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第1章
使い魔に
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「おはよう、少年。」
ベットの上で眠っていた僕に跨ったこの知らない赤い髪の女はにやりと笑って言った。
「君のその肩の紋章は赤の国のものだね。赤の国も遂にこっちの世界の人間まで手を出して来るとはね~。…よし、無効化完了~。」
「もしなにかあれば白の国へ来て。こっちの世界について教えてあげる。」
「いい?今からあんたに洗脳系のスキルを2つ掛ける。これはあんたを守る為に掛けるんだから。」
「ひとつは私とイヤリングに関するこの記憶を一時的に忘れさせるもの。
ふたつめはあなたがもしあちらの世界に来てしまったときは白の国へ行こうとさせる思考。」
「だけどこれらはあんたがイヤリングと関わるにつれ、徐々に解けていく。」
「失くさないようにそのイヤリングは私が付けてあげる。あんたが意識してもう一度イヤリングを強く求めれば姿を出してくれるはずよ。」
「じゃあ掛けるよ。白の国で待ってるから。」
____
________
そうだ…。
僕はあの時いつもとは違って、朝起きたら目覚まし時計ではなく知らない赤い髪の女の人に起こされたんだ。
赤い女の人は僕の肩の紋章を見て、赤の国だの白の国だのよく分からない事を喋った後、その紋章を消した。
「白い国で待ってるから。」
この言葉が引っ掛かって僕は無意識に白の国へ行きたかったのかもしれない。
徐々に思い出してきて、疑問が湧いてきたのも洗脳系のスキルがふたつとも解けはじめたからか。
洗脳系のスキルを家に乗り込んで掛けてくる白の国もなかなかやばい感じがするが…、こっちの世界を教えてくれるならその方が早い。
少なくとも赤の国よりは好対応をしてくれると信じて…。
「…ト、ルト!!起きてー!!!」
「あっ…ごめん、ギル。」
若干涙目になったギルがまた心配そうな顔でこちらを覗き込む。
なんだか今日はギルに心配かけてばっかだな。
折角初モンスターの肉を食べた日でもあるのに…。あれ、なかなか美味しかったな。
「またなにか思い出したの?ルト」
「あぁ…だいぶな…。白の国の赤い女の人に僕は洗脳系スキルをふたつ掛けられていたって事を思い出した。」
「何それ。じゃあ白の国も危険?やめとく?そんな過激な国じゃないはずなんだけど…」
ギルはうーんと考え込んでいた。
「いや、そのまま白の国へ行こう。大丈夫、僕を守る為に掛けたって言ってたから。」
「そっか。なら…」
「ところでさ、ギル。」
「なに?ルト。」
僕はまだ忘れていない。
何気なくギルは僕を泉に運ぶ時、物凄いスピードで移動していた事に。
「ギル、元の姿なら白の国まで2週間もかけずに行けるんじゃないのか?」
するとギルがてへっと笑って言う。
「確かにそ~だね~、でもそんな事したらボクと君が二人っきりでいられる時間が減っちゃうじゃないか~。」
「え?どういう事だ?」
「折角面白そうな人間のルトが迷い込んできたのにすぐに白の国へ行ったらボクもうルトを独占出来なくなっちゃう~」
照れ臭そうにギルはそう言った後、真っ直ぐこちらを見つめてきた。
「じゃあ、ボクを正式に使い魔にして主になってよ。」
ギルの様子から本心だということが伝わってくる。
「使い魔?僕がギルの主に!?」
揺るがないそのギルの瞳から目を離す事も出来ず、僕も答えはひとつしかない。
「もちろん、僕で良かったら君の主になりたい。」
「ほんとに!?」
その途端に先程の緊張が解け、ギルは嬉しそうに飛び上がる。
「嬉しい!ルトと一緒に居たら面白いからもっと一緒に居たい。でも、ボクの背中に乗せるのはボクが許した主だけ。だから、ルトが主になってくれて凄く嬉しい。」
かわいい少女の姿でそんな純粋に嬉しそうにされるとこっちまで照れてしまう。
「そ、そんなに嬉しいのか。使い魔になるって事はギルは自由じゃなくなるんじゃないの?」
まあ、そんな束縛するつもりはないけど。
「いい。それに、ルトと契約したら、ルトがイヤリングでボクを呼んだらすぐ分かるようになってる。それに、最上級の妖魔であるボクにはルトが相応しい!」
イヤリングでそんな事も出来るようになるのか。でも、なんでそんなギルは僕をかってるんだろう。誇らしげに言ってくれるのは嬉しいけど、ちょっと照れくさい。過大評価され過ぎていると思うが。
「そうか。離れたとしてもすぐに分かるな。じゃあ最上級の妖魔のギル、これからもよろしく頼むよ。」
「うん、こちらこそよろしくお願いします、主。」
「…ところで、これどうやって契約するんだ?」
改めて挨拶したところを突っ込んでしまったが、本当に分からないので今聞くしかない。
「んーとね、じゃあ今から儀式やろうか!」
え、そんな簡単に出来ちゃう儀式なのか?使い魔の儀式。
驚きを隠せないまま、ギルを正式な僕の使い魔にする儀式が始まる。
ベットの上で眠っていた僕に跨ったこの知らない赤い髪の女はにやりと笑って言った。
「君のその肩の紋章は赤の国のものだね。赤の国も遂にこっちの世界の人間まで手を出して来るとはね~。…よし、無効化完了~。」
「もしなにかあれば白の国へ来て。こっちの世界について教えてあげる。」
「いい?今からあんたに洗脳系のスキルを2つ掛ける。これはあんたを守る為に掛けるんだから。」
「ひとつは私とイヤリングに関するこの記憶を一時的に忘れさせるもの。
ふたつめはあなたがもしあちらの世界に来てしまったときは白の国へ行こうとさせる思考。」
「だけどこれらはあんたがイヤリングと関わるにつれ、徐々に解けていく。」
「失くさないようにそのイヤリングは私が付けてあげる。あんたが意識してもう一度イヤリングを強く求めれば姿を出してくれるはずよ。」
「じゃあ掛けるよ。白の国で待ってるから。」
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そうだ…。
僕はあの時いつもとは違って、朝起きたら目覚まし時計ではなく知らない赤い髪の女の人に起こされたんだ。
赤い女の人は僕の肩の紋章を見て、赤の国だの白の国だのよく分からない事を喋った後、その紋章を消した。
「白い国で待ってるから。」
この言葉が引っ掛かって僕は無意識に白の国へ行きたかったのかもしれない。
徐々に思い出してきて、疑問が湧いてきたのも洗脳系のスキルがふたつとも解けはじめたからか。
洗脳系のスキルを家に乗り込んで掛けてくる白の国もなかなかやばい感じがするが…、こっちの世界を教えてくれるならその方が早い。
少なくとも赤の国よりは好対応をしてくれると信じて…。
「…ト、ルト!!起きてー!!!」
「あっ…ごめん、ギル。」
若干涙目になったギルがまた心配そうな顔でこちらを覗き込む。
なんだか今日はギルに心配かけてばっかだな。
折角初モンスターの肉を食べた日でもあるのに…。あれ、なかなか美味しかったな。
「またなにか思い出したの?ルト」
「あぁ…だいぶな…。白の国の赤い女の人に僕は洗脳系スキルをふたつ掛けられていたって事を思い出した。」
「何それ。じゃあ白の国も危険?やめとく?そんな過激な国じゃないはずなんだけど…」
ギルはうーんと考え込んでいた。
「いや、そのまま白の国へ行こう。大丈夫、僕を守る為に掛けたって言ってたから。」
「そっか。なら…」
「ところでさ、ギル。」
「なに?ルト。」
僕はまだ忘れていない。
何気なくギルは僕を泉に運ぶ時、物凄いスピードで移動していた事に。
「ギル、元の姿なら白の国まで2週間もかけずに行けるんじゃないのか?」
するとギルがてへっと笑って言う。
「確かにそ~だね~、でもそんな事したらボクと君が二人っきりでいられる時間が減っちゃうじゃないか~。」
「え?どういう事だ?」
「折角面白そうな人間のルトが迷い込んできたのにすぐに白の国へ行ったらボクもうルトを独占出来なくなっちゃう~」
照れ臭そうにギルはそう言った後、真っ直ぐこちらを見つめてきた。
「じゃあ、ボクを正式に使い魔にして主になってよ。」
ギルの様子から本心だということが伝わってくる。
「使い魔?僕がギルの主に!?」
揺るがないそのギルの瞳から目を離す事も出来ず、僕も答えはひとつしかない。
「もちろん、僕で良かったら君の主になりたい。」
「ほんとに!?」
その途端に先程の緊張が解け、ギルは嬉しそうに飛び上がる。
「嬉しい!ルトと一緒に居たら面白いからもっと一緒に居たい。でも、ボクの背中に乗せるのはボクが許した主だけ。だから、ルトが主になってくれて凄く嬉しい。」
かわいい少女の姿でそんな純粋に嬉しそうにされるとこっちまで照れてしまう。
「そ、そんなに嬉しいのか。使い魔になるって事はギルは自由じゃなくなるんじゃないの?」
まあ、そんな束縛するつもりはないけど。
「いい。それに、ルトと契約したら、ルトがイヤリングでボクを呼んだらすぐ分かるようになってる。それに、最上級の妖魔であるボクにはルトが相応しい!」
イヤリングでそんな事も出来るようになるのか。でも、なんでそんなギルは僕をかってるんだろう。誇らしげに言ってくれるのは嬉しいけど、ちょっと照れくさい。過大評価され過ぎていると思うが。
「そうか。離れたとしてもすぐに分かるな。じゃあ最上級の妖魔のギル、これからもよろしく頼むよ。」
「うん、こちらこそよろしくお願いします、主。」
「…ところで、これどうやって契約するんだ?」
改めて挨拶したところを突っ込んでしまったが、本当に分からないので今聞くしかない。
「んーとね、じゃあ今から儀式やろうか!」
え、そんな簡単に出来ちゃう儀式なのか?使い魔の儀式。
驚きを隠せないまま、ギルを正式な僕の使い魔にする儀式が始まる。
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