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11月
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しおりを挟む毎年文化祭の2日に分けられ、1日目が舞台演目発表。2日目がクラスや部活毎に催し物をする。
うちの学校は演劇部がないので有志による演劇をするという暗黙の決まりがある。有志の殆どは帰宅部で文化祭に積極的に参加させるためらしい。
つまり有志の言う名の帰宅部強制参加イベだ。
去年も参加したがその時は適当な端役でとっとと済ませた。
が、今年は周りが許してくれなかった。
「恋に嫉妬は付き物ですし、それこそ男女の差なんて関係ないんですよ」
「そういうもの?」
「はいっ!!だから先輩ファイトです!!」
台本持つ手を力強く握りしめ励ましてくれる後輩に俺は苦笑する。
こげ茶の髪の毛先をゆるふわカールさせた眼鏡っ娘。神林一葉ちゃんは菜美が高校に入ってから出来た友達だ。
普段は大人しい控え目な子だが、たまに変なスイッチが入ると眼鏡の奥の萌黄色の瞳を爛々と輝かせ、テンションが半端なく上がる。
あまりのメーターの振り切れっぷりに、俺もちょっとついていけない。
俺の浮かない様子に例の2人の件ですか!?とかなり食い下がってきたので仕方なく詳細は伏せてなんで男のくせに嫉妬深いのか相談(?)してこの現状。
つか、あの2人との話題はそんなに広がっているのか?
乾いた笑いしか出てこない。
「神林ちゃーん、他の人には言わないでねー。俺恥ずかしくて劇出れなくなっちゃうから」
「それはダメですよっ、今回の劇のイメージに合うのは先輩しかいませんっ。むしろ今のお話を肥やしにしちゃって下さい!!」
神林ちゃんのこの得体の知れない迫力は本当に何なのだろうか?
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