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モモの花
29.プラタナス
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昨日も昨日とて、狩りはうまくいかず。まぁ、わかってたんだけどね。熊が3頭くらい掛かったけど、もちろんリリースした。
目覚ましのアラームで起きて、伸びをして、通知のチェックをして、身体を解して。
主税からの連絡はきてなかった。
コーヒーを飲みながら、今日の予定を組み立てる。
洗濯、掃除。今日は夕方ごろから雨が降るらしいから布団は干さない。
シャワーを浴びたら丁度いい頃だろうから、家を出て飯食って、この前主税がしてくれたみたいにお土産を山ほど買っていこう。冷蔵庫テロだ。
主税から貰ったコーヒーゼリーは丁度いい弾力で、雑味のないスッキリとした味だった。2つ入ってたけどペロっと食べてしまった。ブラックのままと、コーヒーミルクをかけたやつと。
俺は何を持っていこう。思案しながら予定をこなしていく。
結構酒を飲むみたいだから、ちょっといいつまみでも買っていこうか。
主税もこうやって色々考えてくれたんだろうか。そうやって考えると、ちょっと嬉しくなった。
マンションが見えた頃、主税がエントランスの前で年嵩の女性と話をしているのが見えた。
数本の花を大事そうに持っている。一瞬おやっと思ったけど、エプロンをかけた明らかに仕事中ですという風体から、多分件の花屋だろうということが伺えた。結構常連らしい。
すぐにこちらに気付いた主税がにっこりと笑って、小さく手を振った。
俺もお土産の紙袋を持った手を振って同じように笑いかける。反対の手にはビニール袋が食い込んでいるから持ち上げられない。
花屋の女性は俺を見て一瞬驚いたような顔をして、そのまま主税の方を見た。
それからにんまりと笑って主税に一言二言声を掛けた。背中をとんとんと叩いて店に戻る。主税はここからでも分かるくらい赤くなっていた。何の話をしてたんだ。
「おまたせ。わざわざ降りてきてくれてありがとう」
相対して声を掛けるとすぐに主税は俺のビニール袋を奪って恥ずかしそうにはにかんだ。
「いや、部屋の花が、枯れちゃったから」
そう言って手に持った花を見せてくる。あくまで偶然と言いたいらしい。そういう気遣いができる奴だとは思わなかった。
エレベーターに乗り込んで、声を掛ける。
「結構常連なんだね。それはなんて花?」
あとなんの話してたのかも聞きたかったけど、それは野暮だろう。
主税は顔を赤くしてふらふらと目線を泳がせてから、小さく囁くように答えた。
「ルピナスって、言うんだって」
なんで花の名前を言うだけで照れてるんだコイツは。
部屋に案内されて、唖然とした。
「ひっろ…」
外観からして結構いい部屋住んでんだろうなとは思ったけど、予想を超えていた。え、何㎡あるの?家賃いくら?
しかも部屋にベッドがないってことは少なくとももう一部屋あるってことだ。
言葉を失って立ち尽くしている俺を見て主税は困ったように眉尻を下げた。
「ほとんどのスペース使ってないから、もっと狭くてもいいんだけどね…」
キッチンのカウンターに俺から奪った荷物を置いて、すぐに花を解き始める。
俺は部屋を無遠慮にぐるぐると部屋を見回してしまった。
奥にディスプレイが3台くらい置いてあるデスクがある。あそこで仕事をしているらしい。あたりまえだけど本格的で、ちょっとカッコイイとか思ってしまった。
主税は伏せてあった花瓶に花を活けて、カウンターに置いてから不意に「ごめん」と言った。
「案内もせずに。ソファ、座って」
いや、部屋に圧倒されてたから全然いいです。
目覚ましのアラームで起きて、伸びをして、通知のチェックをして、身体を解して。
主税からの連絡はきてなかった。
コーヒーを飲みながら、今日の予定を組み立てる。
洗濯、掃除。今日は夕方ごろから雨が降るらしいから布団は干さない。
シャワーを浴びたら丁度いい頃だろうから、家を出て飯食って、この前主税がしてくれたみたいにお土産を山ほど買っていこう。冷蔵庫テロだ。
主税から貰ったコーヒーゼリーは丁度いい弾力で、雑味のないスッキリとした味だった。2つ入ってたけどペロっと食べてしまった。ブラックのままと、コーヒーミルクをかけたやつと。
俺は何を持っていこう。思案しながら予定をこなしていく。
結構酒を飲むみたいだから、ちょっといいつまみでも買っていこうか。
主税もこうやって色々考えてくれたんだろうか。そうやって考えると、ちょっと嬉しくなった。
マンションが見えた頃、主税がエントランスの前で年嵩の女性と話をしているのが見えた。
数本の花を大事そうに持っている。一瞬おやっと思ったけど、エプロンをかけた明らかに仕事中ですという風体から、多分件の花屋だろうということが伺えた。結構常連らしい。
すぐにこちらに気付いた主税がにっこりと笑って、小さく手を振った。
俺もお土産の紙袋を持った手を振って同じように笑いかける。反対の手にはビニール袋が食い込んでいるから持ち上げられない。
花屋の女性は俺を見て一瞬驚いたような顔をして、そのまま主税の方を見た。
それからにんまりと笑って主税に一言二言声を掛けた。背中をとんとんと叩いて店に戻る。主税はここからでも分かるくらい赤くなっていた。何の話をしてたんだ。
「おまたせ。わざわざ降りてきてくれてありがとう」
相対して声を掛けるとすぐに主税は俺のビニール袋を奪って恥ずかしそうにはにかんだ。
「いや、部屋の花が、枯れちゃったから」
そう言って手に持った花を見せてくる。あくまで偶然と言いたいらしい。そういう気遣いができる奴だとは思わなかった。
エレベーターに乗り込んで、声を掛ける。
「結構常連なんだね。それはなんて花?」
あとなんの話してたのかも聞きたかったけど、それは野暮だろう。
主税は顔を赤くしてふらふらと目線を泳がせてから、小さく囁くように答えた。
「ルピナスって、言うんだって」
なんで花の名前を言うだけで照れてるんだコイツは。
部屋に案内されて、唖然とした。
「ひっろ…」
外観からして結構いい部屋住んでんだろうなとは思ったけど、予想を超えていた。え、何㎡あるの?家賃いくら?
しかも部屋にベッドがないってことは少なくとももう一部屋あるってことだ。
言葉を失って立ち尽くしている俺を見て主税は困ったように眉尻を下げた。
「ほとんどのスペース使ってないから、もっと狭くてもいいんだけどね…」
キッチンのカウンターに俺から奪った荷物を置いて、すぐに花を解き始める。
俺は部屋を無遠慮にぐるぐると部屋を見回してしまった。
奥にディスプレイが3台くらい置いてあるデスクがある。あそこで仕事をしているらしい。あたりまえだけど本格的で、ちょっとカッコイイとか思ってしまった。
主税は伏せてあった花瓶に花を活けて、カウンターに置いてから不意に「ごめん」と言った。
「案内もせずに。ソファ、座って」
いや、部屋に圧倒されてたから全然いいです。
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