前世は拾われた猫だったので。転生したら人間を拾っています。

PYON

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第3章 隠者ブラックウッド

07

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 5人の魔導士を眺める。
 知った顔だ。
 コンラット以外は、それなりに使えるやつらだな。
 わしがじきじきに教えた者もいる。
 悪くない人選だ。

 だが、相手が悪い。
 ロラン王国の魔導を進展させたのはわしだ。
 わしの第一魔導士部隊は基礎から教えていた。
 だから、型にはまっていない。
 ただ、第二魔導士部隊は魔法を道具としてしか使えないやつらが多い。
 自分で考えることもなく、形だけ覚えて満足しているやつらだ。
 わしの部隊では、そんなやつらは取り立てないが、コンラットは別だ。
 魔力の強さとか複数属性使えるとか、そういう表層的なもので決めている。
 そういうやつらはもろいのだ。
 初撃を防がれるとなにをしていいかわからなくなる。
 わしの部下なら次の手を考える。
 彼らには次の手なんてないのだ。

「相手はじじい一人だ。
 簡単にひねりつぶせるが、念のため全員でかかれ」

 5人の若い魔導士は魔法を展開する。
 ふうん。
 わしは彼らの前に描かれていく魔法陣を読む。
 もう少し簡潔にできないもんかな。
 その構築の仕方じゃ、効率が悪い。
 そして、ノイズだらけの一番汚い魔法陣がコンラットだ。
 わしの授業で何を学んだのだ。
 
 構築が終わった魔法陣から順にわしに向かって攻撃魔法が飛ぶ。
 まず、炎の魔法。
 レベル3の炎。
 大層に唱えてたが、その程度か。
 わたしはバリアを構築する。
 炎はバリアにぶつかり砕ける。
 この程度の魔法がわしに効くわけないだろ。
 ばかなのか?

 次に氷の槍が展開される。
 だから、わしの知らない術式を構築しないと話にならん。
 わしが手をかざすと氷の槍は崩れる。
 そう魔法陣のいちばん弱いところを破壊したのだ。
 
 あとの魔法は展開すらしない。
 こんなに時間をかけていれば、その間に魔法陣を破壊するなんて簡単だ。
 
「どうした?それでおわりか」
 わしは、彼らの前に進み出る。
「それでは、最後の魔法の授業をしてやろう」
 わしはそう言って手のひらをまえに出した。
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