加減してねガイル」
「次?次もいいのか……ああ、手加減出来たらする」ガイルの耳がしっぽが喜びに立ち上げる。
「もう!出来たらじゃなくて手加減してね!」ほっぺを膨らまし、ぷくっとむくれると膨らんだ頬を指でツンツンされた。
「ちょっとガイル!私怒ってるのよ!」
「可愛いな、コレット……好きだ」両頬を大きな手で包みこまれ唐突に告白され、コレットは文句を言えなくなってしまう。
「ガイル……私も好きよ」頬を薔薇色に染め、素直に真っ直ぐコレットはガイルに告げた。
「ぐっ」ガイルが変な声をあげ、おでこを手のひらで押さえた。
「コレット、反則だ」
「へ?」
「可愛すぎて…辛い」
「な、なに馬鹿なこと言ってるのガイル!」
「…次もいいな?」コレットの体を再びベッドに押し倒す。
「ま、待って嘘でしょう?」
「コレットが可愛すぎなのが悪い」
手加減してくれるらしいガイルに再び襲われ、月経中の子宮を白一色にされる。
不思議にあれほど酷かった月経中の痛みはなく、ただ温かく気持ちいい。
子宮が火照り、奥底からちくりと何かの息吹きを感じた。
体を繋げ、好きと言い合ってからガイルはコレットに過保護になった。
月経中、食事、更衣、排泄すべての世話をされ、薄着をしようものなら跳んできて上着を着せられる。
移動はお姫様抱っこのため、緑風壮の住民たちに生ぬるい目で見られ女将にからかわれた。
ガイルは、里から帰ってきたリリアカとリーダーのスバルにコレットと伴侶になると宣言し、リリアカを大いに喜ばせ、スバルに冷やかされた。コレットはガイルに甘やかされて幸せを噛みしめていた。
問題は月経後に起こる。
ガイルはコレットが妊娠したからと戦闘に参加するのを認めなかった。
コレットは、そんな馬鹿なことと反発して、初めて魔女は月経中にしか妊娠しない、好きな人を匂いで誘うと知り、衝撃を受ける。
(月経中、ガイルはしきりに匂いがするって言ってたけど……まさか私が誘っていたなんて、恥ずかしすぎる。ずっとガイルに襲って下さいってアピールしてたんだ…)
妊娠の可能性があるなら戦闘は止めなさいとリリアカとスバルにも言われ、コレットは仲間が依頼のときは部屋で薬作りをすることになった。ガイルに素のコレットが好きだからと言われ変身魔法もしていない。
ぐるぐると鍋を回し、ポーションを作りながらコレットは考える。
(魔女の契約……ガイルはしきりにしてほしいと言うけど、本当にいいのかしら?この先、番が見つかったら、ガイル苦しむんじゃないかな。一生私に縛りつけられてガイル本当に幸せなのかな?)
コレットは迷う、ガイルが好きだ、愛してる、だから縛りたいと強く思う…反面、同じぐらい彼の幸せを願う。相反する気持ちを薬草と一緒に混ぜて、鍋を回す。
チェストの引き出しにはラッピングされた首輪が用意されていた。ガイルに似合うルビーをあしらった高価な首輪。それにコレットの魔力を込めてガイルに嵌めれば魔女の契約は成立する。まだ首輪に魔力は込められていない――
炎狼族の集落は活火山カロッテのふもとにあり、火の女神アロナナを奉る祭壇を取り囲むように作られていた。
家々は熱に強く燃えにく材質で出来た頑丈な建物だった。家の至るところに赤い花が飾られ、どこからか楽曲が流れる。
スバルの話を聞いてコレットは勘違いしていたが、ガイルが里に帰るのは1週間だけだった。
「本当に私も来て大丈夫だったの?」
「もちろんだ、俺の親にも伴侶になると報告しないとだろう?」
「確かに報告はしないとだけど…親戚の結婚式に部外者参加は不味いんじゃないの?」
「コレットは、すぐに部外者じゃなくなる。それに、ぜひとも来て欲しいと新婦から頼まれた」
「わかった…とりあえずガイル下ろして、恥ずかしい、自分で歩くから!」
乗り合い馬車を降りてから村に入っても、ずっとお姫様抱っこされていたコレットは、村人たちから注目されていた。
ガイルが知人から声をかけられ会話中もお姫様抱っこのまま、ただただ恥ずかしい。
抗議しても、すぐ着くからと下ろしてもらえず、祭壇近くの大きな家でガイルはやっとコレットを下ろした。
「ただいま母さん」
「まあ!ガイルお帰りなさい」
腰まで届く長い赤髪のガイルに良く似たご婦人がガイルを抱きしめた、ガイルの母ソニアだった。
「じゃあ、こっちの女の子が手紙に書いたコレットちゃんね!」
ソニアはルビーみたいな瞳をキラキラさせコレットに握手すると、腕を引き椅子に座らせた。
「みんなー!お兄ちゃんが彼女を連れてきたわよー」ソニアが叫ぶと各部屋からガイルの弟妹五人がわらわら集まりコレットを取り囲む。
「あ、あのコレットです。よろしくお願いします」
「うわー。お兄ちゃんの彼女、僕より小さいー」
「本当だー。小さくて可愛い~。僕も欲しい~」
「お肌白いほっぺぷにぷに~。スベスベー!」
「ずるい!私も触りたい」
「僕も!」
もみくちゃになりかけたコレットをガイルがピョイと持ち上げ抱き締めた。
「お兄ちゃんのだから、触るの禁止!」
「えー。ずるい~」五人が一斉に文句を言う。
「ずるくない!お前たちには土産がある」
ガイルが手土産をテーブルに置くと現金なもので弟妹たちは土産に群がった。
コレットはそのままガイルの膝上に座らされる。
「が、ガイルちょっと…」
「まあまあ、仲良しなのねー!私たちの若い頃みたいね?」
「そうだね、ソニア」いつの間に来ていたのか、丸いシルエットの炎狼族の初老の男性がニコニコしながら立っていた。
「父さん、また太ったな」
「酷いなガイル、ソニアのご飯が美味しいんだよ。初めましてコレットさん、ガイルの父のガークです」深々とお辞儀をされる。
「初めましてコレットです」
「挨拶もすんだし、積もる話は食べながらね」ソニアがテーブルに料理を運ぶ、コレットの知らない赤い香辛料がふんだんに使われていた。
食事も終わり、弟妹たちが寝付いた後にガイルが切り出した。
「父さん、母さん、俺はコレットを伴侶にするつもりだ」
「まあ、母さんはこんな可愛い子が娘になってくれたら嬉しいわ」
「ガイルが良いなら僕も賛成するよ」
「父さん母さんありがとう!コレット良かったな……コレット?なんで泣くんだ?」
コレットは泣いていた、堪えきれず両手で顔を覆う。
「ひっく、だってガイル。お父さんお母さんみたいな番に憧れてるって言ってた……二人とも仲睦まじくて素敵で……私、ガイルの番じゃないもの、伴侶になっても炎狼は番一筋て聞いたの、ガイルに捨てられたら、私…」コレットは涙でつまりそれ以上は言えなかった。
「馬鹿、コレット!捨てるわけない!そんなに心配なら早く魔女の契約をすればいい!」
「ガイル落ち着いて…コレットちゃん不安なのね、可哀想に。私達炎狼は番一筋だけど絶対じゃないの」諭すようにソニアは囁く。
「今、この里で番同士で夫婦なのは私達だけなんだよ。考えてご覧、世界中に沢山人が溢れている…その中で番に会える可能性は極めて0なんだ」ガークも低く告げた。
「そうだコレット、俺はチェスナに言われて気づいたんだ。探して見つかるかわからない番より、今目の前にいるコレットを大切にしたい。愛してるんだコレット」
コレットは、やっと気づいた。居ないかもしれない番の影に怯えるより、今目の前にいるガイルを大切にして生きたいと。
「私もガイルが大切。愛してるの」二人はぴったり隙間なく抱きあった。
炎狼族の結婚式は火の女神アロナナにお酒と花を捧げ誓いの言葉とする。真っ赤な民族衣装に身を包んだ新郎新婦は壁画のように幻想的で美しかった。
「綺麗ね」
「次は俺達だ。コレットのお腹が膨らむ前に式をあげないとな」ガイルがペッタンコのコレットの腹部を撫でる。
「もう、ガイル、まだ言ってるの?……あれ?」
コレットは急な吐き気と眩暈に襲われ、ガイルが体を支えた。
「無理するな、コレット、先に家に帰ろう。すぐ母を呼ぶ」
「うん」
ガイルの執念か魔女の体の神秘が、コレットは本当に妊娠していた。
「嘘でしょう?」茫然自失のコレットにガイル達炎狼族はお祭り騒ぎとなり、話し合いが行われて、ガイルとコレットは炎狼族の集落に居を構えることになった。
ガイルは更に過保護になり、コレットを困らせ、炎狼族の人々に温かく見守られる。
妊娠中のコレットを集落の女性達が甲斐甲斐しく世話をしてくれ、ガイルとコレットは皆に祝福されながら結婚式を挙げることができた。
コレットとガイルは二人の女の子、三人の息子に恵まれ、死が二人を分かつまで仲睦まじく暮らした。コレットが用意した首輪は使われることはなかった。
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