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18 奏多side
「奏多、朝ごはんだ。」
「うん、ありがとう。」
手術を受けると決め、お父さんと話してからお父さんはずっと病室にいる。
時々秘書の人が書類を持ってきて仕事をしているがそれ以外の時間は僕と話してくれたり勉強を見てくれる。
僕はなんだかむず痒くてどうにも上手く会話を続けられなくて、申し訳なさでいっぱいだ。
「奏多、明日はもう手術だな。心臓治ったら何がしたい?私にできることならなんでも叶える。」
「・・・まだ分かんない。ずっと病院だったから、」
やりたいことより、治るかどうかより気になることが2つある。
退院したら、僕はどこに帰ればいいんだろう。お母さんのいる家に帰ることは難しいと思う。お母さんは僕を許せないと思うから。
もう一つは、退院したらもう先生と会えなくなるのかな。って不安なこと。
診察には来てくれるけど常にお父さんがいるからお互いの気持ちの話はしないし。
「なあ、奏多。手術が成功して退院したら私と暮らさないか?」
「・・・。でも、、、、」
「あの家に戻るんじゃない、私と2人で暮らさないか?」
「え?」
お父さんと2人で、、、、?
「病院の横にあるマンションに部屋を借りている。家に戻れそうにない時に寝泊まりする用のな。そこで一緒に暮らさないか?」
「いいの?」
「もちろんだ。奏多と一緒に暮らしたい。だが、時々私も母さんたちのところへ行ったりあちらに寝泊まりする日もあるから、そこだけお前に迷惑かけてしまうがそれでもいいか?」
「うん、、、。お父さんと暮らしたいです。」
そう言うとお父さんは嬉しそうな顔をして、秘書さんに連絡を取っていた。
退院したら、お父さんと一緒。
そう考えたら嬉しくて仕方なかった。
明日の手術が怖くないかと聞かれたら怖いけど、でもそれ以上に周りの人たちが僕が感知することを望んでくれて、未来の話をしてくれるから恐怖よりもこれから先の楽しみの方が多い。
---ガラガラッ
お父さんが少し電話で席を外している間に、柏木先生がやってきた。
「明日、手術が終わったら正式に君にお付き合いを申し込むから。その時返事を貰いたい。」
そう宣言をして、僕の頭を撫でるとそのまま帰っていった。
明日が手術だというのに僕の心臓をただただドキドキさせて去っていった彼のことで先ほどのお父さんとの話が飛んでしまうほどの衝撃だった。
僕は柏木先生が好きだ。これまでは自分の過去や未来が無いと思っていたから柏木先生とどうにかなりたいとかなかったけれど、普通の生活ができる可能性が見えてきた今、彼にそんなこと言われたら僕の頭の中は柏木先生と恋人になっている自分を想像してしまう。この場合、妄想というのが正しいかもしれない。
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