孤独な泥棒

hazuki

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誘惑

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「帰らないで……嫌だ……。まだ煌といたい」

俺は頭の中が真っ白になった。俺は理性と酔いの狭間で、どうしていいかわからず固まった。

紫は俺の腕を引っ張り、ベッドに引きずりこんだ。
俺は体勢をくずし、ベッドに倒れこむ。俺の上に覆い被さり紫は俺に抱きついた。

「煌……好き……」

小さい声が聞こえた。

ベッドの上では、紫の匂いが強くなり、俺の理性はもう限界まできていた。紫は俺と視線を合わせ、俺の唇をなぞるように舌で舐める。紫の匂いと柔らかい肌、紫の視線で、俺は羞恥し理性は途切れた。

紫を強く抱きしめ、紫の唇に荒々しいキスをする。そして、紫の口を無理矢理こじあけ舌で口の中を犯す。

紫は、俺にされるがままに舌を絡ませてくる。途中唇を離し、息を荒くする彼女にまだまだ終わらないと、紫の唇を吸いあげ、口の中の全てを執拗に舌でなでまわした。

キスの狭間に聞こえる紫の聞いたことのない声と、女な表情に俺はまだまだ紫の女の顔をみたくなった。

片手で、紫の両手を頭の上で押さえ、キスをしながら紫の服のボタンをはずす。真っ白な肌が露出し、身体に似合わない大きい胸が露わになる。

俺は紫の身体を舐めまわし、レースのブラを片方ずらし胸の突起を周到に舐めたり吸ったりを繰り返す。

段々紫は喘ぎ声に変わり、身体も顔も紅潮している。紫の腕を拘束していた手を外し、両手で紫の柔らかい胸を揉みながら再び乳首を俺の舌でもて遊び、紫の身体を堪能する。

そして、紫の下着の上から秘所をゆっくり撫でる。紫の下着は、上から触るだけでもびっしょり濡れて俺の指も蜜で濡れた。

濡れた指を紫にわざと見せる。

「紫のエッチな汁で俺の指が濡れちゃった。まだパンツの中触ってないのにね……」

紫は羞恥で目を潤ませ、今まで異常に紅潮させる。
「恥ずかしい。言わないで……」

俺は紫の羞恥に悦び、紫の瞳をじっと見ながら、今度は下着をずらして直接蜜の部分を上下にゆっくり撫でる。

くちゅくちゅとなる卑猥な音と自分の指にまとわりつく紫の蜜が、どんどん溢れてくる。

「紫……見て。下着の中少し触っただけなのに、すごいぬるぬるする。パンツももうぐちゃぐちゃだよ?俺の指舐めて。自分のだから舐めれるよね?」

俺は紫の目の前に濡れた指をだし、紫の口に俺の指を一本ずついれる。紫は目を潤ませ、俺の指一本一本を丁寧に愛おしいそうに舐めてくれた。

そんな紫が愛おしくなり、紫に意地悪をしたくなった。紫の頭をゆっくり撫でながらゆっくり話す。

「紫……今ならまだ止めることができるよ。また友達にまだ戻れる。これから続きをするか、もう辞めるか紫が決めて。だって紫から始めたよね?」

紫は、とろんとした目で俺を見つめている。俺の中ではもう止まれるはずもない。

「煌のことずっと好きなの。止めたくない……」

紫は、顔を真っ赤にして期待した眼差しで俺をみる。
ーーやばい。かわいい。俺のものにしたい。

「わかった。紫、途中でもう止まれないからね。それでいいなら自分で服全部脱いで。俺見てるから」

紫は、恥ずかしそうにベッドからでて、途中まで脱がされていた服を脱いでゆく。下着まできて躊躇していた。

「どうしたの?紫?下着もだよね?下着つけてたら、触ってあげられない。触らなくてもいいなら、付けてていいよ。紫が決めて」

選択権を相手に与えるようにしたが、実際には俺が主導権を握っている。孤独に育った俺は、味方がいない世界で生きていく術をいつのまにか学んだ。支配されるのが俺は嫌だった。

紫はさらに一層羞恥に震えている。自分から下着を脱ぎだした。両手で胸や秘所を隠す。

「紫、大丈夫。紫は綺麗だよ。恥ずかしがらずにこっちにおいで……」

ベッドに紫を寝せた。そして俺も全部脱いだ。

裸で紫と抱き合う。肌と肌が接するたび温もりを感じ、柔らかい紫の肌に俺の身体全体が絡みつく。ベッドがきしむ音と、紫と俺の息ずかいしか聞こえない。2人の世界だった。
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