だから王子は静かに暮らしたい。

天(ソラ)

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第2章 アナタに捧ぐ鎮魂歌

24暴走③*

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 そして、改めて数十分後。


(痛覚を和らげるために別の感覚にすり替える薬って、快感に変わるならまんま媚薬じゃないかぁ~~!!)

 僕は心の中で叫んでいた。

 媚薬じゃないと言う言葉をまるっと信じて。好奇心と探究心で渡された小瓶の中身を飲んでしまった自分がバカだった。

 自身を苛んでいた痛みはピリピリとした刺激に変わり、肌を汗が一滴流れただけでも嬌声が上がりそうなくらいすっかり敏感な身体に出来上がってしまっている。

 おかげで受け入れるための指もすんなり入り、只今その数三本目。 うつ伏せになった腰を抱えられ、内壁を押し広げるために動き回っている指だけで感じまくりって。感度がいいってレベルじゃないよ、これ。絶対薬のせいだし。
 枕で口を押さえてなかったら自分が何を口走ってしまうかわかったもんじゃない。

 そんな感じで必死に与えられる快感の波に耐えていたら、急に秘所から指が引っこ抜かれてしまった。

「へ?」

 わけもわからず、気の抜けた声とともに視界がくるりと、反転し身体が仰向けになった。

  驚きに見開いた視界の先にあったのは情欲に濡れた紅玉の瞳で、それを目にし背筋が粟立ったと同時に吸い込まれるように唇が重ね合わされた。

「ふっ…うん、ぁん…、ぁ、」

 角度を変え、薄く開いた隙間からこちらの意思を窺うよう慎重に舌が歯列の奥へと滑り込んでくる。口内を優しく舐り、絡め取られた舌先を軽く甘噛みされると喉がくぐもった声を上げてしまう。

 両手をベッドに縫い付けられ、混じり合う甘露はこの上もなく甘かった。

 以前したものとは違う、情熱的だけど優しい口づけに何故だか胸の内側が震えてしまいそうになる。

「…辛くはないか」

「…ん…」

 濡れた唇からこぼれた囁きに、自然と頷いてしまっていた。

「アルは可愛いな」

「んっあ、」

 指の腹で慈しむように頬撫でられ、ちょっとだけ変な声が出た。

「~っ、あ、アルって呼ぶな、この学習なし!」

「はいはい」

「う~っ」

 これが経験値の差というものなのか。苦し紛れの悪態は、くすりと笑われただけであっさり流されてしまった。

 唇に笑みを刻んだまま、衣擦れの音ともにギルフィスが着ていた服をベッドの下に脱ぎ捨てた。男らしく、逞しい締まった肉体が露となり、今から自分はこの男に抱かれるんだと今更ながら強く意識してしまう。

「辛かったらすぐ言うんだぞ」

 ギルフィスの膝に下半身を乗せられ、散々指で解された秘所に熱い猛りがあてがわれた。
 これから自分を襲うであろう衝撃に備え、シーツを握りしめる手にもグッと力がこもる。

 そしてーー、

「ふっ、ぁ、んぁああああ!」

 痛くはないけど内臓を押し上げる圧迫感が凄まじく、肺が酸素を充分に取り込めず呼吸が上手く出来ない。

「あ、ああ…」

「アル、ちゃんと息をしろっ」

 出来るなら最初からしているっつーの。無茶言うな!

 それでもなんとか浅い呼吸で異物感に耐えていると、萎えかけた中心にギルフィスの手が伸びてきた。

「全部入るまで、こっちに集中しておいてくれ」

「え、ちょっ、まっ、ひやぁあん!」

 指で後ろを弄られて、先走りですでに滑りを帯びていたそこを上下扱かれて、堪らずに声が上がる。

「あっ、や、ふぅん」

 自分では経験出来ない大きな手に包まれて高められる快感に、僕の身体から悦んだ瞬間をギルフィスは見逃さなかった。

「ーーーーーーっ!!」

 一気に貫かれて、目の前に火花が飛ぶ。

 真っ白になりかけた思考を、身体の奥から熱く脈打つ鼓動に繋ぎとめられ、僕はそっとその上を撫でてみた。

「……は、いっ、たの…?」

「ああ」

 整わない荒い呼吸で尋ねたら、嬉しいそうに紅玉の瞳が細められた。

 あ、なんだろ。なんか泣けてきた。

 ギルフィスの顔を見ていたら、目から涙が溢れてきた。

「どうした?辛いのか?」

「ちがう、違うけどっ」

 分からないけど無性に泣きたくなったんだ。

「落ち着くまで待ってるから、好きなだけ泣けばいい」

 自分の欲を抑えて、ポロポロと涙を流す僕の髪を撫でてくれるギルフィスに、らしくなく罪悪感を覚える。

 こんな状態になってまで我慢するのは辛いだろうに…。

「…大丈夫。動いていいよ」

 手の甲で乱雑に涙を拭ってから、情欲に染まりながらも思案げこちらを見下ろす、紅玉の瞳に告げやる。

「しかし…」

「しかしも案山子もどうでもいいから。これは治療でしょ。ならさっさと終わらせてよ」

 我ながら可愛くない言い方だと思うが、それは仕方がない。だって、それが僕なんだから。

 僕の言葉を受けて、戸惑いながらもギルフィスがゆっくりと抽送を始めた。

 最初、気遣う様子を見せていた腰の動きはやがて激しくなり、荒い息遣いとぱちゅんぱちゅんと肌がぶつかる音が室内に響き支配していく。

「はっ、あん、やぁ、ぁあん、そこっ、はぁん、んぅ」

 声を押し殺そうとするとギルフィスに我慢するなと口をこじ開けられるので、諦めた唇は彼の動きに合わせて啼かされるままだ。

「アル、魔力が同調してきたぞ、わかるか?」

「んぁ、ぁ、らっ、ないん、ぁん」

 髪を振り乱し首を横に降る。

 熱くて熱くて、ひたすら気持ちよくて。今は他のことを考えている余裕なんかない。

  内壁の良いところを重点的に攻められて、屹立はしっかりとひとり立ちしてはしたなく透明な液をこぼしっぱなしだ。

 でも、まだ足りない。

「あ、んっ、ぎる、ふぃス、前もぉ、っ、さわっ、ぁん」

 舌ったらずて触って欲しいと願えば、ギルフィスはしっかりと応えてくれる。

 前と後ろを同時に攻められ、もうイクことしか考えられない。

「あっ、あっ、ぎる、やっ、もぉイク、イ、くからっ」

「ああ。ちゃんと、見ていてやるから」

 言葉の意味も分からず、ただギルフィスの言うことにバカみたいに頷いて僕は快感の出口を目指し突っ走った。

 気持ち良くってその先をとにかく目指してーー、

「ぁ、やっ、…ぁあああんーー!!!」

「くっ」

 膨らんだ快感が一気に弾けて自分の腹に白いものが飛び散った。その直後、中に熱いものが注がれジワリと広がっていくのを感じた。

 ギルフィスも僕の中でイッたんだ…。

 息も絶え絶えに引いていく熱と快感の余韻に浸りながら意識がゆっくりと遠退いていった。













ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
☆やるやる言って大したことなくてすいません(;´Д`A
次回で2章終了です。
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