ギャルゲーのはずが攻略対象外男子に好かれてます。

天(ソラ)

文字の大きさ
90 / 102
番外編

吉良君の初恋①

しおりを挟む

「きらくんあっちでブランコのろー」

「やだやだぁきらくんはあたしとおままごとするの」





 幼稚園の遊び場の自由時間はいつもこうだ。何故かいつも女の子がオレを取り合う。

 言葉だけだと羨ましいシチュエーションだと思うが、小さい子は力加減がない分容赦なく左右に引っ張られるのはかなり痛い。




「どっちもするからっ。じゅんばんでじゃんけんでかったほうからみんなであそぼ」

「うー、きらくんがいうならじゃんけんする」




 女の子達はオレの妥協案に渋々乗ってくれて、漸く左右の手が自由になる。

 片方だけ選ぶと片方が泣いて、とんできた先生に何故かオレが怒られる。男の子なんだからとか時代錯誤だろ。

 女性の方が強いくせに男だから女の子には優しくしろとか、自分の両親見ていると本当に疑問に思う。

 本当ならオレもサッカーとかドッヂボールとかしたい…。





「おまえ、よくあんなのにつきあえるなぁ」

「だれ?」




 女の子の相手からやっと解放され、げんなりため息を吐くオレにどこからともなく声が掛けられる。

 左右見回しても近くには誰もいない。

…もしかしてオバケ?何て考えていると、上からここだよと笑い声が。

 自分がいるアスレチック遊具の1番天辺にその子はいた。

 逆光でよく顔が見えないがお前も来るかと誘われ、オレは誘われるままその子の元まで登る。




「よお」




 悪戯っ子な笑みを浮かべ迎えてくれたその子を見て、オレは目を瞬せた。

 サラサラな黒髪に甘いキャラメルのような琥珀の大きな瞳が愛らしく、一瞬女の子かと思うほど可愛い。

 正直この幼稚園の中で1番可愛いと思う。




「おまえなまえは?」

「すはらきら」

「きらか。おれはすおうなぎさ」




 それが凪沙との初対面だった。
しおりを挟む
感想 10

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

二本の男根は一つの淫具の中で休み無く絶頂を強いられる

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

  【完結】 男達の性宴

蔵屋
BL
  僕が通う高校の学校医望月先生に  今夜8時に来るよう、青山のホテルに  誘われた。  ホテルに来れば会場に案内すると  言われ、会場案内図を渡された。  高三最後の夏休み。家業を継ぐ僕を  早くも社会人扱いする両親。  僕は嬉しくて夕食後、バイクに乗り、  東京へ飛ばして行った。

俺の指をちゅぱちゅぱする癖が治っていない幼馴染

海野
BL
 唯(ゆい)には幼いころから治らない癖がある。それは寝ている間無意識に幼馴染である相馬の指をくわえるというものだ。相馬(そうま)はいつしかそんな唯に自分から指を差し出し、興奮するようになってしまうようになり、起きる直前に慌ててトイレに向かい欲を吐き出していた。  ある日、いつもの様に指を唯の唇に当てると、彼は何故か狸寝入りをしていて…?

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

【完結】愛されたかった僕の人生

Kanade
BL
✯オメガバース 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。 今日も《夫》は帰らない。 《夫》には僕以外の『番』がいる。 ねぇ、どうしてなの? 一目惚れだって言ったじゃない。 愛してるって言ってくれたじゃないか。 ねぇ、僕はもう要らないの…? 独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。

処理中です...