王様とただのおっさん。 入れ替ったら断頭台でした。異世界はキャットGPTとともに。

第3章 ビリジアンテ連邦国

比留間明夫14

　戦争が始まった。
　といっても、まだ敵は１００キロ先にいるんだけどね。
　キャットGPTのおかげで目で見るように状況がわかる。
　なんせ、アカシックレコードなんだからな。
　世界のすべてを把握している。

　さて、こちらも動かなくてはならないな。
　どこに攻めてくるかもわかる。
　中央の近代兵器部隊の１００人を配置する。
　あと１００人は王都の防衛だ。
　それと秘密兵器を中央の砦に移動させる。
　
　相手の作戦もわかっている。
　でも、できるだけ被害を少なくしないとね。
　我が国だけでなく、むこうも。
　戦争が泥沼化するのは避けないとならない。
　そんなことになったらあとの二国が介入してくる。
　たぶんビリジアンテの味方として。
　
　今回の主戦場は中央の砦ではない。
　別のところだ。
　だから、できるだけ中央に注目を集めなくてはならない。
　そのためにぼくが中央砦に向かうことにした。
　ぼくが出るとなったら、アバドンはどうやっても潰そうとするだろう。
　
　ぼくは諜報部隊を呼びつける。
　この部隊はぼくが王になってから作った組織だ。
　軍の精鋭を集めてある。
　もちろん、全員に銃を渡してある。
　今回の戦争について打合せをする。
　彼らが作戦通りに動いてくれたら、勝利だ。
　
　まあキャットGPTでも未来のことはわからない。
　あくまで過去と現在のことしかわからない。
　それとできる限りの未来予測ができるだけ。
　っていってもこれだけで十分だよね。

　今回はコヨミと会話をしながら作戦を考えた。
　あとは、状況を見ながら実行するだけだ。
　でも、不測の事態がおきないとは限らない。
　そのために秘密兵器を用意した。
　通信機器だ。
　トランシーバーみたいなものだけど、戦場で情報を共有できるのは強い。
　こっちの世界ではそういうのはないみたいだ。
　伝令を走らせるのが普通みたいだ。
　
　とにかくこの戦争から情報戦が始まるのだ。
　今回は情報戦の恐ろしさを見せつけてやろう。
　そうすれば、ミシディアやガルバン帝国は安易に手をだせなくなるだろう。
　諜報部隊との打合せの後、中央の砦に向かうのだった。