122 / 567
第122話 シャルル巻き
しおりを挟む
「シャルル様、生地が出来ました!」
お母さん達に“あかべりーシャルル”を試食してもらった翌日、僕とトリスお姉ちゃんは再び厨房に来ています。
「“あかべりーシャルル”の生地を1段分より少し薄い厚みで長方形に広く作りましたが、今度はこれをどうされるのですか?」
「“あかべりーシャルル”を領都で流行らせるには手間が掛かるから、それの簡易版ってところかな…」
「簡易版ですか…」
「それじゃあ、え~と生地一枚がこの大きさなら…、半分に切ってくれるかな」
「それからこの前みたいにクリームを塗って…」
僕が説明をしていくと、その通りにフランお姉ちゃんが作っていきます。
「こ、これは…」
「これなら、クリームを塗る回数も内側に1回で済むし、“あかべりー”も薄く切る必要もなくなるでしょ」
「確かに…、クリームを塗って果実を並べて巻くだけなので手間もかからず簡単ですし、価格も抑えられそうです」
「中に入れる果実も変えられるし、切り分ける大きさも調整し易いでしょ」
「そんなことまで考えておられるなんて…」
「これなら絶対流行りますよ!」
「シャルル様すごいです。こんな形になるなんて…」
「じゃあ、今日は早速お母さんのところに持って行ってみようか」
「「「はい」」」
XX XY
コンコン、コン…。
ガチャ…。
「お母さん、今いいかな?」
『どうしたのシャルル?』
「うん、昨日の“あかべりーシャルル”の簡易版を作ったから持ってきたんだ…」
そう話しながら僕たち4人は執務室に入ります。
『これがそう? ずいぶん形が変わりましたね』
「ルーシャ様、これなら絶対領都でも流行りますから!」
『まぁまぁ、トリス落ち着いて…』
フランお姉ちゃんに切り別けてもらってみんなで試食です。
『まぁ、なんて見た目もかわいいの…』
「本当ですね。クリームが渦を巻いているようです」
「これなら手間も掛かりませんでした」
「シャルル様がおっしゃるには果実も変えて入れるだけでいろんな味が楽しめるそうです」
『そうね。ロッキの言う通りだわ。果実が変えられたらお店によっていろんな変化が出てきそうね』
『これなら領都以外でも都市によって特色が出せるわね』
「ねぇ、食べてみてよ」
『そ、そうでした』
パクリ…。
お母さんが食べ始めると、他のお姉ちゃん達も食べ始めます。
『とっても美味しいわ~』
「ふんわりした生地に、たっぷりのクリームが最高です」
「昨日のとは違って、クリームを分けて塗る必要がないから、少し厚めに塗ってあるんだよ」
「シャルル様、さすがです。この巻いてある形にぴったりの分量ですね」
「“あかべりー”もゴロッと入っているので、クリームの甘さに負けていませんよ」
「良かったぁ、皆が喜んでくれて…。昨日とは同じ材料だけど、食感が変わるとまた違った味に感じるよね」
『シャルル、これはお菓子の革命ですよ』
「お母さん、大袈裟だよ」
「シャルル様、これは本当にありそうでなかった発想ですよ」
「フランお姉ちゃんまで…」
「では、後は名前ですね…。トリス…、何かある?」
「これも形にシャルル様の名前を付けて、“シャルル巻き”でいいのではないでしょうか」
「使っている果実の名前を前に付ければ簡単に変えられますし」
「悔しいですが、なかなか良いことを言いますね」
『では、この形を“シャルル巻き”としたら、これは“あかべりーのシャルル巻き”と言うわけですね』
「はい」
『では、暖かくなった頃に領都の広場で発表会をしましょう。フランの調理方法を公開する必要はありませんが、生地の厚みやクリームを塗って果実の入れ方などを教えられるようにしておいてください』
『当日は領民に無料で試食してもらいますので、ある程度の個数は作っておいてくださいね』
「はい、ロッキに“あかべりー”を仕入れてもらって個数を検討します」
「厨房担当者全員で作れば、2日で100個は作れると思います」
『1個で8人分は取れそうだから、800人分もあれば試食としては十分だわ』
『後は領民が工夫していくことでしょう』
「各都市長にも知らせて、領内で一気に流行らせないとダメですね」
『そうね、シエラ、頼みますね』
「はい、領内にシャルル様のお名前が知れ渡るようにします」
またしても、僕が何も言わない間に話が片付いてしまいました。
美味しいと喜んでもらえるのは良いですが、なんだか恥ずかしい気もします。
お母さん達に“あかべりーシャルル”を試食してもらった翌日、僕とトリスお姉ちゃんは再び厨房に来ています。
「“あかべりーシャルル”の生地を1段分より少し薄い厚みで長方形に広く作りましたが、今度はこれをどうされるのですか?」
「“あかべりーシャルル”を領都で流行らせるには手間が掛かるから、それの簡易版ってところかな…」
「簡易版ですか…」
「それじゃあ、え~と生地一枚がこの大きさなら…、半分に切ってくれるかな」
「それからこの前みたいにクリームを塗って…」
僕が説明をしていくと、その通りにフランお姉ちゃんが作っていきます。
「こ、これは…」
「これなら、クリームを塗る回数も内側に1回で済むし、“あかべりー”も薄く切る必要もなくなるでしょ」
「確かに…、クリームを塗って果実を並べて巻くだけなので手間もかからず簡単ですし、価格も抑えられそうです」
「中に入れる果実も変えられるし、切り分ける大きさも調整し易いでしょ」
「そんなことまで考えておられるなんて…」
「これなら絶対流行りますよ!」
「シャルル様すごいです。こんな形になるなんて…」
「じゃあ、今日は早速お母さんのところに持って行ってみようか」
「「「はい」」」
XX XY
コンコン、コン…。
ガチャ…。
「お母さん、今いいかな?」
『どうしたのシャルル?』
「うん、昨日の“あかべりーシャルル”の簡易版を作ったから持ってきたんだ…」
そう話しながら僕たち4人は執務室に入ります。
『これがそう? ずいぶん形が変わりましたね』
「ルーシャ様、これなら絶対領都でも流行りますから!」
『まぁまぁ、トリス落ち着いて…』
フランお姉ちゃんに切り別けてもらってみんなで試食です。
『まぁ、なんて見た目もかわいいの…』
「本当ですね。クリームが渦を巻いているようです」
「これなら手間も掛かりませんでした」
「シャルル様がおっしゃるには果実も変えて入れるだけでいろんな味が楽しめるそうです」
『そうね。ロッキの言う通りだわ。果実が変えられたらお店によっていろんな変化が出てきそうね』
『これなら領都以外でも都市によって特色が出せるわね』
「ねぇ、食べてみてよ」
『そ、そうでした』
パクリ…。
お母さんが食べ始めると、他のお姉ちゃん達も食べ始めます。
『とっても美味しいわ~』
「ふんわりした生地に、たっぷりのクリームが最高です」
「昨日のとは違って、クリームを分けて塗る必要がないから、少し厚めに塗ってあるんだよ」
「シャルル様、さすがです。この巻いてある形にぴったりの分量ですね」
「“あかべりー”もゴロッと入っているので、クリームの甘さに負けていませんよ」
「良かったぁ、皆が喜んでくれて…。昨日とは同じ材料だけど、食感が変わるとまた違った味に感じるよね」
『シャルル、これはお菓子の革命ですよ』
「お母さん、大袈裟だよ」
「シャルル様、これは本当にありそうでなかった発想ですよ」
「フランお姉ちゃんまで…」
「では、後は名前ですね…。トリス…、何かある?」
「これも形にシャルル様の名前を付けて、“シャルル巻き”でいいのではないでしょうか」
「使っている果実の名前を前に付ければ簡単に変えられますし」
「悔しいですが、なかなか良いことを言いますね」
『では、この形を“シャルル巻き”としたら、これは“あかべりーのシャルル巻き”と言うわけですね』
「はい」
『では、暖かくなった頃に領都の広場で発表会をしましょう。フランの調理方法を公開する必要はありませんが、生地の厚みやクリームを塗って果実の入れ方などを教えられるようにしておいてください』
『当日は領民に無料で試食してもらいますので、ある程度の個数は作っておいてくださいね』
「はい、ロッキに“あかべりー”を仕入れてもらって個数を検討します」
「厨房担当者全員で作れば、2日で100個は作れると思います」
『1個で8人分は取れそうだから、800人分もあれば試食としては十分だわ』
『後は領民が工夫していくことでしょう』
「各都市長にも知らせて、領内で一気に流行らせないとダメですね」
『そうね、シエラ、頼みますね』
「はい、領内にシャルル様のお名前が知れ渡るようにします」
またしても、僕が何も言わない間に話が片付いてしまいました。
美味しいと喜んでもらえるのは良いですが、なんだか恥ずかしい気もします。
12
あなたにおすすめの小説
扱いの悪い勇者パーティを啖呵切って離脱した俺、辺境で美女たちと国を作ったらいつの間にか国もハーレムも大陸最強になっていた。
みにぶた🐽
ファンタジー
いいねありがとうございます!反応あるも励みになります。
勇者パーティから“手柄横取り”でパーティ離脱した俺に残ったのは、地球の本を召喚し、読み終えた物語を魔法として再現できるチートスキル《幻想書庫》だけ。
辺境の獣人少女を助けた俺は、物語魔法で水を引き、結界を張り、知恵と技術で開拓村を発展させていく。やがてエルフや元貴族も加わり、村は多種族共和国へ――そして、旧王国と勇者が再び迫る。
だが俺には『三国志』も『孫子』も『トロイの木馬』もある。折伏し、仲間に変える――物語で世界をひっくり返す成り上がり建国譚、開幕!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
異世界から元の世界に派遣された僕は他の勇者たちとは別にのんびり暮らします【DNAの改修者ー外伝】
kujibiki
ファンタジー
異世界で第二の人生の大往生を迎えた僕は再びあの場所へ飛ばされていた。
※これは『DNAの改修者』のアフターストーリーとなります。
『DNAの改修者』を読まなくても大丈夫だとは思いますが、気になる方はご覧ください。
※表紙は生成AIで作ってみたイメージです。(シャルルが難しい…)
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
女神を怒らせステータスを奪われた僕は、数値が1でも元気に過ごす。
まったりー
ファンタジー
人見知りのゲーム大好きな主人公は、5徹の影響で命を落としてしまい、そこに異世界の女神様が転生させてくれました。
しかし、主人公は人見知りで初対面の人とは話せず、女神様の声を怖いと言ってしまい怒らせてしまいました。
怒った女神様は、次の転生者に願いを託す為、主人公のステータスをその魂に譲渡し、主人公の数値は1となってしまいますが、それでも残ったスキル【穀物作成】を使い、村の仲間たちと元気に暮らすお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる