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報告 れおんside
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周がこの家に来てから1週間。
「村重、報告は?」
「はい。彼の父親が捜索を始めて5日になりますが、向こうはまだ手がかりをつかめていないそうです。それと、今週末に開かれるパーティーに親子3人参加するとの情報が手に入りました。」
「そのパーティー俺も参加するやつだよな。わかった。その時に俺からも探り入れてみる。」
「会長には報告されましたか?」
「あぁ、したよ。好きにしていいってさ。高校も辞めてもいいって。周がいないなら行く意味ないしな。退学手続きしといて。」
俺はこの1週間、周の家の情報を調べていた。周をあんな目に合わせた奴らをどうやって後悔させてやろうか。ということに頭を使っていた。
周から聞けるのが1番いいんだけれど、思い出してパニックになることは避けたい。
「あ、遺骨とかは?どうなった?」
「明日には返却していただけます。少し手続きに手間がかかってしまいまして。」
「わかった。周が喜ぶよ。」
一昨日、勝俣という男に面会にいった。
勝俣と周は籍を入れていないそうだ。
「周くんの母親のことがずっと好きだったんだ。だから彼女と瓜二つの周くんとの結婚を彼の父親から言われた時に二つ返事で了承した。でも、少しの良心が残って籍入れずにいたんだ。まぁ、そんなもの無駄なぐらい彼には酷いことをしたがね。私の遺産はほとんど罰金に取られるだろうが、残ったものは周くんに入るようにしてある。
いつか彼に謝らせてくれ。
それと、あの父親の元には帰さないほうがいい。私ぐらいの年代の奴らの中で周くんは有名なんだ。あの父親は私なんかよりよっぽど黒く染まってる。」
そう言っていた。
知っているさ。あの真っ黒に染まった周の家族、いや、あんなもの家族なんて呼べない。あの3人は許すつもりも見逃すつもりもない。
俺は勝俣も許す気はないが、周と籍を入れずにいてくれたことには感謝しようと思った。
周は何もかもが嫌いと言った。
周には嫌いでいいと言ったが、俺は周のことが大好きだから、ずっと嫌われているのは堪える。
でも、周はその何十倍も辛い思いをしてきたんだ。俺がなにも考えずに生活している頃に、泣いて、苦しんで、お腹を空かせていたんだ。
どうやったら周の笑顔を取り戻せるだろう。そんなことばかり考えている。
今日からは周も普通のご飯を食べることができるから、一緒に食事を取ることを提案してみようか。
拒否されても、罵られても、なにを言われても受け止めよう。
「れおん様、到着しました。」
「ああ。」
周へのサプライズを持って彼の待つ部屋へ戻る。
手に持ったものを一旦リビングに置いて周の部屋へ向かう。
---コンコン
「はい。」
「周、ただいま。」
「・・・うん。」
「今日の昼から普通のご飯食べていいみたいなんだけど、一緒に食べない?」
「一緒に?」
「うん。嫌ならいいよ。周が選んで?」
ニコッ
「食べるよ」
「周、だめ。」
「え、なにが?」
「俺言ったでしょ?周のほんとの笑顔見れるように頑張るって。そんな作り笑いして欲しいわけじゃないから。嫌なら嫌って言っていいから。」
「・・・・・・」
「わかった?」
「別に嫌なわけじゃない。笑ったのは、癖だ。笑えばみんな機嫌良くなるから。」
「俺は笑っても笑ってなくても周がいればそれで嬉しいから。お昼は一緒に食べよう。」
「うん。」
「村重、報告は?」
「はい。彼の父親が捜索を始めて5日になりますが、向こうはまだ手がかりをつかめていないそうです。それと、今週末に開かれるパーティーに親子3人参加するとの情報が手に入りました。」
「そのパーティー俺も参加するやつだよな。わかった。その時に俺からも探り入れてみる。」
「会長には報告されましたか?」
「あぁ、したよ。好きにしていいってさ。高校も辞めてもいいって。周がいないなら行く意味ないしな。退学手続きしといて。」
俺はこの1週間、周の家の情報を調べていた。周をあんな目に合わせた奴らをどうやって後悔させてやろうか。ということに頭を使っていた。
周から聞けるのが1番いいんだけれど、思い出してパニックになることは避けたい。
「あ、遺骨とかは?どうなった?」
「明日には返却していただけます。少し手続きに手間がかかってしまいまして。」
「わかった。周が喜ぶよ。」
一昨日、勝俣という男に面会にいった。
勝俣と周は籍を入れていないそうだ。
「周くんの母親のことがずっと好きだったんだ。だから彼女と瓜二つの周くんとの結婚を彼の父親から言われた時に二つ返事で了承した。でも、少しの良心が残って籍入れずにいたんだ。まぁ、そんなもの無駄なぐらい彼には酷いことをしたがね。私の遺産はほとんど罰金に取られるだろうが、残ったものは周くんに入るようにしてある。
いつか彼に謝らせてくれ。
それと、あの父親の元には帰さないほうがいい。私ぐらいの年代の奴らの中で周くんは有名なんだ。あの父親は私なんかよりよっぽど黒く染まってる。」
そう言っていた。
知っているさ。あの真っ黒に染まった周の家族、いや、あんなもの家族なんて呼べない。あの3人は許すつもりも見逃すつもりもない。
俺は勝俣も許す気はないが、周と籍を入れずにいてくれたことには感謝しようと思った。
周は何もかもが嫌いと言った。
周には嫌いでいいと言ったが、俺は周のことが大好きだから、ずっと嫌われているのは堪える。
でも、周はその何十倍も辛い思いをしてきたんだ。俺がなにも考えずに生活している頃に、泣いて、苦しんで、お腹を空かせていたんだ。
どうやったら周の笑顔を取り戻せるだろう。そんなことばかり考えている。
今日からは周も普通のご飯を食べることができるから、一緒に食事を取ることを提案してみようか。
拒否されても、罵られても、なにを言われても受け止めよう。
「れおん様、到着しました。」
「ああ。」
周へのサプライズを持って彼の待つ部屋へ戻る。
手に持ったものを一旦リビングに置いて周の部屋へ向かう。
---コンコン
「はい。」
「周、ただいま。」
「・・・うん。」
「今日の昼から普通のご飯食べていいみたいなんだけど、一緒に食べない?」
「一緒に?」
「うん。嫌ならいいよ。周が選んで?」
ニコッ
「食べるよ」
「周、だめ。」
「え、なにが?」
「俺言ったでしょ?周のほんとの笑顔見れるように頑張るって。そんな作り笑いして欲しいわけじゃないから。嫌なら嫌って言っていいから。」
「・・・・・・」
「わかった?」
「別に嫌なわけじゃない。笑ったのは、癖だ。笑えばみんな機嫌良くなるから。」
「俺は笑っても笑ってなくても周がいればそれで嬉しいから。お昼は一緒に食べよう。」
「うん。」
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