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勇者探索任務~サイテハの洞窟

LV56 女神守護

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フミヤのスキル『女神守護』が発動すると

フミヤ達を 銀色の淡く柔らかい光が包み込む。



その光は一斉に襲い掛かるウンテッツウルフをも

包み込んで行くと 光に包まれた数匹は

意識を失いその場に倒れていった。



*フミヤはウンテッツウルフ達を倒した。

ウンテッツウル達は警戒し、フミヤとの距離をとる。



・・・どこからか声が聞こえる。



「女神守護の光は悪しき力を打ち消す光。」

守護の神、アテーナーだ。



フミヤは久々に聞こえる神の声だったが、

その相変わらずのまったりした話し方に少しイラっとした。

「見てるんなら 助けろよ!」



アテーナー「う・・・。いや、それは神の立場的にできなくて。」



「あーそうですか、そうですか。」

いつも通り神に厳しいフミヤ。



「・・・。」



「それでは・・・。」



「おいおい。」



「おーい。」



スキルの説明をしようとしたアテーナーだったが、

苦手なフミヤのツッコみに耐え切れず、

そのまま会話は終了した。

*フミヤが悪い。



ウンテッツウルフは警戒して立ち止まっている。

「ん。この光 操作できるのか。」

*アテーナーが説明するつもりでした。

フミヤが一方向に手を伸ばすと 淡い光がその方向に伸びていく。



ニヤ。

たくらみ顔のフミヤはウンテッツウルフに向け光を放っていく。

「それーーい。」



無数に放たれていった、淡い光に包まれた

ウンテッツウルフは次々と倒れていく。

「フミヤさん凄いです。」

「かっこいいっス。

「モギュ。」

湧き上がる仲間モンスター達。



倒れていく手下を見て怒るドゥーテッツウルフの反撃。

*ドゥーテッツウルフは炎を吐いた。しかし、炎をかき消された。



「すごい、炎すらも消す事ができるのか。」

*それもアテーナーは説明するつもりでした。



悪しき力を打ち消す女神守護の凄い所は

悪意ある全てに反応する事である。

それは 悪意をもって吐かれたドゥーテッツウルフの炎も

例外ではなかった。



ウンテッツウルフを全て女神守護の光により倒したフミヤは

余裕の表情で ドゥーテッツウルフを見る。

「勝ち確定だな。」



ドゥーテッツウルフの頭の一方が再度、炎を吐くと

今度はもう一方が、氷を吐く。

それでも フミヤの結界は打ち砕く事ができない。

「あいつ、氷も吐くんですね。」

サイトウは驚いていた。



「反撃だ。」

ドゥーテッツウルフに向け、光を放つフミヤだが、

素早い身のこなしで、その光は躱されていく。

その攻防が幾度となく繰り広げられたが、双方譲らず

決着が着かない状況が続く。



「駄目だ、あいつ早すぎて捉えきれない。」

「フミヤさん、なんか光弱まってないっスか?」

「そういえば・・・。」

徐々に女神守護の光が薄まっているように見える。

次第に焦りを覚えるフミヤ達。



「これはヤバい、どうする?」

「どうします?」



「かくなるうえは・・・。」

「走るぞ!」



休憩地跡地に向け走り逃げ出すフミヤ達、

追いかけるドゥーテッツウルフ。
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