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0章 ペガスの商人
号令係
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…!これは一体どう言う事だ!?
ペガスに停泊して1週間。必需品も の買い占めが済んで物が売れ始める頃合いだ。だが、机に並べられた各商人達から提出される売上申告書には0が並んでいる。
パン、野菜、果物、肉、そして水に至るまで全く売れてないだと…?
「ボス…やっぱり無茶な価格だと思います。今からでも価格表を改訂して値下げをしては如何でしょうか?」
号令係が通る声でこちらの顔色をうかがいながら進言してくる。
「五月蝿い!貴様はただ俺の言う通りに命令を隊員達に伝えれば良いんだ!俺に意見するな!」
書類を集めてきた号令係にその0が並んだ書類の束を叩きつけて返した。
「商品はもうすぐ売れるようになる。値下げは絶対に許さん。勝手に安売りするやつがいたら暴れ馬の後ろに括り付けて町中引き摺り回してやれ」
「し、しかしこのままもしこのまま売れない場合商人達は借金を返せなくなります。100人以上いる商人ほぼ全員が限度額の100万まで借りてるのですよ?護衛部隊の維持費も含めればキャラバン全体で1億近くの赤字に…」
「意見するなと言った筈だ!」
号令係の腹を蹴飛ばし、床に崩れ腰を抜かした体勢になったその腹をさらに踏みつける。
「俺は東大陸最大のキャラバン、カル・カボネ隊商の代表、カル・カボネだぞ!貴様なんかとは頭の出来も、格も、何もかもが違うのだ!身の程を知れ!」
ひとしきり腹を踏みつけた後は、ムカつく号令係に一つツバを吐きつけた。
そしてストレス発散した後は冷えた頭で次の手を考える。
1週間、よくよく考えればまだ焦るほど時間は経ってないじゃないか。滞在期間はまだ4週間ある。それほど長い間町民は痩せ我慢なんてできまい。
もしかしたら、町民が俺たちが来るのに合わせて水や食料を備蓄していたのかもしれない。それだ、きっとそうだ。小賢しい事を…。
…それなら、一度ペガスの町民共には教えてやらねばなるまい、貴様らは誰のおかげで生かしてもらってるのかを。
「…商人達への貸付金の限度額を倍の200万にするぞ。キャラバンの滞在期間も1ヶ月延ばす」
「…ボス」
「2ヶ月も買い占めを続ければ流石に町民達が我々が来るのに合わせて備蓄していても賄えないはずだ。そうなれば5倍でも10倍でも買わざるをえなくなる」
「ボス…!」
号令係が済んだ青い目で何かを訴えかけているが、逆に睨み返すとそのまま意見を飲み込んで私の部屋を出て行った。
…あの女、新アシェント王国の元軍人と聞いて雇ってやったが、ちょっと優秀だからって商売にまで口出す様になりおって…。代わりがいればすぐにでも首を挿げ替えてやるのに…。
俺の価格弾力性の考えは絶対だ。そのうち嫌でも町民は俺たちから品物を買わなきゃならなくなる。その時に10倍の値段をふっかけてやればいくらでも元は取れるはずだ。
俺は間違えてないんだ。
しかし、2ヶ月経っても品は全く売れなかった。いくら商人達を追い立てても、価格を相場の1.5倍にまで下げても毎日提出される売上申告書には0だけが連なる。
商人達への貸付金は総額1億5000万に上り、その全てが焦付いている。キャラバンの金庫も底をつき、護衛隊が給料はまだかと尋ねてきている。
水はまだ問題ないが、買い占めた食料は時間が経てば腐っていく。これは1週間の時点でそこそこ起きていたが、それ以降は飛ぶように売れるから廃棄分があっても元は余裕で取れると考えていた。しかしもう2ヶ月、毎日買い占めていた食料はほとんど腐って廃棄の山となって積み上がっている。もはや腐ってないものを100倍で売っても収支はプラスにならない。
どうしてこうなった。
俺の価格弾力性の考えは完璧なはずだ。どんな高くても食料は買わなきゃ死ぬんだぞ?命には代えられないだろ?
完ぺきなはずなら、どうして売れない?
個人の備蓄が2ヶ月も保つわけはない。考えられる事としては、買い占めが不完全だったか、俺たちの知らない調達ルートがあったか。
買い占めに関しては不完全なんてことがあるか?元々食料や水をほとんど自給できない町だ。不完全だとしても、農産物の生産に乏しいこの町で町民全員の需要を賄えるような量にはならないはずだ。
後は把握してない調達ルートか…。だが俺たち以外にキャラバンが来ていればすぐに気づくはずだ。内陸だから海運もないし…。あと考えられるとしたら転送魔法を使った魔法運送か。いや、転送魔法は一度に使う魔法の量が莫大過ぎていくら優秀な魔術師をかき集めても商業利用は無理だと言われている。
考えられない…。我々に悟られずに必需品を大量に仕入れて町民達に渡すなんて、絶対に不可能だ。
しかしその考えられない出来事が実際に目の前で起きている。窓を覗けば水と食料に飢えているはずの町民達は活気に満ち溢れており、仕入れができないはずの店が新しく商品を店に並べている。
あるはずのない現実で頭が狂いそうだ…。
「失礼します」
自室で頭を抱えていると、号令係がノックをして俺の部屋に入ってきていた。
「ボス、今日の売上申告書です」
そう言って俺の目の前に0の並んだ紙数枚を置く号令係。もはや結果を見るまでもない。頭を抱えたまま俺は号令係に次の命令を下した。
「…商人達から貸出金を取り立てろ」
「無理です。借金をしてまで買い占めた商品が全く売れない状態なんです。彼らをいくら叩いてもホコリも出ませんよ」
「それなら身売りでもなんでもさせろ!アイツらは俺から金を借りたんだ!護衛部隊の出番だ!奴らに取り立てさせれば」
「…護衛部隊は先日全員辞めましたよ。お忘れですか?金を払わない人間はボスではないとのことで」
くそッ…!王国で落ちこぼれてた所を拾って雇ってやってたのにこの恩知らずが…!
「ついでに、売上申告書の枚数の通り、金を借りた商人達も次々と逃げ出してます。皆んなあなたの命令で借金をしたのにその取り立てをされては敵わないと考えた様で」
「はぁ!?ふざけんなよ!逃げたっつってもこの町にいるんだろ!全員見つけ出して絶対…」
「ボス、かく言う私も今日限りで辞めさせて頂きます。退職金と未払いの給料は結構ですので。今までありがとうございました」
「おい!ちょっと待て!おい!今お前に辞められたら俺のキャラバンはどうなるんだ!」
号令係の肩を掴むがすぐにその手を掴み返され、さらに手首を捻りあげられる。腐っても元軍人、一介の商人に抵抗できるはずもない。
「くッ…!この恩知らずが…!夫を失ったトラウマで前線に立てなくなった役立たずの女騎士が!ガキ共々野垂れ死なずに済んだのは誰のおかげだと思ってる…!」
「ええ、その節はお世話になりました。おかげさまで子供は今年で10になります」
「なら最後まで俺に忠義を尽くせ!金は今は払えないが…恩を返すんだ!今度はお前が俺を助けろ!」
そこまで言うと、理解したのか捻り上げる手の力が緩む。痛みが尾を引く手首をさすっていると、彼女が澄んだ目で真っすぐとこちらを見据えながら口を開いた。
「それなら一つ聞きたい事が。先程ボスが言っていた通り、私に恩を売ったというのであれば、私を金儲けの道具として買ったわけではないと言うことですよね」
「ああ、そうだ。他の奴らはただの金儲けの道具だがお前だけは違う。お前は俺の相棒だ!」
「それなら、その相棒の私を名前で呼んでくださいよ。お前でも、号令係でもなく、本名で」
…ッ!
喉元まで登ってきている様で中々出てこない。マーティン…ドック…ルーク…、どれも違う。
くそッ!俺はカル・カボネだぞ…東大陸最大のキャラバンを運営するにあたって大陸各地の権力者や豪商の名前を何百人も頭に入れてるんだ…コイツの名前くらい…!
しかし、彼女が「失礼します」と軽く会釈をして部屋を出て行くまでに、頭文字すらも思い浮かぶことはなかった。
こうして東大陸最大のキャラバン、カル・カボネ隊商はたった2ヶ月で崩壊し、解散した。
ペガスに停泊して1週間。必需品も の買い占めが済んで物が売れ始める頃合いだ。だが、机に並べられた各商人達から提出される売上申告書には0が並んでいる。
パン、野菜、果物、肉、そして水に至るまで全く売れてないだと…?
「ボス…やっぱり無茶な価格だと思います。今からでも価格表を改訂して値下げをしては如何でしょうか?」
号令係が通る声でこちらの顔色をうかがいながら進言してくる。
「五月蝿い!貴様はただ俺の言う通りに命令を隊員達に伝えれば良いんだ!俺に意見するな!」
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「し、しかしこのままもしこのまま売れない場合商人達は借金を返せなくなります。100人以上いる商人ほぼ全員が限度額の100万まで借りてるのですよ?護衛部隊の維持費も含めればキャラバン全体で1億近くの赤字に…」
「意見するなと言った筈だ!」
号令係の腹を蹴飛ばし、床に崩れ腰を抜かした体勢になったその腹をさらに踏みつける。
「俺は東大陸最大のキャラバン、カル・カボネ隊商の代表、カル・カボネだぞ!貴様なんかとは頭の出来も、格も、何もかもが違うのだ!身の程を知れ!」
ひとしきり腹を踏みつけた後は、ムカつく号令係に一つツバを吐きつけた。
そしてストレス発散した後は冷えた頭で次の手を考える。
1週間、よくよく考えればまだ焦るほど時間は経ってないじゃないか。滞在期間はまだ4週間ある。それほど長い間町民は痩せ我慢なんてできまい。
もしかしたら、町民が俺たちが来るのに合わせて水や食料を備蓄していたのかもしれない。それだ、きっとそうだ。小賢しい事を…。
…それなら、一度ペガスの町民共には教えてやらねばなるまい、貴様らは誰のおかげで生かしてもらってるのかを。
「…商人達への貸付金の限度額を倍の200万にするぞ。キャラバンの滞在期間も1ヶ月延ばす」
「…ボス」
「2ヶ月も買い占めを続ければ流石に町民達が我々が来るのに合わせて備蓄していても賄えないはずだ。そうなれば5倍でも10倍でも買わざるをえなくなる」
「ボス…!」
号令係が済んだ青い目で何かを訴えかけているが、逆に睨み返すとそのまま意見を飲み込んで私の部屋を出て行った。
…あの女、新アシェント王国の元軍人と聞いて雇ってやったが、ちょっと優秀だからって商売にまで口出す様になりおって…。代わりがいればすぐにでも首を挿げ替えてやるのに…。
俺の価格弾力性の考えは絶対だ。そのうち嫌でも町民は俺たちから品物を買わなきゃならなくなる。その時に10倍の値段をふっかけてやればいくらでも元は取れるはずだ。
俺は間違えてないんだ。
しかし、2ヶ月経っても品は全く売れなかった。いくら商人達を追い立てても、価格を相場の1.5倍にまで下げても毎日提出される売上申告書には0だけが連なる。
商人達への貸付金は総額1億5000万に上り、その全てが焦付いている。キャラバンの金庫も底をつき、護衛隊が給料はまだかと尋ねてきている。
水はまだ問題ないが、買い占めた食料は時間が経てば腐っていく。これは1週間の時点でそこそこ起きていたが、それ以降は飛ぶように売れるから廃棄分があっても元は余裕で取れると考えていた。しかしもう2ヶ月、毎日買い占めていた食料はほとんど腐って廃棄の山となって積み上がっている。もはや腐ってないものを100倍で売っても収支はプラスにならない。
どうしてこうなった。
俺の価格弾力性の考えは完璧なはずだ。どんな高くても食料は買わなきゃ死ぬんだぞ?命には代えられないだろ?
完ぺきなはずなら、どうして売れない?
個人の備蓄が2ヶ月も保つわけはない。考えられる事としては、買い占めが不完全だったか、俺たちの知らない調達ルートがあったか。
買い占めに関しては不完全なんてことがあるか?元々食料や水をほとんど自給できない町だ。不完全だとしても、農産物の生産に乏しいこの町で町民全員の需要を賄えるような量にはならないはずだ。
後は把握してない調達ルートか…。だが俺たち以外にキャラバンが来ていればすぐに気づくはずだ。内陸だから海運もないし…。あと考えられるとしたら転送魔法を使った魔法運送か。いや、転送魔法は一度に使う魔法の量が莫大過ぎていくら優秀な魔術師をかき集めても商業利用は無理だと言われている。
考えられない…。我々に悟られずに必需品を大量に仕入れて町民達に渡すなんて、絶対に不可能だ。
しかしその考えられない出来事が実際に目の前で起きている。窓を覗けば水と食料に飢えているはずの町民達は活気に満ち溢れており、仕入れができないはずの店が新しく商品を店に並べている。
あるはずのない現実で頭が狂いそうだ…。
「失礼します」
自室で頭を抱えていると、号令係がノックをして俺の部屋に入ってきていた。
「ボス、今日の売上申告書です」
そう言って俺の目の前に0の並んだ紙数枚を置く号令係。もはや結果を見るまでもない。頭を抱えたまま俺は号令係に次の命令を下した。
「…商人達から貸出金を取り立てろ」
「無理です。借金をしてまで買い占めた商品が全く売れない状態なんです。彼らをいくら叩いてもホコリも出ませんよ」
「それなら身売りでもなんでもさせろ!アイツらは俺から金を借りたんだ!護衛部隊の出番だ!奴らに取り立てさせれば」
「…護衛部隊は先日全員辞めましたよ。お忘れですか?金を払わない人間はボスではないとのことで」
くそッ…!王国で落ちこぼれてた所を拾って雇ってやってたのにこの恩知らずが…!
「ついでに、売上申告書の枚数の通り、金を借りた商人達も次々と逃げ出してます。皆んなあなたの命令で借金をしたのにその取り立てをされては敵わないと考えた様で」
「はぁ!?ふざけんなよ!逃げたっつってもこの町にいるんだろ!全員見つけ出して絶対…」
「ボス、かく言う私も今日限りで辞めさせて頂きます。退職金と未払いの給料は結構ですので。今までありがとうございました」
「おい!ちょっと待て!おい!今お前に辞められたら俺のキャラバンはどうなるんだ!」
号令係の肩を掴むがすぐにその手を掴み返され、さらに手首を捻りあげられる。腐っても元軍人、一介の商人に抵抗できるはずもない。
「くッ…!この恩知らずが…!夫を失ったトラウマで前線に立てなくなった役立たずの女騎士が!ガキ共々野垂れ死なずに済んだのは誰のおかげだと思ってる…!」
「ええ、その節はお世話になりました。おかげさまで子供は今年で10になります」
「なら最後まで俺に忠義を尽くせ!金は今は払えないが…恩を返すんだ!今度はお前が俺を助けろ!」
そこまで言うと、理解したのか捻り上げる手の力が緩む。痛みが尾を引く手首をさすっていると、彼女が澄んだ目で真っすぐとこちらを見据えながら口を開いた。
「それなら一つ聞きたい事が。先程ボスが言っていた通り、私に恩を売ったというのであれば、私を金儲けの道具として買ったわけではないと言うことですよね」
「ああ、そうだ。他の奴らはただの金儲けの道具だがお前だけは違う。お前は俺の相棒だ!」
「それなら、その相棒の私を名前で呼んでくださいよ。お前でも、号令係でもなく、本名で」
…ッ!
喉元まで登ってきている様で中々出てこない。マーティン…ドック…ルーク…、どれも違う。
くそッ!俺はカル・カボネだぞ…東大陸最大のキャラバンを運営するにあたって大陸各地の権力者や豪商の名前を何百人も頭に入れてるんだ…コイツの名前くらい…!
しかし、彼女が「失礼します」と軽く会釈をして部屋を出て行くまでに、頭文字すらも思い浮かぶことはなかった。
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