REGRESSION

だもき

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卒業

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俺は進学するのか、就職するのか
どうしたいかも定まらないまま3学期を迎えていた。
そんな俺を若菜は親身に心配してくれた。
「承太郎、お前が本気で勉強したら玉蘭(たまらん)大学だって受かると思うぞ」
「勉学が嫌なら吒髏(たろ)通信会社にだって入社できると思うぞ」
心配してくれる若菜に真剣に向き合わず、ただただその日暮らしをし時は刻々と過ぎ去っていった。

時は流れ3月9日、、、
キーンコーンカーンコーン
「あーあ」このチャイムを聞くのも今日で最後か。
卒業式当日、俺は卒業する実感もなく、進学するでもなく就職するでもなく
この日を迎えた。
「窩嘛(かま)承太郎」
「はいっ!」
俺は名前を呼ばれ教壇の前に向かった。
「卒業証書、窩嘛承太郎殿」証書を読み上げられ
俺は受け取った。
ふと若菜に目を向けると若菜は泣いていた。
自然と俺も涙が流れていた。

無事に卒業式を終え別れの時。
若菜は俺の進路を導いてやれなかった事を悔いていたが、俺は俺が導いた答えだからと
若菜と別れを告げ、家路に着いた。

「ただいま~」誰もいない家に帰ってきた。
親父は俺が小さい頃に他界してしまったらしい。
母親は俺を育てる為に、働き詰めていた。
『これからどうするかな、、、』
俺は何がしたいのか、何に向かって生きているのか、生きていくのか。
『プルルルルルルルル プルルルルルルルル』
携帯電話が鳴った。
「もしもし」
「じょうたろ~、卒業式お疲れ様!悪いんだけどさぁ、あんたの卒業の祝いにと買い込み過ぎちゃって、運べないからスーパーまで荷物取りに来てくれない?」
『んだよ、卒業して帰ってきたばかりで何で荷物持ちなんかしねぇといけないんだよ』と心の中で呟いた。
「母ちゃん、悪い!これから悟と昼飯食いに行くから」
ほんとはそんな予定もないのに、俺は母ちゃんに本当は卒業式にも来てくれて帰ってきたらお祝いして欲しかった。その反発からか母親の迎えを拒否してしまった。
「ならしょうがないから、頑張って運ぶわ!
夜までには帰ってくるんだよ、あんたの好きなハンバーグを奮発して牛100%にしたんだから」
「わかったよ」
電話を切った俺は鍵を掛けて家を後にした。
する事もない俺は公園に向かって歩いた。
綺麗な桜並木を春風にあたりながら。

公園に着いた頃に
『ウゥ~ ピーポーピーポーピーポー』
救急車の音が聞こえてきた。
俺は公園のブランコに腰掛けた。
『ギィコ~、ギィコ~』久々に乗ったブランコは気持ちが良かった。
女でひとつなのに進学も就職もしなかった俺を母ちゃんは咎めもせず、いつも通り接してくれた。
寧ろ本当は進学したかったのにお金を心配して進学を言い出さなかったと、俺に好きな道を選ばせてあげられなかったと卒業式の前に泣きながら謝られた。
『プルルルルルルルル プルルルルルルルル』
知らない番号から突然の着信。
「はい、窩嘛です」
「こちら窩嘛承太郎さんの携帯でよろしかったでしょうか?」
「はい?間違いないですが、どちらさんですか?」
「すみません、申し遅れました、焦らず聞いて下さい、わたくし帳大学病院の者ですが、、、窩嘛希(のぞみ)さんが交通事故に遭われ病院に運ばれて」
「え、、、」
窩嘛希は俺の母親だ。
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