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トーレムグレイグは今日も活気づく

LV105 勇者パーティーVS太古の魔王

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*ヴィオラはメガヒールを唱えた。
*フミヤは回復した。
*フミヤの瀕死耐性がLV8に上がった。

「あー毎度、毎度、なんで死にかけるのだろうか。」
フミヤの口から愚痴がこぼれる。
「すまんのぅフミヤ、後の事まで 考えておらなんだ。」
ベレッタが笑いながらフミヤに話しかける。
「おまえ、今日の夕飯《ゆうはん》なしだからな。」
そんなベレッタを冷たくあしらうフミヤ。
「それは殺生なのだフミヤ、一応助けたではないか?」
「ふん、知らね。」
「ううう、ひどいのだ。」

その時、
「はああああ!」
「ぬ!」
突如、ライガがベレッタに襲い掛かった。
既《すんで》の所、ヒラっと躱したベレッタ。
「何をするのだ。」

「いや、強いヤツには目がなくてね。」
ライガは闘志むき出しで、ベレッタを挑発する。
「太古の魔王さんよ、俺とも一戦してもらえないかな?」

「ハハハ、小《こ》っぱめ。良かろう、かかってくるがよい。」
ベレッタも意外と乗り気でライガに答える。

「それはいい案だ、我らも近く魔王討伐に行く身、
是非 ベレッタ殿に胸を借りよう。」
ダンも続けてライガに賛同する。

「おー、こいこい。遊んでやろう。」
ベレッタは喜んでいる。

「こんな実践めったにないからの。」
「同感です。」
続いて ラオ老、ファリスも賛成。
「ヴィオラは少し見てて。」
イルイルもヴィオラにそう伝えると ベレッタを前に臨戦態勢に入る。

「ん?」
ヴィオラは何故か分からなかったが、
勇者パーティーはヴィオラ抜きで戦う理由があった。
ヴィオラはベレッタに近い力を既に持っている。
ヴィオラを加え、ベレッタと戦ったならば
十中八九、勇者達の勝利だと誰もが分かっていたのだ。

ヴィオラ抜きで、どれだけ太古の魔王に対抗できるかが、
勇者パーティーにとって一番の試練だった。

「まずは主からかのう。」
ベレッタは高速の動きでライガの前に立ち、
右拳を繰り出したが、突如として盾に弾かれる。
ベレッタの攻撃よりも早く、ダンがライガとの間に
割ってはいり防御したのだ。

*ダンは【追撃する防御】を使用している。

「む、これに反応するとは。」
ベレッタは空に飛びあがり、離れて距離を取る
ファリスに魔法を放とうとしている。

「これはどうかのぅ。」
ベレッタの手に魔力が集まっていく。
*ベレッタは【破球】を放った。
強大な魔力の玉がファリスに向かい飛んで行く。

「私にそれは効きませんわよ。」
*ファリスは プ・ロフタ・イラー・フォーザ(開くゲート強)を唱えた。
ファリスの前に巨大な輝く魔法陣が浮き出ると
【破球】吸収する。

「ぬ、転移魔法か。」
「おい、俺は放置かよ。」
ライガが、跳躍しベレッタを地上に蹴り落とす。
「痛《い》てて、おまえ早いのぅ。」
「まだまだこれからだぜ、魔王さん。」
地上に降り立ったベレッタとライガは激しい肉弾戦を
繰り広げている。

「あいつらすごいな。」
フミヤは勇者パーティーの強さに見とれていた。
「ライガは 肉弾戦なら私より強いよ。」
ヴィオラはフミヤと一緒に戦いを観戦している。

ライガが近距離攻撃で、時間を稼いでる間に 
ラオ老は地面に魔法陣書くと、召喚魔法を詠唱していた。

「飲めや踊れや、鬼達よ。
今宵は宴ぞ、飲みほせよ。
出るは赤か青なのか。はたまた別の何かかな。」
*【猛る赤鬼】が現れた。
荒れ狂う赤鬼がベレッタに襲い掛かる。

「久々に手ごたえのある者との闘いは心躍るのぅ。」
勇者パーティーの猛攻撃の中、
ベレッタは尚も楽しそうに笑っていた。
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