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森羅万象の神 誓書・写本番号3854より抜粋
しおりを挟む<魔導>並びに<魔導師>とは、<言の音>を用いて万物の内なる力を振るわせ外界に顕現させる技術である。
引き出す源流がヒトである場合とそうでない場合において大きく分類され、それぞれは<回帰>と<幻装>と呼ばれる。
<中略>
術の行使において魔導師は自身の体力を<言の音>で魔力変換し外界に術を顕現するが、術者(キャスター)以外にそれを顕現する場合においては、<ルトの液>で<言の音>を記す方法か、永続的に効果を必要とする場合は<聖霊の器物>で彫る方法の二通りが存在する。
蛇足ではあるが<ルトの液>は霊峰ジ・アダフにのみ群生する霊木か、同質のドルイド達の御神木から採取される樹液からのみ生成することができる。
つまり<ルトの液>は満月の夜にしか採取ができない樹液を原料とするから貴重品であるといえる。もっとも野伏達は秘術によってこれを多く採取することから並の魔導師よりも豊富に<ルトの液>を所有している場合が多い。
<中略>
回帰主義派
◆アウルクス神派
開祖アウルクスの術が肉体を活性化すると信じている派閥で、主に体力回復の術に優れる。
婚姻と出産、大地の女神、医療の使徒
◆ギルヌール神派
開祖ギルヌールの術が体内からあらゆる邪気や毒素を浄化すると信じている派閥。おもに状態回復に優れた術を使う。
◆メルクルス神派
回帰派四柱のなかでも異質の流派。
かつて人間だったメルクルスが体の中に流れる気こそが神そのものであるとした流派。
メルクルスは生命の起源に迫ろうとし、聖霊ロアに処断されると聖霊として迎え入れられたとされる。
魔導書へ記された史実によれば、この際にメルクルスの思想をそのものを冠に信仰が生まれたとされ、メルクルス神派と呼ばれるようになったそうだ。
そして彼らは主に肉体強化などの術に優れる。
自身の命を削り身体能力を高め格闘戦を行う神兵の存在もあり、そういう意味でも異質とされている。
また、一部の過激派による神の顕現を試みる祭事は、生きた人間を屍喰らいに変えてしまう可能性があることから今では禁忌とされている。
技術と教育、知識と格闘の聖霊(神)
◆ル・カル神派
神の御業が人の運命を定めると信じている派閥で主に精神攻撃への耐性や精神攻撃に優れる。
時間と死、調停の神。
<中略>
幻装派
◆武技幻装
主に武具として造られたものを強化する言の音の体系。
◆豊穣幻装
とある範囲にあるものに対して強化や特殊な能力を付与する、言の音の体系。効果を継続させる場合は「言の音」を紡ぎ続けなければならなく、また紋を刻んでおかなければその恩恵にあずかれないという特徴をもつ。
◆旅団幻装
長距離行軍時の移動速度や、馬の持久力など、移動に関する能力を付与する「言の音」の体系。
——誓書・写本番号3854より抜粋。
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