母校に就職したら指導教官が大好きだった先生でした

風花鳴海

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6 明るい明日へ

擬似親子

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「あ!ね!背中流しあいっこしません?」
急に里見先生が言い出す。
「一回やってみたかったんですよ、流しあいっこ。3人いれば、三角になればできません?」
「里見先生、本当にあなた、笹生さんとどっちが子どもかわからないわね」
もうわたし、高校生なので、子どもではないと思いますが。
「ね、笹生さん、いいでしょ?こうやって」
ぐるっと寮長先生の背中のほうにからだを向けられる。
「笹生さんが寮長先生の背中をあらって、わたしが笹生さんを洗うので、寮長先生わたしの背中洗ってください」
もう、しょうがないわねー、と言いながら、寮長先生が里見先生の背中を洗い始めたので、仕方なくわたしも寮長先生の背中を洗う。
「笹生さん。もっと甘えて良いんだよ」
不意に背中越しに里見先生が優しい声で語りかけてきた。
「寮では、寮長先生がお母さんで、わたしと廣瀬先生がお姉ちゃん。笹生さんは一年生だから、末っ子ちゃん。お姉ちゃんも、お母さんも、末っ子ちゃんがかわいくて仕方ないの」
ゴシゴシ。背中を洗う音だけが響く。
「頼りないお姉ちゃんだけど、愛情だけは負けないからね」
寮長先生までそんなことを言う。
「じゃ、流すか」
シャワーでジャーってお湯をかけられる。気持ち良い。
「いつもいい子でいるのも、つまんないもんね。たまにはイタズラやって、反省文書かされるのも末っ子ちゃんの役得だから」
「里見先生は、ま、教師のなかでは末っ子ちゃんだから、反省文毎日書いてるってわけね」
「寮長先生それちょっと意地悪です」
2人がふふふって笑う。
「笹生さん、約束して。もう二度と里見先生が心配するようなことはしないで。里見先生が反省文!って言うだけですむようなイタズラだけにしてちょうだい」
寮長先生に言われてうなづく。
「はい。もうしません」
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