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大事なもの
「、、ん、、、」
陽の光を感じて目を開けると目の前に整った顔。
そうだ、僕れおんと一緒に寝たんだった。れおん、本当に何もしなかった。
ただ話すだけのあの空間がとても心地よかった。ココはまだ寝ているがトトは僕の顔を舐めて甘えてくるので撫でてやるとゴロゴロと喉を鳴らす。
「トト、おはよ。大好きだよ。」
「・・いいなぁ、俺も言われたい大好きって。」
っ!!!
「れ、れおん、起きてたの?」
「うん。トトに起こされたんだよ。トトのやつさ、朝っぱらから俺の顔の上で大運動会するんだよ?嫌われてるのか好かれてるのか分かんないよ。」
「きっと安全な人かどうか見極めてるんだよ。はなく仲良しになってね。」
「はやく2匹に認められたいよ。」
そうしているうちにココも起きてきて少しの間4人でまったりとした時間を過ごすことができた。
「おはようございます。本日の朝食は量を少なめにしていますが、無理せず食べられる量だけ食べてくださいね?」
そう言ってもらって出された食事を食べていると、
「周、これ、返してもらったからね。」
お母さんの遺骨と遺影をれおんが持ってきてくれた。
「こ、れ、、お母さん、の、、っっ」
「うん。警察に没収されてて取り戻すのに少し時間かかっちゃったんだ。ごめんね遅くなって。」
泣いているから言葉を発せなくてありがとうの意味を込めて首を横に振る。
ありがとう、取り戻してくれてありがとう。僕の大事なものなんだ。
「周の部屋に置いておこうね。」
「っっ、ん、ぅん、れ、れおん、っ、ありがとう、っっ」
「どういたしまして。周にとって大切なものは全部俺のとっても大事だから。一緒に守ろうね。・・・あ、」
ん?れおんの方を見ると、
「俺が周のこと泣かしたと思ってるんだろうな、これ。」
トトとココがれおんを威嚇して噛んだり爪を立てたりしていた。
「トト、ココ、僕嬉しくて泣いてるんだよ。」
そう言って撫でてやるとわかってくれたのかれおんに攻撃するのをやめて僕の膝へ飛び乗ってきた。
「やっぱり2匹に認めてもらうには、まだまだ道のりは長いのか。」
そう言って落ち込むれおんに思わず笑ってしまった。
「////っ!!!!!」
すると急にれおんの顔が真っ赤になった。
「は、、、は、、反則!!急にそんな笑顔見せるの、は!反則です!」
僕が笑ったからこうなったみたい。
「だ、、抱きしめてもいいですか、、」
真剣な目で急に敬語になって言ってくるれおんに、思わず頷くと
---ギュッ
れおんに包み込まれるように抱きしめられた。
「俺、周がそうやって笑顔でいられるように頑張るから、周は俺の横で笑ってて?お願い。」
そう言ってくれたのが嬉しくて恐る恐る僕もれおんの背中に腕を回した。
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