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第4章 大商人グリフレッド
モーガン商会社員スティーブン02
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「いえ、ここで結構。
話というのは、ウェーバー商会もこのエクレルの町に支店を開かせていただくということです」
「こんな小さな町にですか?」
「そう、この国でウェーバー商会の支店がない町はエクレルとあと少しだけなんですよ。
エクレルの町には以前から支店を出したかったんですが、ひとつ障害がありましてね」
「障害って、一体なんなんですか。
もしかしてモーガン商会のことでしょうか。
まあ、我々はこの町のすべてを仕切っていますので、大手の商会でも簡単に参入することはできないでしょうな」
「ええ、その通りです。
以前はこの町でモーガン商会に勝つのは至難の技だと思っていました」
「そうでしょう。
だから支店を出すのはやめたほうがいい」
「以前はということです。
もうその障害はなくなりました」
「どういうことですか」
「わたしどもが恐れていたのは、以前の支配人レイモンドさんですよ。
彼がいるかぎり、手をだすのは危険だと分析していたんです。
ところが、今のモーガン商会にはレイモンドさんがいないと聞きましてね」
「あいつは、追い出しました。
わたしの方針に従わないものでね」
「それは良かった。
レイモンドさんを追い出すようなバカなら簡単に潰すことができます」
「なんだと!」
モーガンは老人につかみかかろうとする。
その間にボディガードが割って入る。
「今日は宣戦布告に来ただけです。
今後ともよろしくお願いします」
老人は恭しく頭をさげて、ボディガードといっしょに出ていく。
そのあとには真っ赤になって震えるモーガン。
全然器が違う。
「覚えておけ!つぶれるのはお前らだ。
レイモンドだって。
あんなやつ。あんなやつ」
地団太を踏んで暴れるモーガン。
それを秘書がなだめようとする。
「おまえらも、早く薬の解析をするんだ!」
モーガンのやつあたりはこっちにも飛んでくるのだった。
やれやれだな。
ぼくは溜息をつくのだった。
話というのは、ウェーバー商会もこのエクレルの町に支店を開かせていただくということです」
「こんな小さな町にですか?」
「そう、この国でウェーバー商会の支店がない町はエクレルとあと少しだけなんですよ。
エクレルの町には以前から支店を出したかったんですが、ひとつ障害がありましてね」
「障害って、一体なんなんですか。
もしかしてモーガン商会のことでしょうか。
まあ、我々はこの町のすべてを仕切っていますので、大手の商会でも簡単に参入することはできないでしょうな」
「ええ、その通りです。
以前はこの町でモーガン商会に勝つのは至難の技だと思っていました」
「そうでしょう。
だから支店を出すのはやめたほうがいい」
「以前はということです。
もうその障害はなくなりました」
「どういうことですか」
「わたしどもが恐れていたのは、以前の支配人レイモンドさんですよ。
彼がいるかぎり、手をだすのは危険だと分析していたんです。
ところが、今のモーガン商会にはレイモンドさんがいないと聞きましてね」
「あいつは、追い出しました。
わたしの方針に従わないものでね」
「それは良かった。
レイモンドさんを追い出すようなバカなら簡単に潰すことができます」
「なんだと!」
モーガンは老人につかみかかろうとする。
その間にボディガードが割って入る。
「今日は宣戦布告に来ただけです。
今後ともよろしくお願いします」
老人は恭しく頭をさげて、ボディガードといっしょに出ていく。
そのあとには真っ赤になって震えるモーガン。
全然器が違う。
「覚えておけ!つぶれるのはお前らだ。
レイモンドだって。
あんなやつ。あんなやつ」
地団太を踏んで暴れるモーガン。
それを秘書がなだめようとする。
「おまえらも、早く薬の解析をするんだ!」
モーガンのやつあたりはこっちにも飛んでくるのだった。
やれやれだな。
ぼくは溜息をつくのだった。
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