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第4章 ミシディア共和国
ニャール水軍大将ハチノス01
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俺はニャール水軍の大将ハチノスだ。
元はこの海で海賊をやっていた。
しかし、ニャール王国の先代王、ベルナール王に諭されて水軍を率いることになった。
国の後ろ盾を得ることによって、家族を守り、好きに暴れることができるようになったのだ。
俺たちは周りの海賊を取り込み、大きくなっていった。
って言っても100隻くらいの規模だがな。
帝国や共和国、連邦の大海軍には及ばない。
ただ、俺たちは元海賊だ。
まとまりはないが、局地戦にはめっぽう強い。
操船の技術もやつらには負けない。
ニャール水軍はゲリラ戦の強さで各国に恐れられていた。
今回ベルナール王が亡くなって、ニャルロッテ王がそのあとを継いだ。
俺が手を組んだのはニャールという国ではなく、ベルナール王だ。
だからニャルロッテ王にはなんの義理もない。
だから、王の器量を見てから手を組むかどうか決めたい。
そのように伝えた。
俺も一万人以上の部下と家族を預かる身。
一か八かのギャンブルはできない。
もし、ニャルロッテ王がつまらない奴なら、海賊に戻るのも手だ。
幸いミシディアがニャールへの進軍を決めたようだ。
俺が裏切れば、ミシディアは快く受け入れてくれるだろう。
「ハチノスさんはおられますか?」
わたしの仕事部屋にうだつの上がらないおっさんが入ってくる。
「なんだ、おまえは」
「申し遅れました。わたしはニャルロッテとも申します」
おっさんは禿げた頭を下げて、小さな紙片を出す。
「ニャルロッテというのは王の名前と同じだが」
「ええ、この国の王をやらしていただいています」
そういえば、2人の護衛を連れている。
そのひとりはガタイもよく恐ろしいほどのオーラを放っている。
こいつは海賊になっても通用するな。
「たしかに王との会談に同意はしたが。
まだ日取りとかは決めていないはずだ」
「そうですが。
こちらに来てもらうというのもなんですので、来ちゃいました」
手をこすりながら愛想笑いをうかべるおっさん。
まるで商人だ。
先代のベルナール王とはまったく違うタイプだ。
わたしは面食らう。
「それで、その王様がわたしになんの用ですか」
わたしはとぼけた口調でおっさんに問いかけるのだった。
元はこの海で海賊をやっていた。
しかし、ニャール王国の先代王、ベルナール王に諭されて水軍を率いることになった。
国の後ろ盾を得ることによって、家族を守り、好きに暴れることができるようになったのだ。
俺たちは周りの海賊を取り込み、大きくなっていった。
って言っても100隻くらいの規模だがな。
帝国や共和国、連邦の大海軍には及ばない。
ただ、俺たちは元海賊だ。
まとまりはないが、局地戦にはめっぽう強い。
操船の技術もやつらには負けない。
ニャール水軍はゲリラ戦の強さで各国に恐れられていた。
今回ベルナール王が亡くなって、ニャルロッテ王がそのあとを継いだ。
俺が手を組んだのはニャールという国ではなく、ベルナール王だ。
だからニャルロッテ王にはなんの義理もない。
だから、王の器量を見てから手を組むかどうか決めたい。
そのように伝えた。
俺も一万人以上の部下と家族を預かる身。
一か八かのギャンブルはできない。
もし、ニャルロッテ王がつまらない奴なら、海賊に戻るのも手だ。
幸いミシディアがニャールへの進軍を決めたようだ。
俺が裏切れば、ミシディアは快く受け入れてくれるだろう。
「ハチノスさんはおられますか?」
わたしの仕事部屋にうだつの上がらないおっさんが入ってくる。
「なんだ、おまえは」
「申し遅れました。わたしはニャルロッテとも申します」
おっさんは禿げた頭を下げて、小さな紙片を出す。
「ニャルロッテというのは王の名前と同じだが」
「ええ、この国の王をやらしていただいています」
そういえば、2人の護衛を連れている。
そのひとりはガタイもよく恐ろしいほどのオーラを放っている。
こいつは海賊になっても通用するな。
「たしかに王との会談に同意はしたが。
まだ日取りとかは決めていないはずだ」
「そうですが。
こちらに来てもらうというのもなんですので、来ちゃいました」
手をこすりながら愛想笑いをうかべるおっさん。
まるで商人だ。
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わたしはとぼけた口調でおっさんに問いかけるのだった。
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