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第1章
異世界こんにちは
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そのまま、何事も無かったかのように家に帰った僕は普段通りに過ごしていた。スマホを見ると、幸助がまたバカなメッセージを送ってきていたのでとりあえず「落ち着け友よ」スタンプを連打しておいた。
その夜、また夢を見た。
いつもの夢と同じようで違う夢。
体が軽く、耳には既に金属のようなものがくっ付いていた。触ると心なしか力が漲っていくようだった。
周りは昨日の夢と変わりない森ではあったが、不気味な印象は無かった。その代わりに、水たまりのような澄んだ池が現れ、覗き込むと自分の顔と、始めて自分の耳に付いているそれの姿を見た。
もしかしてこれ...イヤリング?
外れないから、心の隅で金属の虫かとおもっていたが、どうやら違ったようだ。こんな見た事の無い植物も生えている森の中ならありえると思ったんだけど。
実際見ると綺麗なものだ。
銀色に輝いた小さなイヤリング。
水に反射して映るイヤリングは無機質でありながらも自分を主張しているかのようにひかって見える。
だが、問題なのはやはり今もこのイヤリングは外れないという所だ。ピアスなんじゃないか?とも思ったが、耳を貫通しているようにも思えない。
外そうと試みるもやはり耳が痛くなるだけだった。しかし、何かさえわからなかった時よりはどこか安心感がある。なにより、外そうとすればそのイヤリングは
「のけないで 外さないで」と、訴えてかけているような気がした。
結局そのまま朝が来てしまって、目覚ましが今日の通常任務を終えたところで今日が始まる。
しかし、一瞬、また癖で耳を触った時イヤリングが僕の耳に付いていたように感じる。
「っなぁ!?」
その感触が一瞬、もうここは夢じゃない筈なのに実際に感じ取れてしまった。だが、慌ててもう一度耳を触るが、もう既にそれは無くなっていた。
気のせいだったんだろうか...。
夢にとらわれすぎて現実でもこんな風に考えてしまうとは、僕は疲れているんだろうな。
きっとそうだ、うん。
そこから何事もなく、朝から幸助が飛んで来て、ときどき休み時間も暇なのか他に友達が居ないのか飛んで来て、帰りも一緒に帰るために飛んできた。
...ほんと、犬みたいだこいつは。
「じゃ、帰るか。」
「おう!」
本人曰く、休み時間は皆、本読んだり寝ていたりして暇らしいが、チャイムがなって10秒も経てば現れる辺り、確認する時間なんてあるんだろうか。
___そういえば、ここは、
たわいもない話を駄べりながら僕と幸助は帰っていると、昨日のあの小道に来ていた。
また、あんな風に一瞬痛くなるのではないかと、内心不安に思いながら通る。
「そういえば今日お前のクラスの三好が___」
幸助が喋りかけたその時、突然目の前に現実離れした女の子が2人、上から降ってきた。地面に着く寸前で見事に体勢を立て直し、綺麗に着地した。
この辺では見ない制服だ。赤を基調としたブレザーにチェックのスカート。同い歳くらいに思われる。
短い...あれ絶対校則違反なんじゃ。
ブレザーの上にマントのようなのはロイヤルケープ...。
コスプレ?
女の子2人のうち1人は小柄でもう1人は平均的な身長だった。
幸助はなんだ?という顔をしているが、僕も何が起きているかわからない。
「どちらですか?」
「うん、あのどちらかに昨日印付けたのは確かだよ! ...ただ、どっちにつけたまでは...」
「お、覚えてないんですか!?」
「だ、だってあの印!勝手に自分からどっちかに飛び込んでいっちゃったんだもん!」
「...なら、どちらかは部外者として向こうで処分されることになるでしょうね。」
「もうめんどくさいし、2人とも連れていこうよー!」
「あ、あなたさっき私が言った事ちゃんと聞いて...」
どうやら何か言い争っているように見えるが、よく聞こえない。
小柄な女の子じゃない方の1人がこちらに手を向けて何かを呟いたと思えば、そのまま僕等は光に包まれ、体が浮いてそのまま意識を失った。
ぼやけた視界の中でもう1人の小柄な女の子が焦っているのが見えた。
「…ぉぃ...おい、起きろ!優人!!」
体が誰かに大きく揺さぶられている。
目に光が差し、ぼんやりと親友の顔が見える。
「あ、...幸助、大丈夫?」
目がまともに見えるようになったとき、ホッと息を吐き、親友の矢野 幸助は僕を揺さぶるのをやめた。
「大丈夫?…じゃねえよ。それはこっちの台詞だ。俺が目覚ましたときもまだ気絶してたんだからよ。」
…気絶。
そうか、あのとき……
突然知らない制服の女の子2人が現れて...
「大丈夫か?お前、自分の名前覚えてないとか言わせないぞ。」
幸助は僕の肩をガシッともち、こちらをじっと見つめてくる。
「え?自分の名前?覚えてるよ。春野 優人。」
そう、僕の名前は春野優人。
安心してという意味も込め、笑いかけながらこたえる。
「よし。良かった、覚えてるな。それより、ここ…。」
ホッとした顔をしてすぐに周りを見渡す幸助。それに続いて周りを見渡す僕。
「そうだね。全く知らない場所。」
それどころか見たことのない周り全てが植物。明らかに日本の森にはないような花や木が見える。人工物が1つもない広大な森。だけど、どこかで...。
「どっかのゲームや漫画の世界みたいだよな。」
ポツリとそう呟いた幸助に僕も賛同する。
というより、
「ほんとに、異世界なんじゃ…ないかな。」
「…かもな。明らかに日本には見えない。」
立って二人で360度広がる異質な森を見渡す。
もしも本当にここが異世界だとすればきっと僕達は死ぬかもしれない。何がいるかも分からないこんな森のど真ん中で。
何故こんな場所にいるのか。
そういえば…
「あの女の子2人がここに連れてきたのかな。」
「かもな...。あんなかわいい制服俺見た事ないし!」
幸助がハッと思い出したかのように顔を
こちらへ向ける。
「それで、そのまま僕達は目を覚ますとここにいた、って感じかな。」
「あぁ、ほんと、なんなんだよここは。
俺、帰りたいよ。家に。なんか、嫌な感じする。」
いつも強気で元気な幸助も少し弱気になっているのが分かる。
だけど、確かにこのままここで一生いるのは流石に危険すぎる。
僕は周りを見渡しながらあの女の子2人がいないかを探す。だんだん、少し夢でみた植物と道の様子が似た場所へ来ているような気がした。
その夜、また夢を見た。
いつもの夢と同じようで違う夢。
体が軽く、耳には既に金属のようなものがくっ付いていた。触ると心なしか力が漲っていくようだった。
周りは昨日の夢と変わりない森ではあったが、不気味な印象は無かった。その代わりに、水たまりのような澄んだ池が現れ、覗き込むと自分の顔と、始めて自分の耳に付いているそれの姿を見た。
もしかしてこれ...イヤリング?
外れないから、心の隅で金属の虫かとおもっていたが、どうやら違ったようだ。こんな見た事の無い植物も生えている森の中ならありえると思ったんだけど。
実際見ると綺麗なものだ。
銀色に輝いた小さなイヤリング。
水に反射して映るイヤリングは無機質でありながらも自分を主張しているかのようにひかって見える。
だが、問題なのはやはり今もこのイヤリングは外れないという所だ。ピアスなんじゃないか?とも思ったが、耳を貫通しているようにも思えない。
外そうと試みるもやはり耳が痛くなるだけだった。しかし、何かさえわからなかった時よりはどこか安心感がある。なにより、外そうとすればそのイヤリングは
「のけないで 外さないで」と、訴えてかけているような気がした。
結局そのまま朝が来てしまって、目覚ましが今日の通常任務を終えたところで今日が始まる。
しかし、一瞬、また癖で耳を触った時イヤリングが僕の耳に付いていたように感じる。
「っなぁ!?」
その感触が一瞬、もうここは夢じゃない筈なのに実際に感じ取れてしまった。だが、慌ててもう一度耳を触るが、もう既にそれは無くなっていた。
気のせいだったんだろうか...。
夢にとらわれすぎて現実でもこんな風に考えてしまうとは、僕は疲れているんだろうな。
きっとそうだ、うん。
そこから何事もなく、朝から幸助が飛んで来て、ときどき休み時間も暇なのか他に友達が居ないのか飛んで来て、帰りも一緒に帰るために飛んできた。
...ほんと、犬みたいだこいつは。
「じゃ、帰るか。」
「おう!」
本人曰く、休み時間は皆、本読んだり寝ていたりして暇らしいが、チャイムがなって10秒も経てば現れる辺り、確認する時間なんてあるんだろうか。
___そういえば、ここは、
たわいもない話を駄べりながら僕と幸助は帰っていると、昨日のあの小道に来ていた。
また、あんな風に一瞬痛くなるのではないかと、内心不安に思いながら通る。
「そういえば今日お前のクラスの三好が___」
幸助が喋りかけたその時、突然目の前に現実離れした女の子が2人、上から降ってきた。地面に着く寸前で見事に体勢を立て直し、綺麗に着地した。
この辺では見ない制服だ。赤を基調としたブレザーにチェックのスカート。同い歳くらいに思われる。
短い...あれ絶対校則違反なんじゃ。
ブレザーの上にマントのようなのはロイヤルケープ...。
コスプレ?
女の子2人のうち1人は小柄でもう1人は平均的な身長だった。
幸助はなんだ?という顔をしているが、僕も何が起きているかわからない。
「どちらですか?」
「うん、あのどちらかに昨日印付けたのは確かだよ! ...ただ、どっちにつけたまでは...」
「お、覚えてないんですか!?」
「だ、だってあの印!勝手に自分からどっちかに飛び込んでいっちゃったんだもん!」
「...なら、どちらかは部外者として向こうで処分されることになるでしょうね。」
「もうめんどくさいし、2人とも連れていこうよー!」
「あ、あなたさっき私が言った事ちゃんと聞いて...」
どうやら何か言い争っているように見えるが、よく聞こえない。
小柄な女の子じゃない方の1人がこちらに手を向けて何かを呟いたと思えば、そのまま僕等は光に包まれ、体が浮いてそのまま意識を失った。
ぼやけた視界の中でもう1人の小柄な女の子が焦っているのが見えた。
「…ぉぃ...おい、起きろ!優人!!」
体が誰かに大きく揺さぶられている。
目に光が差し、ぼんやりと親友の顔が見える。
「あ、...幸助、大丈夫?」
目がまともに見えるようになったとき、ホッと息を吐き、親友の矢野 幸助は僕を揺さぶるのをやめた。
「大丈夫?…じゃねえよ。それはこっちの台詞だ。俺が目覚ましたときもまだ気絶してたんだからよ。」
…気絶。
そうか、あのとき……
突然知らない制服の女の子2人が現れて...
「大丈夫か?お前、自分の名前覚えてないとか言わせないぞ。」
幸助は僕の肩をガシッともち、こちらをじっと見つめてくる。
「え?自分の名前?覚えてるよ。春野 優人。」
そう、僕の名前は春野優人。
安心してという意味も込め、笑いかけながらこたえる。
「よし。良かった、覚えてるな。それより、ここ…。」
ホッとした顔をしてすぐに周りを見渡す幸助。それに続いて周りを見渡す僕。
「そうだね。全く知らない場所。」
それどころか見たことのない周り全てが植物。明らかに日本の森にはないような花や木が見える。人工物が1つもない広大な森。だけど、どこかで...。
「どっかのゲームや漫画の世界みたいだよな。」
ポツリとそう呟いた幸助に僕も賛同する。
というより、
「ほんとに、異世界なんじゃ…ないかな。」
「…かもな。明らかに日本には見えない。」
立って二人で360度広がる異質な森を見渡す。
もしも本当にここが異世界だとすればきっと僕達は死ぬかもしれない。何がいるかも分からないこんな森のど真ん中で。
何故こんな場所にいるのか。
そういえば…
「あの女の子2人がここに連れてきたのかな。」
「かもな...。あんなかわいい制服俺見た事ないし!」
幸助がハッと思い出したかのように顔を
こちらへ向ける。
「それで、そのまま僕達は目を覚ますとここにいた、って感じかな。」
「あぁ、ほんと、なんなんだよここは。
俺、帰りたいよ。家に。なんか、嫌な感じする。」
いつも強気で元気な幸助も少し弱気になっているのが分かる。
だけど、確かにこのままここで一生いるのは流石に危険すぎる。
僕は周りを見渡しながらあの女の子2人がいないかを探す。だんだん、少し夢でみた植物と道の様子が似た場所へ来ているような気がした。
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