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9月
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しおりを挟む2人に別れを告げ、駐輪場へ向かおうとしたら手首をいきなり掴まれ、世界が回転した。
(え!?)
強い力で引き戻され頭が追いつく前にポスン、と大きな体に包み込まれる。
「話はまだ終わってないんだけどな、どこ行くの?」
「えーっと、スーパーにちょっと」
「へえ、蘇芳って料理出来るんだ。俺にも作って欲しいな」
「あ、あははは」
「会長凪沙を離して下さい!!」
なんだこの状況。
何故にまた会長に抱きしめられている自分。あと、耳朶に息を吹き込むような声がくすぐったいんですが。
会話しながらも必死に俺を引き剥がそうとする吉良を器用に避けていらっしゃるし。会長凄いな。
遠くで黄色声が聞こえるのは絶対気のせいじゃない。
そりゃあ、側から見たら会長と俺がイチャイチャしてるようにしか見えないよなぁ。で、助けようしてくれている吉良が嫉妬しているように見えるのか。
気が遠くなりそうだ。
ーー数分後。
「転校するんだって?」
漸く会長の腕の中から救出され、今度は吉良にがっちり保護(あんまり状況かわってない)された俺は会長のその一言に驚き固まった。
吉良に視線で咎められるが、待て、俺は無実だし、なんでお前に責められなきゃならない。
でも、心当たりはあるっちゃあるな。
「…先生から聞いたんですね」
「内緒にしたかったんだって?ごめんね、聞いちゃった」
あの担任口軽るすぎっ!!
いや、多分会長が食い下がったんだろうなぁ…。
またバグか。またバグイベが発生したのか。
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