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第二話 牡牛座の闘士スバル
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「おーい、アベル~、ヤギたちはこっちに誘導してくれ~」
スバルの野太い声が広く緩やかな傾斜の草むらに響き渡る。
「はいよー、ほれシャルロットいくぞ」
アベルは番犬と一緒に多くのヤギたちを誘導しだす。
スバルやアベルらは広大なユーラシアの大地を放牧して生活する若者たちだ。
スバルは巨漢であり、腕っぷしも強いがおおらかで豪放磊落な性格ではあるが
弱い者いじめは大嫌いで争いごとは好まず、このようにヤギや牛を引き連れて
大地と共に過ごすこの仕事は天職と考えている。
少なくとも都会での会社務めや工場で指示通りにあくせく働く仕事は合わない
と考えている。
その時、アベルと怒声とシャルロットの唸る声が聞こえてきた。
「スバルも来てくれ、大変だ!」
アベルの声が響き渡る。
スバルは
(なんだなんだ、熊かオオカミでも現れたか?)
と思いながら、護身武器の大きな棍棒を携えていく。
アベルも護身術に長けていて、さらに拳銃を持っているし、シャルロットをリー
ダーにする四匹の番犬たちは普段は温和ながら家畜を脅かす熊やオオカミに対して
は一歩も引かず熊一匹なら四匹で協力して撃退できるくらいの訓練はされている。
だからアベルが牛の世話でいっぱいいっぱいなスバルまで呼びつけるのは異例だ。
(オオカミが十頭以上ででも現れたか?)
と思いながら駆けつけるとスバルも事の事態をすぐに理解した。
「何だ?こいつは・・・?」
見ると大きな熊が一匹いる。
いや、ただの一匹のオスのヒグマ程度ならアベルと番犬たちで余裕で撃退可能だ。
しかしこの熊は異様にデカくて恐らく立ち上がると4m以上にもなりそうな巨体
で600㎏以上ありそうないくらヒグマでも類を見ない大きさの上に目付きが異様
なのだ。
何というかもう狂乱的な感じでまがまがしい狂気に満ちている。危険だ。
「もう、いかん!」
アベルが拳銃を奴の眉間めがけて打とうとした。
「あ、やめろ!」
スバルは懸命に止めたが、緊張と興奮でいたアベルは一発ぶっぱなった。
それは確かに熊の顔面に命中し、熊は少しよろめいたが、致命傷には全くならず、
「フーっ!」
とさらにに怒りに満ちた表情になるとこちらに向かって襲い掛かってきた。
アベルが拳銃を連打するが、当たってもダメージは対して与えていないようで、
ひるまずに突進してくる。
番犬たちも熊に向かって吠えて飛び掛かろうとするが、勇敢にも果敢に飛び掛かっ
た最初の一頭は熊の前足の一撃で簡単に吹き飛ばされ
「キャイーン!」
と言う悲鳴と共に数m先にたたきつけられ悶絶した。
「シャルロット、引け!」
リーダー犬にスバルは命じると
「うおーー、よくも仲間を傷つけてくれたな~」
と棍棒を持って巨大クマに突進していく。
「おい、いくらスバルでも無茶だ!」
アベルが止めるが、スバルは我を忘れながら、アベルや番犬たち、そしてヤギたち
をみんな俺が守らねば!と決死で熊に向かっているうちに天から不思議な光が自分の
体に降り注ぎ、今まで感じたことのない活力とものすごい力を得た気がした。
「ぬおーーー!」
まず渾身の力で棍棒を巨大クマの顔面に殴りつけると、熊はその衝撃に面くらい、よ
ろめいていたが、さらに怒り心頭の感じですぐにスバルに巨大な腕を振り下ろそうと
する。
「危ない!」
アベルが叫び、思わず目をつぶるが、
「へへってんだ~」
何とスバルは自らの腕で熊の前足を受け止めると
「てめーとは肉弾戦で片を付けてやるぜ!」
と空いている左手で正拳突きを熊の顔面に放つと
「グギャー!!」
と流石の化け物熊も悶絶してひるむ。
その顔面や腹にスバルは
「そらそらそら」
と打撃を乱れ打ちする。
「シャっ!」
劣勢になった熊が前足を払うとスバルの肩にひっかき傷を与える。
「いてーな!だがこれくらいのダメージは覚悟しねーといけねーか!」
とスバルは多少のダメージは覚悟とさらに熊の懐に潜り込んで
「ダダダダ!」
っと拳を連打し、ついに熊はひっくり返って仰向けになった。
「この野郎、行くぜ!」
スバルは何と600㎏はあろうかというその巨大クマを
「ふんぬ!」
と抱え上げると
「でやーっ!」
っと10m先にあった巨大な岩にたたきつけた。
「グギャー!」
と言う熊の叫びが聞こえたが、その瞬間に巨大クマは姿を消した。
「何?」
驚くスバルの頭上から急に暗闇が沸き起こりその中央から
「お前がどうやら選ばれし牡牛座の闘士スバルのようだな。我は獣神キメイラだ。い
ずれ貴様の命はジャスティスとの全面戦争の際に我が軍が貰い受けてやろう。精々、
それまでの命を楽しんで過ごすんだな、ワハハ」
とドスの利いた声がしたかと思うとそれも言い終わるとすぐに消えて、あたりは元の
穏やかな草むらの景色になった。
「・・・」
「凄かったな、スバル!お前、本当に人間じゃねーよな」
とアベルが呼びかけて来るがスバルは頭の中で今までなかったものを急に思い出した
ような気がした。
(俺の宿命とは?)
「な、とりあえず今日はヤギや牛たちを戻そうぜ」
「ああ、そうだな・・・」
我に返ってスバルは仕事に戻ったが、何やら胸騒ぎがしていくのを止めることは出来
ずにいたのだ。
<完>
スバルの野太い声が広く緩やかな傾斜の草むらに響き渡る。
「はいよー、ほれシャルロットいくぞ」
アベルは番犬と一緒に多くのヤギたちを誘導しだす。
スバルやアベルらは広大なユーラシアの大地を放牧して生活する若者たちだ。
スバルは巨漢であり、腕っぷしも強いがおおらかで豪放磊落な性格ではあるが
弱い者いじめは大嫌いで争いごとは好まず、このようにヤギや牛を引き連れて
大地と共に過ごすこの仕事は天職と考えている。
少なくとも都会での会社務めや工場で指示通りにあくせく働く仕事は合わない
と考えている。
その時、アベルと怒声とシャルロットの唸る声が聞こえてきた。
「スバルも来てくれ、大変だ!」
アベルの声が響き渡る。
スバルは
(なんだなんだ、熊かオオカミでも現れたか?)
と思いながら、護身武器の大きな棍棒を携えていく。
アベルも護身術に長けていて、さらに拳銃を持っているし、シャルロットをリー
ダーにする四匹の番犬たちは普段は温和ながら家畜を脅かす熊やオオカミに対して
は一歩も引かず熊一匹なら四匹で協力して撃退できるくらいの訓練はされている。
だからアベルが牛の世話でいっぱいいっぱいなスバルまで呼びつけるのは異例だ。
(オオカミが十頭以上ででも現れたか?)
と思いながら駆けつけるとスバルも事の事態をすぐに理解した。
「何だ?こいつは・・・?」
見ると大きな熊が一匹いる。
いや、ただの一匹のオスのヒグマ程度ならアベルと番犬たちで余裕で撃退可能だ。
しかしこの熊は異様にデカくて恐らく立ち上がると4m以上にもなりそうな巨体
で600㎏以上ありそうないくらヒグマでも類を見ない大きさの上に目付きが異様
なのだ。
何というかもう狂乱的な感じでまがまがしい狂気に満ちている。危険だ。
「もう、いかん!」
アベルが拳銃を奴の眉間めがけて打とうとした。
「あ、やめろ!」
スバルは懸命に止めたが、緊張と興奮でいたアベルは一発ぶっぱなった。
それは確かに熊の顔面に命中し、熊は少しよろめいたが、致命傷には全くならず、
「フーっ!」
とさらにに怒りに満ちた表情になるとこちらに向かって襲い掛かってきた。
アベルが拳銃を連打するが、当たってもダメージは対して与えていないようで、
ひるまずに突進してくる。
番犬たちも熊に向かって吠えて飛び掛かろうとするが、勇敢にも果敢に飛び掛かっ
た最初の一頭は熊の前足の一撃で簡単に吹き飛ばされ
「キャイーン!」
と言う悲鳴と共に数m先にたたきつけられ悶絶した。
「シャルロット、引け!」
リーダー犬にスバルは命じると
「うおーー、よくも仲間を傷つけてくれたな~」
と棍棒を持って巨大クマに突進していく。
「おい、いくらスバルでも無茶だ!」
アベルが止めるが、スバルは我を忘れながら、アベルや番犬たち、そしてヤギたち
をみんな俺が守らねば!と決死で熊に向かっているうちに天から不思議な光が自分の
体に降り注ぎ、今まで感じたことのない活力とものすごい力を得た気がした。
「ぬおーーー!」
まず渾身の力で棍棒を巨大クマの顔面に殴りつけると、熊はその衝撃に面くらい、よ
ろめいていたが、さらに怒り心頭の感じですぐにスバルに巨大な腕を振り下ろそうと
する。
「危ない!」
アベルが叫び、思わず目をつぶるが、
「へへってんだ~」
何とスバルは自らの腕で熊の前足を受け止めると
「てめーとは肉弾戦で片を付けてやるぜ!」
と空いている左手で正拳突きを熊の顔面に放つと
「グギャー!!」
と流石の化け物熊も悶絶してひるむ。
その顔面や腹にスバルは
「そらそらそら」
と打撃を乱れ打ちする。
「シャっ!」
劣勢になった熊が前足を払うとスバルの肩にひっかき傷を与える。
「いてーな!だがこれくらいのダメージは覚悟しねーといけねーか!」
とスバルは多少のダメージは覚悟とさらに熊の懐に潜り込んで
「ダダダダ!」
っと拳を連打し、ついに熊はひっくり返って仰向けになった。
「この野郎、行くぜ!」
スバルは何と600㎏はあろうかというその巨大クマを
「ふんぬ!」
と抱え上げると
「でやーっ!」
っと10m先にあった巨大な岩にたたきつけた。
「グギャー!」
と言う熊の叫びが聞こえたが、その瞬間に巨大クマは姿を消した。
「何?」
驚くスバルの頭上から急に暗闇が沸き起こりその中央から
「お前がどうやら選ばれし牡牛座の闘士スバルのようだな。我は獣神キメイラだ。い
ずれ貴様の命はジャスティスとの全面戦争の際に我が軍が貰い受けてやろう。精々、
それまでの命を楽しんで過ごすんだな、ワハハ」
とドスの利いた声がしたかと思うとそれも言い終わるとすぐに消えて、あたりは元の
穏やかな草むらの景色になった。
「・・・」
「凄かったな、スバル!お前、本当に人間じゃねーよな」
とアベルが呼びかけて来るがスバルは頭の中で今までなかったものを急に思い出した
ような気がした。
(俺の宿命とは?)
「な、とりあえず今日はヤギや牛たちを戻そうぜ」
「ああ、そうだな・・・」
我に返ってスバルは仕事に戻ったが、何やら胸騒ぎがしていくのを止めることは出来
ずにいたのだ。
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