願えば初恋

わいあーる

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◇アイツとの再会◇

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「ハッ!!!!」

思い出した衝撃に、私は口に手を当て思わず息を呑む。

突如、脳裏に浮かび上がったある人物。

その人物なら、こんな失礼すぎる態度も納得がいく。


コイツっ!!!
アイツだっ!!!


砂東 春希さとう はるきっっっ!!!」

「やっと思いだしたか。お前が俺の事を忘れるとかマジないわ」

突然、私の前に現れた砂東 春希。

「いやっ、覚えてる訳ないでしょ?!私達、卒業式以来会ってないじゃん!」

「だとしてもだろ?俺はお前の事ずっと覚えてたし」

「えぇ、、、。いやぁ、、、。だってさ、十数年ぶりってレベルだよ?!?!」

私が忘れていたのも無理はない。

コイツは、中学3年の時の同級生。
と同時に、私の初恋の健一くんといつも一緒につるんでいた相棒で。

コイツを含めた健一くんと彩花と私。
外から見れば、いつも一緒にいる仲良し四人組に見えた…かもしれない。

でも私からしてみれば、毎日毎日、毎回毎回、コイツが邪魔で邪魔で仕方なかった。

彩花と健一くんは幼なじみで小学生の頃から仲が良かったらしい。

そこに中学になり私が加わって、彩花と健一くんと私、友達としてとてもいい関係が築けていた。

その関係が変わり始めたのが、3年生に進級し、3人が同じクラスになってからだった。

私は、彩花の健一くんに対する恋心に気付いてしまった。

そしてその時、私も同時に気付いた。
健一くんに対する恋心を…

それでもやっぱり邪魔虫は私の方だと、あの二人が長年にわたり築き上げてきた関係を、崩そうなどという事は私には出来なかった。

そんな私のデリケートな時期にさえ、いつもいつも私にちょっかいをかけてきたコイツ。

星の数ほどムカつく事はあったけど、何よりムカついたのは、私の名前がダサい、、、と言った事。

いや、そりゃさ。
奄美とか、天海とか、私も憧れたわよ?!

名前の響きだけを聞いた人からは、「綺麗な名前ですね!」なんて言われる時もあるけど。

「あ、漢字は甘いに味って書いて"あまみ"なんです。」ってバカ正直に伝えると、「へー、珍しい名前ですね~。」に変わり、下の名前まで聞かれようものなら憐れみの表情を浮かべられる事はしばしば。

でもさ、私からしてみたら苗字なんて生まれた時から付いてるもんじゃん?

先祖代々受け継がれてきたもんじゃん?

それを何?

ダサいだと?

そんな事わざわざお前に言われなくても、私が一番感じとるわっ!!

だからといって、数回からかわれたぐらいで怒る私ではもちろんない。

なぜなら、名前にまつわる受難は筋金入りだ。


確かに私の両親も、よりにもよって何でこの苗字にこの名前を付けたのか。

お母さんが、"杏の花"が好きだから女の子が産まれたら絶対この名前をつけるんだ!って決めていたのは知ってはいるが。

こんな名前じゃ、絶対からかわれるに決まってるのに。



始まりは、小学生の時からだ。

苗字が"甘味"で、名前が"杏"だから、今日からお前のあだ名は"あんこ"だと。

なんと安直、バカバカしい。
でもそれは、小学生だから許される範囲。

だって、いつかはそう言われる時が来るんだろうなって、自分でも安易に予想出来たから。

でも私は、低レベルなガキは相手にしなかった。

そのお陰か、私をからかう男子も減り、いつの間にかそのあだ名は自然消滅していった。

私は、中学に入った後も平穏な日々を過ごしていた。

なのに…
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