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前途遼遠

LV258 意地の張り合い

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 キジョン草原 トーレムグレイグを出てすぐに位置する広大な草原で、フミヤ達が以前からよく訪れていた場所である。西のイチカの森、東のゴイス湖、北のクオ平原までの一帯を全てこのキジョン草原が占めている。キジョン草原は南にもやや広がっており、そこを抜けるとレイキギス浜という海岸に出る。レイキギス浜の東には橋が架かっており、サウス大陸へと続く。サウス大陸にある最南端にはワイへ修道院があるのだ。


 以前、この草原でタケルとブリズエラは戦いタケルは闇落ちした。そして、今回タケルはブリズエラとの再戦を果たすべく、キジョン草原の中心部でブリズエラを待つ。

「今度こそ僕があの魔王を倒してやる!」

 タケルは草原で座禅をし、集中力を高めていた。

 *タケルは瞑想している。

 タケルの暗黒闘気が瞑想により研ぎ澄まされていく。

 *タケルは瞑想している。

 *タケルは瞑想している。

 *……。

「何故来ない?」

 すでに日が落ち夜となる頃、タケルは気付く。

 *ブリズエラは瞑想している。

 *ブリズエラは瞑想している。

「…………様、ブリズエラ様」

「やかましいぞ、タナカ!」

「行かなくて良いのですか?」

「何故、俺様が行ってやらねばならんのだ! アイツが来ればいい」
 
 意地の張り合いである。

 互いが互いを待つ状態がすでに夜まで続いている。進展する様子のない二人の意地の張り合いに「しばらく続くであろう」と、トーレムグレイグ王とレイモンドは帰ってしまう。結局、この状態が次の日まで続く事になるのだが……。

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