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10月
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しおりを挟む吉良の家は昔はご近所さんだったが、今はご両親の仕事の都合で少し離れた場所にある。
(久しぶりにここきたなぁ)
吉良の住むマンションの前で俺は強張りそうな表情を両手でほぐし、エントランスに足を踏み入れる。
昔はご近所だったから、しょっ中互いの家に行き来していたが吉良がこちらに引っ越してからは数度しか来ていない。
以前来たのは1年以上前だ。
緊張に微かに震える指で吉良の住む一室のインターフォンを押す。
『……はい』
「蘇芳ですけど」
向こうからの応答を待ち、俺が名乗る。
…十数秒待つが反応がない。
マイナス思考に打ちのめされそうになった時、向こうからもの凄い物音が響いた。
『いったっぁ!な、凪沙っ!?まって今開けるから!!』
吉良の声だ…。
動揺し慌てた様子の吉良の声だったけど、何か凄く懐かしくて嬉しい。
セキュリティを解除されれた自動ドアを抜け、エレベーターで目的の部屋に向かう。
「ごめんっ、凪沙。支度するからリビングで待っててっ」
俺が玄関の扉に手を伸ばそうとした絶妙なタイミングで吉良が顔出し、室内へ促された。
寝起きなのか、黒のTシャツとグレーのハーフパンツで髪もボサボサ。
「もしかして、具合悪かったのか?ごめん急に来て」
「いや、気にしないでくれっ!!……奏美のヤツ、来るなら来るってーー」
「え、何?」
「何でもないっ、とにかく座って待ってて!!」
聞き取れなかった部分に首を傾げる俺を吉良は強引に家の中に押し込んだ。
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