DNAの改修者

kujibiki

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第122話 シャルル巻き

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「シャルル様、生地が出来ました!」

お母さん達に“あかべりーシャルル”を試食してもらった翌日、僕とトリスお姉ちゃんは再び厨房に来ています。

「“あかべりーシャルル”の生地を1段分より少し薄い厚みで長方形に広く作りましたが、今度はこれをどうされるのですか?」

「“あかべりーシャルル”を領都で流行らせるには手間が掛かるから、それの簡易版ってところかな…」

「簡易版ですか…」

「それじゃあ、え~と生地一枚がこの大きさなら…、半分に切ってくれるかな」
「それからこの前みたいにクリームを塗って…」

僕が説明をしていくと、その通りにフランお姉ちゃんが作っていきます。

「こ、これは…」

「これなら、クリームを塗る回数も内側に1回で済むし、“あかべりー”も薄く切る必要もなくなるでしょ」

「確かに…、クリームを塗って果実を並べて巻くだけなので手間もかからず簡単ですし、価格も抑えられそうです」

「中に入れる果実も変えられるし、切り分ける大きさも調整し易いでしょ」

「そんなことまで考えておられるなんて…」

「これなら絶対流行りますよ!」

「シャルル様すごいです。こんな形になるなんて…」

「じゃあ、今日は早速お母さんのところに持って行ってみようか」

「「「はい」」」



XX XY



コンコン、コン…。
ガチャ…。
「お母さん、今いいかな?」

『どうしたのシャルル?』

「うん、昨日の“あかべりーシャルル”の簡易版を作ったから持ってきたんだ…」

そう話しながら僕たち4人は執務室に入ります。

『これがそう? ずいぶん形が変わりましたね』

「ルーシャ様、これなら絶対領都でも流行りますから!」

『まぁまぁ、トリス落ち着いて…』

フランお姉ちゃんに切り別けてもらってみんなで試食です。



『まぁ、なんて見た目もかわいいの…』

「本当ですね。クリームが渦を巻いているようです」

「これなら手間も掛かりませんでした」

「シャルル様がおっしゃるには果実も変えて入れるだけでいろんな味が楽しめるそうです」

『そうね。ロッキの言う通りだわ。果実が変えられたらお店によっていろんな変化が出てきそうね』
『これなら領都以外でも都市によって特色が出せるわね』

「ねぇ、食べてみてよ」

『そ、そうでした』

パクリ…。
お母さんが食べ始めると、他のお姉ちゃん達も食べ始めます。

『とっても美味しいわ~』

「ふんわりした生地に、たっぷりのクリームが最高です」

「昨日のとは違って、クリームを分けて塗る必要がないから、少し厚めに塗ってあるんだよ」

「シャルル様、さすがです。この巻いてある形にぴったりの分量ですね」

「“あかべりー”もゴロッと入っているので、クリームの甘さに負けていませんよ」

「良かったぁ、皆が喜んでくれて…。昨日とは同じ材料だけど、食感が変わるとまた違った味に感じるよね」

『シャルル、これはお菓子の革命ですよ』

「お母さん、大袈裟だよ」

「シャルル様、これは本当にありそうでなかった発想ですよ」

「フランお姉ちゃんまで…」

「では、後は名前ですね…。トリス…、何かある?」

「これも形にシャルル様の名前を付けて、“シャルル巻き”でいいのではないでしょうか」
「使っている果実の名前を前に付ければ簡単に変えられますし」

「悔しいですが、なかなか良いことを言いますね」

『では、この形を“シャルル巻き”としたら、これは“あかべりーのシャルル巻き”と言うわけですね』

「はい」

『では、暖かくなった頃に領都の広場で発表会をしましょう。フランの調理方法を公開する必要はありませんが、生地の厚みやクリームを塗って果実の入れ方などを教えられるようにしておいてください』

『当日は領民に無料で試食してもらいますので、ある程度の個数は作っておいてくださいね』

「はい、ロッキに“あかべりー”を仕入れてもらって個数を検討します」
「厨房担当者全員で作れば、2日で100個は作れると思います」

『1個で8人分は取れそうだから、800人分もあれば試食としては十分だわ』
『後は領民が工夫していくことでしょう』

「各都市長にも知らせて、領内で一気に流行らせないとダメですね」

『そうね、シエラ、頼みますね』

「はい、領内にシャルル様のお名前が知れ渡るようにします」

またしても、僕が何も言わない間に話が片付いてしまいました。
美味しいと喜んでもらえるのは良いですが、なんだか恥ずかしい気もします。
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