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アルバイト

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「よ、よろしくお願いします!!」

「よろしくね。早速だけど、翔ちゃんと一緒にそこにあるデザイン画を全てファイリングしていってくれる?」

あの日の夜、れおんに翔くんの家に行くことを伝えてアルバイトのことを秘密にしてここに来た。

作業はただただファイルにデザイン画を入れていくんだけど、量が凄すぎる。何百枚もある。

「お母さんはアナログ人間でさ、デザイン画を描いてそのままで、昔のものとかも引っ張り出してきちゃうからこうやって手伝ってあげるの。」

翔くんはお母さんが大好きなんだそうだ。お母さんみたいにデザインをする仕事にも興味があるんだって。
かっこいいな。

「翔くんのデザインした服いつか着てみたいな。」

「それいいね!!周くんなら何着ても似合うもん!!」

「そ、そんなことないよ!服って難しくていつもわかんなくなるんだもん。」

いつもコーディネートはれおんに任せている。自分で選ぶときは同じようなものしか選べない。

れおんには周はまだ選ぶのが苦手だねって言われた。それは僕自身も思う。でも、ご飯とかは麺がいいとかお米がいいとか言えるようになってきたから褒めてもらえる。

「そう言えば、料理の方はどうするの?」

「あ、それは明日彼氏の実家に行くからそこでお義母さんに相談することにしたんだ。」

「お義母さんとも仲良いなんてすごいじゃん!!いつ結婚してもいいね!あ!!!!ねぇ!!結婚式の服を僕がデザインするの良くない!?」

「え!それが叶ったらすごい嬉しいよ!!」

「でしょ!?僕も大好きな友達の大事な服をデザインできるのすごい嬉しいし!!」

「結婚、楽しみだったのがもっと楽しみになった!!」

「じゃあ約束ね!!」

「うん!約束!!!」

友達とする初めての約束。

こんな幸せな約束があるなんて、嬉しすぎてどうにかなりそうなくらいだ。

「約束のためにも彼氏さんの誕生日成功させようね!!!」

「うん!!がんばる!!!」

このアルバイトのお金でれおんに何買うかってのも決めてないんだよな。
何にしよう。れおんが喜ぶものか、、

わからなさすぎる。
歳は一緒だけどもう働いてるし、育ったのもアメリカだから少し価値観とか違うんだろうし。

れおんならきっと何あげても喜んではくれると思う。でも、モノなら毎日使ってもらいたいなって思うし、大切にしてもらいたいから悩んじゃうな。

初めてのアルバイトに緊張してたのに、れおんのプレゼントのことを考えていたらあっという間に時間が過ぎてしまってついに初めてのお給料をもらった。

このお金で、れおんにプレゼントあげるんだ。れおんの誕生日は金曜日だから次の日仕事もない。思いっきり祝ってあげたい。早く来月にならないかな。

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