伝説の冒険者の息子は最強テイマーになったそうです

いいたか

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第十二話

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この冒険者ギルドは入りたくないなぁ…。
でも、行くしかないんだよね。

勇気を出して一歩ずつ扉に近付くと、殿下が肩を叩いて来た。
振り向くと殿下は微笑みただ一言だけ

「大丈夫さ」

と声を掛けてくれた。
そして、中に入るとギルド内は怒号が飛び交っており、決して冷静だと思える状態になかった。

「オメェらはCランクなんだから黙って俺のいう事聞いてろや!!!」

「こっちにはこっちのやり方あんだよ! てめぇこそ黙ってろよ!!!」

無視して僕達は受付へと向かった。

「アンタ、あの時のテイマーでしょ? 忙しいから帰ってくんない?」

「僕達はフィーネの街の冒険者です。 応援に来ました」

「テイマー如きに何が出来るって言うのよ! それにツレは落ちこぼれのFランクでしょう? アンタらみたいな奴に救援を求める程私達は落ちぶれてなんかないのよ!」

ここで言い負けては前と変わらないなぁ。
でも、なんでこんな人達のせいで怒らないといけないのか分からない。

「ほう、お前がここの受付か。 ガイロリュートは酷いな。 しっかりと報告しなければいけない様だな」

殿下が発する声はいつもより低くドスが効いている。
もしかして、怒ってる?

「はぁ? アンタ、周りを見てみなさいよ。 落ちこぼれの分際でナメた口叩いてるんじゃないわよ」

確かに周りの目は冷ややかで、いつ僕達が追い出されても仕方ない様な感覚だ。

「それがここのやり方だというのなら分かった。 このギルドの横暴な態度はこのアリエス・アルディバスが魔道具にしっかりと記録させてもらった。 この件は父上と領主、ならびにギルド本部へと報告させてもらう」

「お、王族!? も、申し訳ございません! ですがコイツはテイマーで…!」

「彼はフィーネの冒険者ギルドでBランク冒険者になるほどの実力者だ。 それに暫定Aランクだ。 我が姉上にも覚えがある。 そして、かの最強冒険者パーティのアビス老師の弟子であり、賢者の血を引く彼をこれ以上侮辱する事はこの私が許さぬ!」

ギルド内に響き渡る殿下の声、そして静まるギルド内。

「賢者の血って…まさか!」

「彼は聖女殿の息子だ。 マルク、戦力になる従魔を出してはくれないか?」

「は、はい!」

『主様、ここの者達を斬る許可を頂けませんか?』

『実験台にもならなそうな貧弱なのしか居ないじゃない。 死体は要らないわね』

『ケラケラ…テキハスベテ…』

「ちょちょ! 皆、駄目だよ! ここで無駄に体力を使ったら外の魔物倒す体力無くなっちゃうじゃないか!」

「マルク…心配するところはそこではないんだが?」

あ、そうだった。 つい…。

『確かにそれもそうですな。 死者の宮殿の魔物に単騎で挑み、その全てを打ち負かし従魔にする様な主様ですからな。 この程度の雑兵なら魔法の一発でしょうから我々は手を下すまでもない』

「いや、だから! そんな事しないよ!?」

「マルク、お前も規格外だが…。 お前の従魔達も規格外過ぎるだろう。 どれも通常個体じゃないなんて…。 まぁ良い。 ここのギルドは我々の救援を無視したものとして、私の権限においてこのギルドに対しての救援は行わないこととする!」

「…」

黙り込んだ受付嬢。
しかしその目には恨みや憎しみが籠っていた。

「マルク、街の住民を避難させつつ魔物を殲滅するぞ」

「はい!」

『久々の血肉溢れる戦は心が猛りますな!』

『これだから戦闘狂はキライなのよ。 マルク、避難経路を算出してそこに近寄れない様に罠を仕掛けたわ。 あとはこの馬鹿二人に任せてれば安全に終わるわね』

流石過ぎるよ。

「との事だ、行くぞマルク!」

「は、はい!」

何か重要な物を見落としている気がして、僕の心が一瞬暗くなった。
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